リチャード・マスグレイブ

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テンプレート:Infobox economist リチャード・アーベル・マスグレイブ (Richard Abel Musgrave1910年12月14日 - 2007年1月15日) は、ドイツの財政学者で、ハーバード大学名誉教授である。

略歴

業績

  • マスグレイブの財政理論は、1930年代ハーバード大学で学んだ古典的財政論を基盤とするケインズ主義的な考えと、厚生経済学の理論に基づいたものである。
  • マスグレイブは、財政政策の目標として所得の適正な分配、経済の安定、資源の効率的配分の3つ(言い換えると、配分・分配・安定の3つ)を挙げ、20世紀後半から21世紀初頭にかけてのアメリカの正統派の財政学者として活躍した。マスグレイブの考えは、1959年に出版した主著『The Theory of Public Finance(財政理論)』に集約されている。その後、P・B・マスグレイブとの共著『財政システム』(1969年)と『財政の理論と現実』(1973年、第3版1980年)よって制度面が補足されている。
  • マスグレイブは公共財論の展開から、予算決定制度とその背後にある政治の重要性等、広い視点を展開して、アメリカでの財政学者の中心ともいえる地位にある。
  • また、A・T・ピーコックと『財政理論の古典』(1958年)の著作集の編集にも携わった。


著書

単著

  • The Theory of Public Finance: A Study in Public Economy, (McGraw-Hill, 1959).
大阪大学財政研究会訳『財政学――理論・制度・政治(1-3)』 (有斐閣, 1961年)
  • Fiscal Systems, (Yale University Press, 1969).
大阪大学財政研究会訳『財政組織論――各国の比較』(有斐閣, 1972年)
  • Public Finance in a Democratic Society: Collected Papers of Richard A. Musgrave, 2 vols., (New York University Press, 1986).

共著

  • The Shifting of the Corporation Income Tax: An Empirical Study of its Short-run Effect upon the Rate of Return, with Marian Krzyzaniak, (Johns Hopkins University Press, 1963).
  • Public Finance in Theory and Practice, with Peggy B. Musgrave, (McGraw-Hill, 1973, 2nd ed., 1976, 3rd ed., 1980, 4th ed., 1984, 5th ed., 1989).
  • Public Finance and Public Choice: Two Contrasting Visions of the State, with James M. Buchanan, (MIT Press, 1999).
大泉智宏徐宰成鈴木義浩朝尾直太訳『財政学と公共選択――国家の役割をめぐる大激論』(勁草書房, 2003年)

編著

  • Essays in Fiscal Federalism, (Brookings Institution, 1965).
  • Broad-based Taxes: New Options and Sources, (Johns Hopkins University Press, 1973).

共編著

  • Classics in the Theory of Public Finance, co-edited with Alan T. Peacock, (Macmillan, 1958).
  • Public Production: International Seminar in Public Economics, Bonn, August 1981, co-edited with Dieter Bos and Jack Wiseman, (Springer-Verlag, 1982).
  • Taxation and Economic Development among Pacific Asian Countries, co-edited with Ching-huei Chang and John Riew, (Westview Press, 1994).