河出書房新社
テンプレート:Infobox 株式会社河出書房新社（かわでしょぼうしんしゃ）は、日本の出版社である。本社は東京都渋谷区千駄ヶ谷にある。
歴史
1886年（明治19年）に河出靜一郎（1857-1936）によって岐阜の「成美堂書店」の東京支店として日本橋に設立されたのが始まりである。当時は教科書や学習参考書を中心に出版していたが、農学関係書の刊行が次第に増えていった。1933年（昭和8年）に二代目（静一郎の女婿）の河出孝雄（1901-1965）が河出書房に改称し、文芸書や思想書を中心に刊行するようになった。1944年（昭和19年）には改造社より文芸雑誌『文藝』を買い取った。1945年（昭和20年）の東京大空襲で被災し、千代田区神田小川町に移転する。
1950年刊行した笠信太郎『ものの見方について』がベストセラーとなる。1954年（昭和29年）に創業70周年記念企画として総合雑誌『現代生活』の創刊を公告するも、立ち上げの資金を編集スタッフが持ち逃げ。『現代生活』は『知性』という名で創刊するが、これが遠因となって1957年（昭和32年）に経営破綻。新たに河出書房新社を創設し再建された。65年河出孝雄が死去、河出朋久（1938-）が三代目社長となる。1967年（昭和42年）に会社更生法を申請し再度倒産。再建され中島隆之が社長となる。1977年（昭和52年）に品川区東大井から新宿区住吉町に移転し、清水勝が社長となる。2年後に千駄ヶ谷に移転し現在に至る。旧社は登記のみ残し休眠状態だったが、2000年（平成12年）から東大井で営業再開。19年、新社と業務提携、販売契約を締結。
1962年（昭和37年）より文藝賞を創設した。同賞を受賞した高橋和巳は主たる作家となる。1981年、田中康夫『なんとなく、クリスタル』、堀田あけみ『1980年アイコ16歳』、83年、唐十郎『佐川君からの手紙』、87年、俵万智『サラダ記念日』、97年、俵万智『チョコレート革命』がベストセラーとなる。
2011年、社長が若森繁男から小野寺優に交代。
河出朋久は歌人でもあり、『白葉集』1-3（短歌研究社、2004-06）の歌集がある。佐佐木幸綱、高野公彦、小野茂樹など学生歌人を社員登用していたこともある。
主な出版物
雑誌
- 『文藝』
文庫・叢書・書籍など
- 河出文庫
- 河出ブックス
- KAWADE夢新書
- 九龍コミックス
- ふくろうの本
- らんぷの本
- 奇想コレクション
- 14歳の世渡り術
- 放浪家族 - 1975年（昭和50年）
- 俵万智『サラダ記念日』
- 橋本治『桃尻語訳枕草子』
- 治安崩壊──凶悪犯罪社会を生き抜くために知るべきこと
