ピンク
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ピンク (テンプレート:Lang-en)は赤と白を混ぜて出来る色の一つ。しばしば明るい赤と表現されるが、より正確には明度が高く彩度の低い赤である。ピンクは濃淡によってさまざまなバリエーションが存在する。
目次
概要
英語の pink は、元来ナデシコの意であり[1]、シェークスピアの時代にはまだ色名としての用法はなかったとされる。後に、ナデシコの花の色を指して pink、すなわち「なでしこ色」と呼ぶようになった。
また、英語以外の多くのヨーロッパの言語では、ピンク色を指すのにバラを意味する語やその派生語を使い、いわば「ばら色」という言い方をする。
日本語では英語を借りて「ピンク」「ピンク色」と呼ぶのが一般的だが、モモの花に見立てた「桃色」の名もある。 ほかに「撫子色」(なでしこいろ)、「石竹色」(せきちくいろ)などナデシコに由来する和色名もあるが、これらが英語 pink の同義語として扱われてきた実績がとくにあるわけではない。実際の色は微妙に異なる。
ピンクの色料
ピンクの顕色は一般的には赤色顔料と白色顔料による。セラミック顔料においては陶試紅やクロムスズピンク、サーモンピンクといったピンクの顔料が存在する(セラミック顔料で赤色顔料はカドミウムレッドをジルコンでコーティングしたファイアーレッドしか存在しない)。特にクロムスズピンクはピンクから紫がかった赤、ワインレッドにいたる様々な色を出す。
また、強い印象を与える派手で鮮明なピンク色をショッキング・ピンクと呼ぶ[2]。
ピンクに関する事項
心理的作用
ピンクは心理的に、興奮状態を落ち着かせ、緊張をほぐし、リラックスさせる色として知られる。これは暖色系の温かみと寒色系の落ち着きを併せ持つピンクならではの特色である。これによって、近年の医療関連施設では淡いピンク色(ペールピンク)が内装の色として盛んに用いられるようになっている。また、看護師などが着用する白衣も淡いピンクのものがある。ただし、濃度が高いと心理的に不快感を与えることがあり、逆効果となってしまう。
女性の象徴
- ブルーが「より優美で繊細」であるのに対し、ピンクは「よりはっきりして力強い」と1918年版の『レディーズ・ホーム・ジャーナル』に書かれており、同書はそれが「一般的な見方」であるという。
- しかし、現代ではピンク色は女性に好まれ、女らしいとみなされる色である。たとえば、テレビドラマ『セックス・アンド・シティー』のキャリーはピンクのドレスを好み、映画『キューティ・ブロンド』シリーズでリース・ウィザースプーン演じるエルは、ピンクのオーバーを何より好む女性として描かれる。
- スーパー戦隊シリーズでは、ピンクは必ず女性キャラクターの色として使われている。女性=ピンクをイメージさせることから来ている。
- 同様の理由からか、女児向けアニメでは主人公のイメージカラーに用いられることも多い(東京ミュウミュウ・おジャ魔女どれみ・ぴちぴちピッチ・しゅごキャラ!・プリキュアシリーズ等)。
- さらに、ゲームキャラクターのヒロインのイメージカラーに用いられることもある(『マリオシリーズ』のピーチ姫・『ソニックシリーズ』のエミー・ローズ等)。
- おかあさんといっしょのキャラクターの女性のメインキャラもイメージカラーに用いられることもある(『でこぼこフレンズ』のメロディーヌとまる・『パンツぱんくろう』のコミンゴ・『ともだち8にん』のニコとマーシャ(女の子であるキャラクターの名前の文字の色もピンクである)・『ポコポッテイト』のミーニャ等)。
- 女性専用車を示すために、車両の窓やホームの乗車目標にピンクの塗装やピンクのラインを引いて、それと示すようにしている場合がある。白系の色も多く見られる。テンプレート:要出典
性的表現
- ピンクは、日本において性的な意味も持つ。それはおそらく女性への連想や、または肉や赤面の色あいである事に起因すると思われる。
- 英語圏で成人映画を"blue movies"と呼ぶのに対し、日本では、これらはしばしば「ピンク映画」と呼ばれる。
- 同様に、風俗店などを宣伝する違法な広告のことを、俗に「ピンクちらし」と呼ぶ。
- ピンク(正確にはピンクがかったラベンダー色)は、同性愛及び両性愛を連想させる色である。ナチスが強制収容所に収容された囚人を区別する印のうち、同性愛者に付けられたラベンダー・ピンクの三角形に由来する[3]。ユダヤ人がダビデの星を身に付ける事を強いられた一方、同性愛の男はピンクの三角形を身に付けることを強いられた。近年では誇りを持って着用される。
- オランダの同性愛に関するニュースグループはnl.rozeと呼ばれ、rozeはオランダ語でピンクを表す。
その他の特徴
- 無垢、子供らしさや、生命力・健康を象徴する。
- 他のパステル調の色と共に、春や花を暗示する色でもある。
