西湖 (杭州市)
テンプレート:Infobox 西湖(せいこ)は、中国浙江省杭州市にある湖。 西湖の自然の島である孤山、西湖を分ける堤の苏堤・白堤・杨公堤、人工の島である小瀛洲・湖心亭・阮公墩、分けられた湖の外湖・西里湖・北里湖・南湖・岳湖、これらをまとめて形状を「一山、三堤、三島、五湖」と称される。2006年に、中国の国家AAAAA級旅行景区に指定される。2004年発行の第五版人民元1元札裏面の図案として、西湖の三潭印月が採用されている。 名称からして都市や山の西にある湖ということで、中国に数ある西湖であるが、単に「西湖」と言えば、この杭州の西湖を指す。2011年6月の第35回世界遺産委員会で世界遺産(文化遺産)として登録された。
起源
地質学的には、一万二千年程前に形成された潟である。秦の始皇帝が銭唐に至り浙江を臨むとの記述が史記に見えるが、これが史書に見える西湖に関する初出であるといわれる。当時、まだ淡水化していなかったこの潟は銭塘江の下流、三角州の一部の干潟であったと考えられる。
地理
- 位置:杭州市西郊にあることから西湖と呼ばれている。[[[:テンプレート:座標URL]]30_14_45_N_120_8_30_E_ 北緯30度14分45秒、東経120度8分30秒]
- 水深:干潟であったことを示すように、西湖の水深は平均1.8m、最も深いところでも2.8mしかなく、非常に浅い湖である。
- 大きさ:南北3.3km、東西2.8km、外周15km、水域面積6.5平方km。
名称
この干潟も漢代に淡水化し、武林水・時聖湖などと呼ばれた。西湖という名称が用いられるようになったのは唐代に入ってからだが、同時に銭源、銭唐湖などとも呼ばれており、固定していない。また、唐代にそれまでの銭唐から銭塘へ用字の変更がおこなわれた。西湖の名称が固定したのは宋代に入ってからである。
伝承
西湖にまつわる伝承は多い。京劇白蛇伝の白素貞が入水したといわれる白堤、蘇軾の造営によるという蘇堤など、西湖十景と呼ばれる観光資源が豊富である。
中でも有名な伝承は中国四大美人の一人、西施入水にまつわるもので、この故事により西湖の名称が定着したというものである。しかし、呉越の時代にはまだ西湖は淡水化しておらず、漢代でもなお西湖とは呼ばれていなかったことから、この伝承は後代のものであろう。
資源
西湖では現在漁業は行われておらず、湖水は灌漑にも用いられていない。このため、観光が唯一にして最大の資源である。周囲には雷峰塔、岳廟、銭塘江、そして龍井などがあり龍井茶の産地としても知られる。離れた場所に六和塔がある。
このうち、銭塘江は毎年中秋のころに潮汐の関係で大逆流(海嘯)を起こすことで知られる。
西湖十景
断橋残雪、平湖秋月、曲院風荷、蘇堤春暁、三潭印月、花港観魚、南屏晩鐘、雷峰夕照、柳浪聞鶯、双峰挿雲
西湖新十景
云栖竹径、満陇桂雨、虎跑梦泉、龍井問茶、九溪烟樹、吴山天風、阮墩環碧、黄龍吐翠、玉皇飛云、宝石流霞
世界遺産
登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。テンプレート:世界遺産基準/coreテンプレート:世界遺産基準/coreテンプレート:世界遺産基準/core
その他
- 世界遺産の頤和園にある昆明湖(こんめいこ)は西湖をモデルとして作られた。
- 岐阜県岐阜市にある岐阜市と杭州市の友好都市提携10周年を記念して作られた日中友好庭園内に西湖(せいこ)を模して作られた池がある。
- 福岡県福岡市にある大濠公園の池も、この西湖を模して工事された。ほか各地の多くの庭園に名称がついている