寒風山トンネル
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寒風山トンネル(かんぷうざんトンネル)は、国道194号の高知県いの町と愛媛県西条市との間の寒風山の下を貫くトンネルである。四国最長の道路トンネルでもあり、無料で通れる道路トンネルとしては2012年3月24日に開通したあつみトンネルが完成するまで日本最長であった。あつみトンネル開通後も、無料で通れる一般道路の道路トンネルとしては引き続き日本一である。
沿革
- 昭和53年(1978年)4月 - 建設省(現国土交通省)の直轄事業として着手された。
- 昭和56年(1981年)9月 - 愛媛県側で工事用道路の工事着手。
- 昭和57年(1982年)10月5日 - 愛媛県側で工事用道路で大規模地すべり発生(幅約100m、長さ約200m、推定崩壊土量10万m3)。
- 昭和61年(1986年) - ルート変更後、工事用道路の工事に着手。
- 昭和63年(1988年)10月 - 建設省(現国土交通省)の直轄事業として本体工事が開始された。
- 平成元年(1989年)2月 - 愛媛県側作業坑の掘削工事に着手。
- 平成2年(1990年)1月 - 愛媛県側本坑の掘削工事に着手。
- 平成4年(1992年)6月 - 高知県側作業坑の掘削工事に着手。
- 平成4年(1992年)8月 - 高知県側本坑の掘削工事に着手。
- 平成6年(1994年)10月3日 - 作業坑が貫通。
- 平成8年(1996年)11月21日 - 本坑が貫通。
- 平成11年(1999年)4月17日 - 一般供用を開始。
概要
本坑延長5432メートル、高知から愛媛方面へ3.45%の下り勾配を持つ片側1車線の長大トンネルである。 このトンネルが開通するまでは、自動車の通行可能な道路は標高1,120m地点[1]にある延長945m、1964年(昭和39年)7月開通の寒風山隧道のみであったが、トンネルの前後は高知県側・愛媛県側ともに急傾斜の林間を縫う悪路であり、大型車の利用には支障が多かった。また、大雨による通行規制、さらに冬季3ヶ月間は雪による路面の凍結等で通行止めになることも多かったため、昭和51年度より関係市町村・諸団体・民間企業等が改良を求める運動を行い新トンネルの建設へと繋がって行った。
実際の工事にあたっては、高土被り(最大900mの土被り箇所がある)による高地圧対策や突発湧水など、数々の難工事を克服して完成にこぎ着けた。
トンネル延長が5000mを超えているため危険物積載車はこのトンネルを通行できないので注意が必要(旧寒風山トンネルで迂回可能)である。また、高知県から愛媛県に向かっての下り坂路で、尚かつ曲線のない直線路なので、誰しもスピードを大幅に超過しやすい走行環境であるため、白バイが交通パトロールのため巡回していることがある。
なお、旧寒風山トンネル(寒風山隧道)と区別する場合、新寒風山トンネルということもある。
本トンネルの開通によりこの区間の所要時間が約50分から約10分に大幅に短縮され、積雪の影響もほとんど解消された。
今後
- 開通以来、無料で通れる道路トンネルとしては日本一の長さを誇っていたが、近年、新直轄方式などで高速道路が無料で作られるケースが増えており、2012年3月24日に開通した日本海東北自動車道・あつみトンネル(6022m)、2017年度に開通予定の東北中央自動車道・栗子トンネル(8975m)、2023年度以降に開通予定の道央自動車道・オオヌマトンネル(7093m)が開通すると4位にまで下がってしまう。
- しかしながら、いずれも自動車専用道路なので、一般道路の無料で通れる道路トンネルとしては引き続き日本一である。
路線データ
- 構造規格:第3種 第3級
- 設計速度:60km/h
- 長さ:5,432m
- 道路幅員:9m
- 車線幅員:3.25m
- 車線:片側1車線
脚注・参考文献
- 土佐国道事務所40年のあゆみ
関連項目
テンプレート:Asbox- ↑ 『スーパーマップル 四国道路地図』 昭文社、2008年