十二指腸

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十二指腸(じゅうにしちょう、Duodenum)は、小腸をつなぐ消化管である。全体の形はC字状で長さは約25cm。十二指腸の名は、ターヘル・アナトミア解体新書として和訳刊行された際に、新たに作られた医学用語のひとつである。ラテン語では本来 duodenum digitorumduodenum「12」+digitorum「指」=「12本の指の幅」)と呼ばれていた。さらにさかのぼるとギリシャ語dodekadaktylosdodeka「12」+daktylos「指」)から来ている。いずれにせよ、この名はこの部分の長さが指の幅の12倍ほどであることに由来する。[1]。大部分が後腹膜に固定されており、可動性がない。

なお、小腸の一部とする考え方もあり、その場合は空腸回腸と違い腸間膜に包まれないので無腸間膜小腸と呼称する場合もある。

解剖学的区分

上部(第一部)
胃の幽門口の続きで、右へ向かう部位。上部の始まりの部分は十二指腸球部と呼ばれ、肝臓との間に小網が張る。十二指腸球部は潰瘍の好発部位である。
下行部(第二部)
十二指腸上部の続きで、下へ向かう部位。ファーター乳頭(大十二指腸乳頭)、副膵管小十二指腸乳頭が開口する。
下部(第三部)
十二指腸下行部の続きで、左へ向かう部位。
上行部(第四部)
十二指腸下部の続きで、上へ向かう部位。空腸へ移行する。トライツ靭帯(十二指腸提筋)で上方へ固定されている部位。

消化

胃から送られて来た食物をさらに消化し、空腸へ送る。

大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)には胆管および主膵管が開口しており、肝臓から胆嚢を経由して胆汁を、膵臓から膵液を受ける。十二指腸から分泌されるエンテロキナーゼは、膵液中のトリプシノーゲンを活性化しトリプシンに転換する。

十二指腸では、脂肪タンパク質炭水化物が分解され、空腸に送られる。

脚注

  1. これは本来ヤード・ポンド法で「12インチの腸」と表現していたものが、ターヘル・アナトミアを翻訳する際に「インチ」の単位を知らなかった翻訳者らにより「指」と誤訳されて現在にいたっているのだという説があるが、俗説である(インチという単位の起源は親指の幅であるとされ、多くのヨーロッパの言語でインチが親指と同じ語(あるいはその派生語)で表されているのは事実である)。外部リンク Online Etymology を参照。なおWIkipedia英語版、フランス語版、スペイン語版、中国語版などにもラテン語の「12本の指の幅」の意味についての解説があるので参照されたい。

関連項目

外部リンク

  • duodenumOnline Etymology(十二指腸の語源の解説)

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