いすみ鉄道
テンプレート:Infobox いすみ鉄道株式会社(いすみてつどう)は、千葉県夷隅郡大多喜町に本社を置き、日本国有鉄道(国鉄)特定地方交通線の一つだった木原線を引き継いだ鉄道路線いすみ線を運営する、沿線自治体などが出資する第三セクター方式の鉄道事業者。
歴史
路線
車両
現在運用されているいすみ200'型は製造から24年を経て老朽化が進行しており、いすみ線の存続が決定したことから、2012年から3年間にわたって導入する新型車両5両で置き換えることが発表されている。
現用車両
- いすみ200'型 (201 - 207) :3両在籍
- いすみ300形 (301 - 302):2両在籍
- 2012年3月28日に運行開始。2011年11月3日鳥塚社長自らのブログで存在が明らかにされ、2012年1月3日に導入を発表。同年2月22日に大多喜駅車両基地に301・302が搬入された。
- 新潟トランシスが製造するNDCであり、基本的な車体構造は真岡鐡道のモオカ14形(後期形)や松浦鉄道のMR-600形(いずれも日本車輌製)をベースとしている。座席配置はいすみ200型とは異なりセミクロスシートとなる。開閉可能な側面窓、国鉄の列車を模した青色モケットのクロスシート座席、木目調の内装、幕式の行先表示器などが特徴である。車内には、トイレとその脇にムーミンのぬいぐるみを備えた棚が設置された。全部で3両が導入される予定。
- いすみ350形 (351 - 352) :2両在籍
- キハ52形 (125)
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)富山地域鉄道部富山運転センター車両管理室に所属し、大糸線非電化区間で運用されていた車両。2010年の廃車後にいすみ200型の置き換えおよび観光用目的でJR西日本から譲渡された。いすみ鉄道到着後の同年12月12日に大多喜駅構内で撮影会を行った後に国鉄気動車標準色(クリーム4号+朱色4号)に塗装変更し、翌2011年1月9日にお色直し撮影会。全般検査後の同年3月27日にお披露目撮影会、翌4月8日にチャリティー公開試運転を行い、同月29日から「観光急行列車」として営業運転を開始した[2]。またこの車両による小湊鉄道との相互乗り入れ構想があることも社長自らのブログで明らかにしている。また、2014年3月からは、車体塗装を国鉄気動車標準色から首都圏色(朱色5号)に変更して運用されている[3][4]。
- キハ28形 (2346)
- JR西日本富山地域鉄道部富山運転センター車両管理室に所属し、2011年3月11日までキハ58系最後の定期運用に使用された4両のうち保留車となっていた車両。2012年8月27日に鳥塚社長のブログでJR西日本から導入することが発表され[5]、国鉄急行色に塗装変更後に2013年3月9日から先行導入されていたキハ52 125と併結による営業運転を開始。
- この車両は1964年4月15日米子機関区(現在の後藤総合車両所)に新製配置されたが、同年5月24日付で新潟機関区(現在の新潟車両センター)に転出、同年7月14日付で千葉気動車区に転出して房総地区での海水浴客輸送に使用され、同年9月17日に米子機関区に転出。実質的には貸し渡し的な転出入で1985年までは山陰地区で、それ以降2011年まで北陸地区で運用され続けた。
- Izumi 200 .JPG
いすみ200'型
- Isumi301.JPG
いすみ300形
- Isumi railway isumi 350.JPG
いすみ350形(手前側の車両)
- Kiha 52 izumi line no2.JPG
キハ52 125(国鉄気動車標準色)
- Isumi line kiha28+kiha52.JPG
車体塗装を国鉄気動車標準色から首都圏色に変更したキハ52 125(手前側の車両)
- Isumi railway kiha 28 2346.JPG
キハ28 2346(手前側の車両)
導入予定車両
- キハ30形 (62)
- Isumi railway kiha 30 62.JPG
国吉駅構内に留置されたキハ30 62
運賃
大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2014年4月1日改定[7][8]。
大原 | |||||||||||||
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180 | 西大原 | ||||||||||||
260 | 260 | 上総東 | |||||||||||
330 | 260 | 180 | 新田野 | ||||||||||
330 | 330 | 260 | 180 | 国吉 | |||||||||
400 | 400 | 330 | 260 | 260 | 上総中川 | ||||||||
470 | 470 | 400 | 330 | 260 | 180 | 城見ヶ丘 | |||||||
