エスプレイド

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テンプレート:Infoboxエスプレイド』(ESP RA.DE.)は、1998年ケイブが開発しアトラスが販売したアーケードゲームである。ジャンルは縦スクロールシューティングゲーム

ストーリー

東京湾の埋め立てにより新しく「鳳凰区」「台場区」「湾上区」が作られた西暦2018年の東京都は、ESP者(エスプしゃ)と呼ばれる超能力者による犯罪と、そのESP者を束ねる犯罪組織「夜叉」の暗躍に脅かされていた。自衛隊をも支配下に置き、その圧倒的な組織力で首都を要塞化し始める夜叉に対し、阪神国際警察は対ESP犯罪機関「JUDGE」を設立し、戦闘員として11歳の少女・美作いろりを東京に派遣。ロシアもまた同様に夜叉の壊滅を画策し、エージェント・J-B 5thを日本へと送り込んだ。

一方、鳳凰区にある鳳凰高校では、クラスメイトから執拗ないじめに遭っていた生徒・近江覚が、突如ESP者として覚醒、それを感知した夜叉のスカウトマンによって誘拐されてしまう。現場に居合わせた覚の同級生・相模祐介は、自ら封印していたESP者としての力を解放し、覚を救うべく単身夜叉に戦いを挑まんとしていた。

それぞれの思いが交錯する東京湾岸上空に、戦いの火蓋が切られる。

解説

  • 怒首領蜂』に次いで制作された、ケイブ社製弾幕系シューティングの第二弾である。近未来SFと超能力ファンタジーの融合した独特の世界観と、倍率システムやパワーショットといった独自のシステムなどがあり、1998年ゲーメスト大賞ベストシューティング賞に輝いた。
  • 本作は開発時『ESP DRIVE』というタイトルだったが、この名前が既に商標登録されていたため、急遽『ESP RA.DE.』に変更された[1]。この『RA.DE.』(レイド)とは、本作ボス戦のBGM『Raging Deicide』の略である。
  • 本作のサウンドトラックは『怒首領蜂』サウンドトラックと共に一枚のCDに収められ、ゲーメスト誌上限定で通信販売されていた。また2008年2月18日からはケイブのオンラインショップにおいて、『ぐわんげ』サウンドトラックとセットで発売されたが、現在はどちらも廃盤となっている。
  • 2010年現在、ゲーセン横丁にて携帯電話用ゲームとして移植されているが、家庭用ゲーム機には一切移植されていない。
  • 2003年には姉妹作『エスプガルーダ』が制作された。世界観上の関連性は皆無だが、ステージ構成や弾幕などに本作の強い影響が見受けられる。またPlayStation 2版のエスプガルーダには、J-B 5thといろりをモチーフにした『Black』『千裕』というキャラが、プレイヤーキャラとして登場する。
  • 本作のメインデザイナーである井上淳哉の漫画『おとぎ奉り』には、本作の登場人物をモチーフにしたと見られるキャラクターが多数登場している。また井上は、本作で近江覚の声優も手がけている。
  • 本作のラスボスである「ガラ婦人」は当初はプレイヤーキャラになる予定であり、その時点ではストーリーも現在と若干違うものであったことが、開発者によって語られている。
  • なおケイブのゲームでは初めてレンダリングCGを採用した作品である。