- 成人、特に中年男性がピンクの服を着ると奇抜なイメージを持たれる。逆にそれを利用してコメディアンやコメンテーターなどがキャラクター作りのためにピンクを着ることがある。漫談家の林家ペーは妻の林家パー子とともに全身をピンク色で固めることで知られる。お笑いコンビ・オードリーの春日俊彰は、ピンクのベストをしばしば着用していることで有名である。日本でもっとも著名な司会者であるタモリもまたピンク色のセーターを身につけ出演することが多い。豪快な人柄と軽快なトークで知られる棋士、神吉宏充はピンクのスーツをよく着ている。中日ドラゴンズに所属していた井上一樹は2003年までピンク色のリストバンドを着用していた。
- 政治家の井脇ノブ子はピンク色のスーツをトレードマークにしている。
- 国旗には使用されない色でもある。
- 共産主義および社会主義を象徴する赤(赤旗参照)に半ば染まったという意味で、英語圏において容共または社会主義的であることを意味する蔑称として用いられることがある。
- 第二次世界大戦中に北アフリカ戦線で活躍したイギリス陸軍の特殊部隊SASは、軍用車両の迷彩色としてピンクを用いていた。これは砂漠で墜落遭難した軍用機が、元のサンドイエローの塗装色が退色してピンク色になり、偶然高い迷彩効果を発揮して発見が遅れたという出来事に学んだものである。
- 大正製薬の便秘薬・コーラックのキャッチフレーズはピンクの小粒コーラックである。この商品のイメージが強いため、競合他社の製品もほとんどピンクの着色を行っている。また、便秘薬は女性をターゲットにしているため、パッケージそのものにピンクを施したものが多い。なお、日本テレビの番組『笑点』に出演する三遊亭好楽の衣装カラーはピンクだが、そのことから「好楽」の名もコーラックのコマーシャルコピーにかけているという説がある。
- 桜の花びらは、漫画や絵画、アニメの中でピンクを示す傾向がある(一般的なソメイヨシノの花の色は白である)。また、ピンク→桜の色の連想からピンク色の花を咲かせるコスモスは漢字で秋桜と書く。
- スヌーカーのボールで6点のものはピンクである。
- pink はLSDの通称のひとつ。
- 自転車レース『ジロ・デ・イタリア』の優勝者はマッリャ・ローザ(Maglia Rosa)と呼ばれるピンクのジャージを与えられる。これは主催するラ・ガゼッタ・デロ・スポルト紙(La Gazzetta dello Sport)の特徴ある紙面の色からとられている。
- オレンジがかったピンク色のワインをロゼワインという。
- カトリック教会の伝統においてピンクは喜びと幸せを表すものであり、イエスの降誕を喜ぶ待降節の第三主日(喜びの主日)にはピンクの祭服が用いられることがある。
- 日本において、飲食店などに置いてある『特殊簡易公衆電話』は通称ピンク電話と呼ばれる。
- 雑誌「ドリフト天国」はショッキングピンクがイメージカラーで(「ドリ天セフィーロ」など編集部所有車もピンクと白のツートンである)、時にピンク限定のイベントも行っている。
人物・キャラクターに関するピンク
- ももいろクローバーZの佐々木彩夏のイメージカラー。
- SUPER☆GiRLSの前島亜美のイメージカラー。
- KAT-TUNの亀梨和也のイメージカラー。
- モーニング娘。の保田圭→紺野あさ美→道重さゆみのイメージカラー。
- Berryz工房の嗣永桃子のイメージカラー。
- ℃-uteの矢島舞美→鈴木愛理のイメージカラー。
- 元スマイレージの前田憂佳のイメージカラー。
- アップアップガールズ(仮)の古川小夏のイメージカラー。
- Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔のイメージカラー。
- SMAPの稲垣吾郎のイメージカラー。
- 任天堂のゲームソフト、「星のカービィ」のキャラクター、カービィのイメージカラー。
- 任天堂のゲームソフト、「マリオシリーズ」のキャラクター、ピーチのイメージカラー。
鉄道に関するピンク
ピンクをシンボルカラーとする路線
車体色にピンクを使用する車両
- 東急5000系電車 (2代) - 東横線で運行されている車両のみ。5050系および同4000番台(Shibuya Hikarie号は除く)も含む。
- 名鉄300系電車 - 名古屋鉄道の地下鉄上飯田線直通用の車両
- 名古屋市交通局7000形電車 - 名古屋市営地下鉄の名鉄小牧線直通用の車両
- 東京都交通局300形電車 - 新交通システム日暮里・舎人ライナーで使用されている車両
種別案内でのピンク
その他
- 通勤電車の女性専用車のシンボルカラー。
近似色
脚注
関連項目
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か | き | く | け | こ | ま | み | む | め | も | |
さ | し | す | せ | そ | や | ゆ | よ | |||
た | ち | つ | て | と | ら | り | る | れ | ろ | |
な | に | ぬ | ね | の | わ | JIS慣用色名 |
- ↑ 一説に、花弁の縁端の特徴的な形状から、「ギザギザに切る」(cf. ピンキング)を意味する pink の同系語であるとされる。
- ↑ 松村明『大辞泉』小学館
- ↑ テンプレート:Cite web