O嬢の物語
テンプレート:性的 テンプレート:Portal 『O嬢の物語』(原題Histoire d'O)は、フランスの中編小説。1954年ジャン=ジャック・ポーヴェール書店より刊行。作者はポーリーヌ・レアージュ(Pauline Réage)。1955年ドゥ・マゴ賞を受賞。
ストーリー
女流ファッション写真家のOは、ある日恋人ルネにとある城館へ連れて来られ、複数の男の共有性的玩弄物となるよう、鞭打やその他肉体を蹂躙する手段をもって心身共に調教される。一ヶ月ほど後、城館を後にしたOは、ルネからステファン卿なる人物を紹介され、卿の求めに従ってルネから卿に譲り渡される。ステファン卿の持ち物となったOは凌辱と鞭打とを繰り返され、さらに卿の持ち物である証として尻に烙印を押され、性器に鉄の輪と鎖を付けられる。そしてある夜会で、梟の仮面を被せられ、陰部を脱毛されたOは衆目に晒されることになる。
作者
作者はポーリーヌ・レアージュ(Pauline Réage)。この女性名のペンネームは、序文『奴隷状態における幸福』を寄せたジャン・ポーラン(Jean Paulhan)自身のものと目されていたが、執筆に関わっていたと一部で噂されていたドミニク・オーリーが1994年に自分が作者であると表明した。ポーランに熱烈に恋していたオーリーは、彼の気を引くためにこの物語を書いたと述べている。親子ほど歳が下で、しかもたいしてかわいくもない自分が、女性の噂の絶えない人気文化人だったポーランの気を引くにはそれしかなかったとインタビューに答えている[1]。
続編
- 『ロワッシイへの帰還』(原題Retour a Roissy)- 同じポーリーヌ・レアージュ名義で執筆されているが、ドミニク・オーリーとは別な人物が執筆。
書籍
日本語訳
- 角川文庫でも同じ訳が出版されており、現在ではAmazon Kindle版を購入できる。
- 最終版のテキストを底本とした完訳版。
- O嬢の物語 グイド・クレパックス(Guido Crepax)作画 巖谷國士訳 エディシオントレヴィル ISBN 978-4309907277
- コミック版。全2巻
官能小説家の千草忠夫が翻訳したバージョンはオリジナルの設定があり、翻案に近い。このほかにも、鈴木豊訳(講談社文庫)清水正二郎の翻訳も存在しているが、いずれも絶版。
他メディアへの展開
映画
- チャイナ・ドール/上海異人娼館
- 1981年に寺山修司脚本・監督、イザベル・イリエ、クラウス・キンスキー出演で映画化されている。1920年代の中国・上海を舞台に大胆に脚色。
- 新・O嬢の物語(The Story of O: Untold Pleasures)
- 2001年にフィル・レイノルス(Phil Leirness)監督、ダニエル・シアーディ(Danielle Ciardi)主演で映画化されている。『O嬢の物語』を現代風に解釈したリメイク作品。アメリカで製作されており、舞台はロサンゼルスになっている。
テレビドラマ
- O嬢の物語
- 1994年にアメリカの成人向けケーブルTVなどのメディアで放送された。監督はロン・ウィリアムス、出演はクラウディオ・セペダ、パウロ・レイス、ネルソン・フレイタスなど 。
舞台
日本では1967年に前衛舞踏家の伊藤ミカによって舞台化された。