トヨタ・カローラFX
テンプレート:Pathnav カローラFX(カローラエフエックス)は、トヨタ自動車が生産していた3ドア・5ドアハッチバックの前輪駆動方式を採用した乗用車である。
目次
概要
1984年10月 「2BOX上級生」のキャッチコピーでカローラの追加車種としてデビューしたが、本来はカローラのヨーロッパ、オセアニア輸出向けのメインモデルであり、当時の日本国内で同クラスの2BOXハッチバックの販売が好調だったことを受けて、その対抗モデルとして市場に投入された。
初代と2代目のモデルには3ドアと5ドアハッチバックが設定されていたが、3代目は3ドアのみの展開となった。基本的には実用性重視の車ではあるが、スポーツグレード「GT」がイメージリーダーとなっていた。初代モデルのGTは、日本国産2ボックスとしては初のツインカムエンジン(4A-GE)搭載である。GTは、1980年代中後期の全日本ツーリングカー選手権にカローラレビンやスプリンタートレノと共に参戦し、激闘を繰り広げた。1986年には、仙台ハイランドレースウェイで行われたレースで、FXが総合優勝を果たしている。
歴史
初代[1] E80系(E8#型) 1984年-1987年
該当型式 AE80/AE81/AE82/CE80/EE80 3ドアと5ドアのハッチバックボディで、そのサイズは、同型のセダンに比べて全長が185mm短く、全高が5mm高いほかは、全幅、ホイールベース、トレッドがセダンと完全に同一なことからプラットフォームを共有していることがわかる。なおヨーロッパやオセアニアなどハッチバック需要が高い市場ではこのモデルが、5代目カローラのメインモデルとして販売された。
GTの4A-GE型エンジン以外にも1.5LSOHCの3A-LU型、1.6L SOHC・EFIの4A-ELU型が搭載された。1985年5月のカローラ各シリーズのマイナーチェンジに伴い1C-L型(1.8L ディーゼル)と2E-LU(1.3L SOHC12バルブ・ガソリン)が追加された。
- 1984年10月 - カローラの追加車種としてデビュー。
2代目[2] E90系(E9#型) 1987年-2007年
※日本・欧州仕様:1987年-1991年、南アフリカ仕様:1987年-2007年 テンプレート:Double image aside テンプレート:Double image aside 該当型式 EE90/AE91/AE92 このモデルになると、カローラレビンがFX同様のFFになったため、全日本ツーリングカー選手権への参戦はなくなった。
- 1987年5月 - 6代目カローラ・スプリンターの発表と共にフルモデルチェンジ。搭載されるエンジンは、1.3Lの2E-LU型(73PS/6,000rpm)、新開発1.5Lハイメカツインカム・EFIの5A-FE型(94PS/6,000rpm)、1.5Lハイメカツインカム・キャブレター仕様の5A-F型(85PS/6,000rpm)、1.6Lスポーツツインカムの4A-GE型(120PS/6,600rpm・ネット値)が搭載された。5A系エンジンの登場により1.3Lの2E-LU以外全車DOHC16バルブとなった。グレードは上位から3ドアが1600GT/1500Zi/1500G/1500・1300L/1300D、5ドアは1500Zi/1500G/1500・1300L。
- 1989年5月 - マイナーチェンジ。内外装のデザイン・グレード名称が変更され、GTの4A-GE型エンジンがハイオクガソリン対応となり140PS/7,200rpmにパワーアップし、1500ZSと1500VSに5A-FE型のEFIなどを改良した5A-FHE型(EFI-S・105PS/6,000rpm)が搭載された。これに伴い、キャブレター仕様の5A-F型は廃止。さらに、2E-LU型搭載の1.3L車が廃止されたため、全車DOHC16バルブ化、及びEFI装着となった。また、GTの装備を簡略化したGTVが追加された。1600GTに電子制御サスペンションのTEMSとオートドライブ(後期型はGTVにも設定。ただし、4輪ESC(ABS)を選択すると装着不可。)がオプション設定されていた。また後期型のGT、GTV、ZS、VSには4輪ESCがオプション設定された。
2007年まで南アフリカでTAZZ、CARRIの名前で生産されていた(南アフリカ国内でオーリス発売と同時にモデル廃止)
3代目[3] E100系(E10#型) 1992年-1995年
※日本仕様:1992年-1995年、欧州仕様:1991年-1995年、豪州仕様:1991年-1997年 テンプレート:Double image aside 該当型式 AE101
- 1992年5月 - 7代目カローラのフルモデルチェンジに遅れる事約1年でカローラFXもフルモデルチェンジを行い、今までの実用性を考慮した作りから、全車1.6Lのスポーティーな3ドアハッチバックモデルへと変貌した。なお、輸出向けには5ドアモデルも用意された(ただし、ベースとなったのはE100系スプリンターセダンである)。特に「GTスーパーストラット」というグレードには、AE101系カローラレビン・スプリンタートレノと同様の5バルブ化された4A-GE型エンジンにスーパーストラットサスペンション、スポーツABSと言った豪華装備満載であったが販売価格がかなり高価であり、最下位グレードでも安価というほどではなかった。
- 当時の国内ではハッチバック車の人気がすでに下火になり、さらに先に発売されていたレビンやトレノの陰に隠れてしまったことと、初代からエンジンラインナップや特別仕様車の様な買い得な仕様が少なめだったことと、カローラシリーズには「セダン」「クーペのレビン」「ハードトップのセレス」「ワゴン&バン」「弟分のカローラII」など車種が混乱してしまった状態で、発売時から非常に地味な存在になっていた。
- 1995年5月 - カローラが110系にモデルチェンジされたのを機にカローラFXは国内販売を終了。これにより、2001年にカローラランクスが発売されるまで国内向けカローラシリーズからハッチバックのラインナップがなくなる。
車名の由来
FXとは、「Future(未来)」と「X(未知数の意味)」を組み合わせた造語である。