530 | 470 | 400 | 330 | 330 | 260 | 180 | 大多喜 | ||||||
600 | 530 | 470 | 400 | 400 | 330 | 260 | 180 | 小谷松 | |||||
600 | 530 | 470 | 470 | 400 | 330 | 260 | 260 | 180 | 東総元 | ||||
600 | 600 | 530 | 470 | 400 | 330 | 260 | 260 | 180 | 180 | 久我原 | |||
660 | 600 | 530 | 470 | 470 | 400 | 330 | 330 | 260 | 180 | 180 | 総元 | ||
720 | 660 | 600 | 530 | 530 | 470 | 400 | 400 | 330 | 260 | 260 | 180 | 西畑 | |
720 | 720 | 660 | 600 | 530 | 470 | 400 | 400 | 330 | 330 | 260 | 260 | 180 | 上総中野 |
キロ程 | 運賃(円) |
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初乗り1 - 3km | 180 |
4 - 6 | 260 |
7 - 9 | 330 |
10 - 12 | 400 |
13 - 15 | 470 |
16 - 18 | 530 |
19 - 21 | 600 |
22 - 24 | 660 |
25 - 27 | 720 |
急行列車を利用の場合は乗車券・急行券が必要。急行列車の指定席を利用の場合は乗車券・急行券に加えて指定席券が必要。
- 急行料金:全線均一300円(小児半額・10円未満切り上げ)
- 指定席料金:全線均一300円(小児同額)
2011年4月から急行・指定席料金が設定されたが、急行券・指定席券の発売は急行の始発駅のみで行なっている[9][10]。
乗車券は、列車内と大原・国吉・大多喜駅では自動券売機で発売している。大多喜駅では硬券の入場券が購入できる。
- 入場券:170円(小児半額)
割引乗車券
以下の乗車券類が発売されている。
- いすみ鉄道1日フリー乗車券(大人:1,000円 小人:500円)
- 南房総フリー乗車券(南房総フリーきっぷの提示が必要。大人:800円 小人:400円)
- 房総横断記念乗車券(いすみ鉄道大原 - 小湊鉄道五井間の片道割引乗車券、途中下車可能。大人:1,700円 小人:850円)
存廃問題
木原線が第三セクター化されて以降、長年にわたっていすみ鉄道は赤字経営が続いており、2006年度で約1億2,700万円の赤字を出している。そこで、千葉県をはじめとする地元自治体などによって結成された「いすみ鉄道再生会議」は、「2008年からの2年間は収支検証期間として鉄道を存続させるが、2009年度決算でも収支の改善見込みが立たない場合、鉄道の廃止も検討する」ことを取り決めた[11]。
このため、経営立て直しのために2007年12月から社長を一般公募し、翌2008年2月に千葉県のバス会社平和交通社長(当時)の吉田平[12]に内定し、同年3月26日の臨時株主総会と取締役会で正式決定し、4月に就任した[13][14]。
そして2009年2月、吉田が千葉県知事選挙への出馬と社長辞任を発表したため[15]、 同年5月4日に社長の再公募を発表し、6月1日、123人の公募の中から元ブリティッシュ・エアウェイズ旅客運航部長の鳥塚亮が内定し、同月28日に開かれた株主総会と取締役会を経て代表取締役社長に就任した[16]。
2008年、オリジナル開発商品の「い鉄揚げ」の販売を開始した。ホタルウォッチング列車の運転も2008年より開始されている。 2009年には、「房総のけむり饅頭」の販売を開始するとともに「い鉄揚げ」に「カレー味」と「かりんとう味」を追加、同年10月からはムーミンをあしらった列車の運行を開始している。また、同年10月以降、大原、国吉、大多喜の各駅に直営店を開店(大多喜駅は新装リニューアル)し、ウェブショップも開設した。
2010年3月4日には、訓練費700万円を採用時に自己負担することを条件に列車運転免許を取得できるという運転士養成プランを発表した[17][18]。同プランに基づき40代から50代の男性4名が採用された[19][20][21]。これに対し、動労千葉は「700万円払えば運転士になれる」と呼びかけて募集している状態で運転保安は二の次にされていると懸念している[22]。その後、4人はディーゼル列車の運転資格である国土交通省の「動力車操縦資格試験」に合格し[23]、2012年夏より単独乗務している。
こうした経営努力の結果、同年8月6日に鉄道の存続が決定した[24]。
その後、2011年3月期決算では売店業などの伸びによって売上高が前期比58.1%増になるなど、経営状況が改善されるきざしも見られる[25]。