概要

ゲームシステム

  • 8方向レバー(移動)と3つのボタン(メインショット、パワーショット、ガードバリア)で自機を操作する。開始時に、それぞれ性能の異なる三人の主人公の中から一人ないし二人を選択し、ゲームを進める。残機制、全5ステージ×1周、二人同時プレイ可能。
  • メインショットはフルオート連射となっており、ボタンを押しっぱなしにすることでショットを撃ち続けることができる。押しっぱなしにしている最中は移動速度が低下し、自機を細かく制御することが可能になる。
  • パワーショットは連射は利かないが、メインショットよりも威力が大きく、着弾時に爆風が発生する。パワーアップによって、同時発射数が最大15発まで増加される。祐介を除き、メインショットと同時に発射することはできない。
  • ガードバリアは、一般的なシューティングで言うところのボンバーに当たる。ボタンを押してゲージを消費することで、自機の周囲にバリアを張って無敵状態になり、その後前方に向かって強力なビームを発射する。ゲージ最大時、ガードバリアは最高4回まで発動させることが出来る。ボタンを押しっぱなしにすると、ゲージをより多く消費するかわりにバリアを長く張り続けることができる。ビームの威力は、バリアの展開時間と吸収した敵弾の数に応じて増加する。
  • 特定の敵を倒すとパワーアップアイテムが現れる。最強状態までパワーアップすると、かわりに得点アイテムである円アイテムが出現するようになる。円アイテムを最大数持っている時にガードバリアゲージが減少している場合、円アイテムのストックが減り始め、ストックが0になるまでの間、敵を倒すとバリア回復アイテムが出現するようになる。
  • パワーショットの爆風が当たっている敵をメインショットで倒すと、倒した時に当たっている爆風の数に応じて、その敵の破壊素点と円アイテムの得点に最大16倍まで倍率がかかる。倍率は一定時間維持される。
  • 敵を破壊した際、その敵の周囲の敵弾が消えアイテムとなる。
  • 2P側でゲームを開始すると、最初からランクが高くなり敵の攻撃も激しくなる。必然的に、敵弾消しで得られるアイテムの数も向上するので点数稼ぎ向けである。
  • 使用キャラや条件に応じて、全部で5通りのエンディングが用意されている。

プレイヤーキャラクター

相模祐介(さがみ ゆうすけ)
17歳。鳳凰高校の2年生で、バレーボール部に所属している。幼い頃からESP者として覚醒していたが、その力を自ら封印し、誰にも明かさずに生活を送ってきた。近江覚が夜叉に拉致されたことをきっかけに、その力を解放する。
移動速度は最も早い。メインショットは自機正面の狭い範囲に発射され、単発あたりの威力は最も高い。
パワーショットは、レバーを左右に操作することにより自機正面から左(右)最大90度の範囲に拡散できるが、威力は最も低い。爆風は弾の進行方向に長く流れる。
祐介に限り、メインショットとパワーショットを同時に発射することができる。このため、実質的な火力は最高となっている。
J-B 5th(ジェイビー・フィフス)
14歳。ロシアのESP者養成組織で、ESP兵器としての教育を受けた少年。上層部から夜叉の壊滅指令を受け、日本に潜入する。コードネームは「ブラックピーターパン」。
移動速度は最も遅い。メインショットは前方の最大5方向に扇状に発射され、単発あたりの威力は最も低い。
パワーショットは自機正面にのみ発射され、威力は最も高い。爆風は前方に短く流れる。
美作いろり(みまさか -)
京都出身の11歳。対ESP犯罪機関「JUDGE」に所属する二重人格の少女。活動を活発化させた夜叉に対し、市民を守るべく戦いを挑む。
移動速度は平均。メインショットは自機正面の広い範囲に発射され、単発あたりの威力は平均。
パワーショットは、レバーを左右に操作することにより自機正面から左(右)最大30度の範囲に拡散できる。威力は平均。爆風はその場にとどまる。

ステージ

キャラクターごとに一つずつ専用面が設定されており、最初はそれぞれのステージから開始される。その後は残る二人の専用面を経て、共通の後半ステージに突入する。

放課後の鳳凰高校
祐介ステージ。近江覚を拉致した夜叉のスカウトマンを追跡する。ボスは覚醒し暴走する「近江覚(おうみ さとる)」。
夜のショッピングモール
J-B 5thステージ。演説中の夜叉要人を暗殺し、追手から逃れる。ボスは巨大装甲戦車「IZUNA」。
臨海公園
いろりステージ。一般人に対する無差別攻撃を開始した夜叉を撃退する。ボスは巨大戦闘ヘリ「ペラボーイ」。
地下鉄湾岸線
第四ステージ。地下鉄の線路を駆け抜け、夜叉の追撃を振り切る。ボスは装甲人形「プレアデス」。
夜叉総本部
最終第五ステージ。夜叉との決着をつけるべく、総本部へと乗り込む。ステージは、総本部への道中と総本部内部の二部構成になっている。
前半部中ボスは夜叉最高幹部「五行覚師」、後半部中ボスは無敵の軍神「アレス」、最終ボスは夜叉総帥「ガラ婦人」。

出典

  1. 月刊アルカディア 2010年3月号 51ページ

外部リンク