殊能将之
テンプレート:Infobox 作家 殊能 将之(しゅのう まさゆき、1964年1月19日 - 2013年2月11日[1])は、日本の推理作家。福井県出身。
福井県立藤島高等学校卒業。名古屋大学理学部中退後、編集プロダクションに勤めるが、その後退職。1999年に『ハサミ男』で第13回メフィスト賞を受賞してデビュー。
人物
断片的な情報以外一切の個人情報を明かさない覆面作家である[2]。ペンネームは、『楚辞』の一編、屈原「天問」の“殊能将レ之”(しゅのうもてこれをひきいたる=特殊な才能でこれ“軍勢”を率いる)という言葉からとられた[3]。
独特のセンスと問題意識からくる創作法を持っており、博識とサーカズムを織り交ぜつつミステリの定石を組み替えるスタイルを得意とする。例えば「キマイラの新しい城」の巻末には大量の「参考文献」表示があるが、解説者は「何がどう参考にされたのかまったくわからない」と告白している。
公式サイトでの日記において披瀝するように、SFとミステリ(特に本格ミステリ)の熱烈なマニアである。特に愛好するのは、アメリカの作家であるアヴラム・デイヴィッドスンと、フランスの本格ミステリ作家ポール・アルテ。デイヴィッドスンについては、日本オリジナル短編集『どんがらがん』の編者を担当し、アルテについては、原語でいくつもの作品を読破し、読書日記においてその感想を述べたほか、作品の順位付けも行っていた。
蘊蓄や言葉遊び、創作料理を好み、作品にもそれらがガジェットとして登場していたが、自身の公式サイトを持ってからはその傾向はなくなった。
短編「キラキラコウモリ」(『ウフ.』2008年5月号掲載)以降、作家として公の活動はしていなかったが、公式サイトの日記(「memo」と称していた)・Twitterは頻繁に更新していた。
2013年2月11日に死去[1]。テンプレート:没年齢。
作品リスト
小説
- ハサミ男 - 第13回メフィスト賞受賞作
- 美濃牛 - 第1回本格ミステリ大賞候補作
- 2000年4月、講談社ノベルス、ISBN 4-06-182123-7
- 2003年4月、講談社文庫、ISBN 4-06-273720-5
- 黒い仏
- 2001年1月、講談社ノベルス、ISBN 4-06-182167-9
- 2004年1月、講談社文庫、ISBN 4-06-273936-4
- 鏡の中は日曜日 - 第2回本格ミステリ大賞候補作
- 2001年12月、講談社ノベルス、ISBN 4-06-182222-5
- 2005年6月、講談社文庫、ISBN 4-06-275119-4(『樒 / 榁』併禄)
- 樒 / 榁テンプレート:Small
- 2002年6月、講談社ノベルス、ISBN 4-06-182256-X
- 子どもの王様
- 2003年7月、講談社ミステリーランド、ISBN 4-06-270563-X
- 2012年8月、講談社ノベルス、ISBN 4-06-182845-2
- キマイラの新しい城
- 2004年8月、講談社ノベルス、ISBN 4-06-182391-4
- 2007年8月、講談社文庫、ISBN 4-06-275817-2
共著
編著
- どんがらがん(アヴラム・デイヴィッドスン著)
- 2005年10月、河出書房新社、ISBN 4-309-62187-2
脚注
関連項目
- 森博嗣 - 第1回メフィスト賞受賞者。大学の先輩にあたる。