プリズナーNo.6
『プリズナーNo.6』(原題:The Prisoner)は、1967年にイギリスで製作された連続テレビドラマ作品。主演・企画・監督(一部の回)はパトリック・マクグーハン(Patrick McGoohan)[1]。各話約52分、全17本。
ジャンルとしてはSF的なスパイものであるが、斬新で前衛的な演出や哲学的なメッセージが随所にちりばめられており、2012年現在でも一部に熱狂的なファンをもちカルト的な人気を保っている。
2009年には新『プリズナー No.6』が制作された。
目次
あらすじ
英国の諜報部員である主人公はある日、上司に辞表を叩きつけ、辞職する。そのまま自宅に帰り、旅立とうと自宅で荷造りをするが、何者かの手によって催眠ガスで眠らされる。眼を覚ました主人公は「村」と呼ばれる国籍不明の場所にいることを知る。「村」には彼の他にも多くの者が「プリズナー」(囚人)として拉致されてきており、それぞれ自分の正体を隠したまま、番号で呼ばれている。
「ナンバー・シックス」という番号を与えられた主人公は「ナンバー・ツー」と呼ばれる「村」のリーダーから「辞職の理由」と「知っている情報」をたずねられるが、彼は頑なに回答を拒否する。「ナンバー・ツー」はさまざまな手段を用いて「ナンバー・シックス」から情報を聞き出そうとするが、「ナンバー・シックス」はそれを退け、チャンスがあれば「村」からの脱走を試みる。
キャスト
- No.6(主人公)(パトリック・マクグーハン):小山田宗徳
- No.2(ガイ・ドールマン):若山弦蔵
- コッブ(ポール・エディントン):近石真介
- 新No.2(ジョージ・ベイカー):浦野光
- No.2(レオ・マッカーン):早野寿郎
- No.2(コリン・ゴードン):富田耕生
- No.2(エリック・ポートマン):久松保夫
- No.12(ジョン・キャッスル):中田浩二
- No.1(?)
スタッフ
- 製作総指揮:パトリック・マクグーハン
- 製作:デイヴィッド・トンブリン
- 音楽:ロン・グレイナー(メイン・テーマのみ)、アルバート・エルムズ(劇中曲の大半)、ウィルフレッド・ジョセフス(不採用メインテーマと劇中曲の一部)、ロバート・ファーノン、
- 撮影:ブレンダン・J・スタッフォード
- 提供:エヴリマンフィルムズ、ITC
作品解説
人物設定
「ナンバー・ツー」は毎回人物が変わる。「ナンバー・ツー」は司令室から部下とともに「プリズナー」たちを監視し、警備員と不思議な白い球体で村からの脱出を阻止し、「村」からはヘリコプターでしか出ることができない。
「ナンバー・ツー」の上位に「ナンバー・ワン」が存在し、色々と「ナンバー・ツー」に指示を行うが、声と姿は最終回まで伏せられている。この両者の知恵比べがドラマの主軸であるが、その間にもいろいろなドラマがある。
舞台
作品の中の「村」はセットではなく、イギリスのウェールズにあるホテル・ポートメイリオンが使われたが、それは最終回のオープニングでようやく明らかにされた。
車
登場する車についても、非常にマニアックな作りとなっており、冒頭に登場するロータス・セブンを始め、ロータス・エラン、ジャガー・Eタイプなどが登場し、カーチェイスを繰り広げる。また「村」のタクシーで使われているのはミニ・モークであり、特異なキャラクターであったモークを一躍メジャーにした。
日本での放送
日本では1969年3月からNHKで放映されたあと、何度か再放送されている。2004年にスーパーチャンネル(スカパー360ch)で再放送された。2012年現在デジタルニューリマスター版のDVDも発売されている。
放送リスト
- 地図にない村 (Arrival)
- ビッグベンの鐘 (The Chimes of Big Ben)
- A, B & C (A. B. and C.)
- 我らに自由を (Free For All)
- 暗号 (The Schizoid Man)
- 将軍 (The General)
- 皮肉な帰還 (Many Happy Returns)
- 死の筋書 (Dance of the Dead)
- チェックメイト (Checkmate)
- No.2旗色悪し (Hammer into Anvil)
- 暗殺計画 (It's Your Funeral)
- 反乱分子 (A Change of Mind)
- 思想転移 (Do Not Forsake Me Oh My Darling)
- 悪夢のような (Living in Harmony)
- おとぎ話 (The Girl Who Was Death)
- 最後の対決 (Once Upon a Time)
- 終結 (Fall Out)
リメイク
米AMCおよび英ITVにより、2009年制作。基本プロットである「主人公No.6が謎の村に幽閉され、村の支配者No.2と対立する」点以外、オリジナルとの共通点は殆どない。全6話。
日本ではAXNミステリー(スカパーHD649、スカパー728)で2010年5月24日から、日本語字幕版が放送されている。
キャスト
- No.6 - ジェームズ・カヴィーゼル
- 主人公。ある日、砂漠で目を覚まし村にたどり着く。村から脱出しようとし、No.2と戦っていく。
- No.2 - イアン・マッケラン
- 村の中心人物。NO.6を執拗に追い続け、村に馴染ませようとする。
- No.313 - ルース・ウィルソン
- 村の女医。No.6の話を妄想と考え、現実である村を受け入れさせようとする。
- No.11-12 - ジェイミー・キャンベル・バウアー
- No.2の子供。母と共に父No.2と村の宮殿に住んでいる。恵まれた生活を送っているようで、実は不満を持っている。
- No.4-15 - ヘイリー・アトウェル
- 盲目の女性。
- No.147 - レニー・ジェームズ
- タクシー運転手。村に着いたNo.6が最初に出会う人物。
スタッフ
エピソードタイトル
- 到着 Arrival
- 融和 Harmony
- 金床 Anvil
- 愛しい人 Darling
- 分裂 Schizoid
- チェックメイト checkmate
書籍
- 『プリズナー』 - トーマス・M・ディッシュ著、永井淳 訳 (早川書房) 絶版。 ― 本ドラマのノベライズだが、設定が同じのみでありストーリー展開は異なる。