ゴールキーパー (火器)
テンプレート:Infobox Weapon ゴールキーパーは、オランダのシグナール(Signaal)(現タレス・ネーデルランド)社製、艦艇用近接防御火器システム(CIWS)。名称は、サッカーのゴールキーパーに由来する。
概要
SGE-30 ゴールキーパーは、広域艦隊防空システムの網を突破した対艦ミサイルなどを数キロオーダーの範囲での迎撃・撃墜を任務とする近接防空火器。個艦防衛の要。オランダ海軍の要求に基づいて1975年から開発され、1980年から配備されている。
本システムは7砲身の30mmガトリング砲と捜索レーダー、追尾レーダーが一体となった旋回砲塔と、SMR-5射撃コンピュータ、その他の管制機器より構成されている。
砲は、GE社製 7銃身30mmガトリング砲であるGAU-8/A アヴェンジャーを同じくGE社製の軽量砲架EX-83に搭載したものである。砲弾は、砲塔下の弾倉ドラムに1,190発が収められており、リンクレス給弾装置によって機関砲の下部に垂直装填される。
射撃指揮レーダーはシグナール社の開発による"Flycatcher"と呼ばれるもので、捜索レーダー、追尾レーダーから構成される。スロット型の円筒形アンテナを持つ捜索レーダーはシステムの右上に装備されており、Iバンドを使用して同時に18の目標を追跡し、うち重要な4目標と交戦可能。最大有効距離は20キロメートルである。捜索レーダーが探知した目標は、自動的に追尾レーダーに移管される。追尾レーダーは銃身の上方にあり、カセグレイン型の皿型のアンテナを持ち、X/Kaバンドを使用する。目標が1,500メートルに近づくと、システムは自動的に発砲を開始する。
類似のシステムに、アメリカ海軍・海上自衛隊などで使用されているファランクス・システムなどがある。
なお、シグナール社は、1990年にフランスの Thomson-CSF(トムソン-CSF)社に買収されて"Thomson-Signaal"となり、2000年にトムソン-CSF社が社名をタレス(Thales)社に変えたため、Thomson-Signaal社は現在タレス・ネーデルランド社となっている。
比較
著名なCIWSであるファランクスと比較して、以下のような点があげられる。
- 2倍ほど高価。
- ファランクスと比べ装置が大きく、重い。設置にスペースが必要であり、艦の重心に与える影響も大きい。
- 採用国が少ない。本国オランダの他、イギリス、大韓民国、アラブ首長国連邦などへ、2000年まで55セットが出荷されている。
- ゴールキーパーは弾薬としてAPDS(装弾筒付徹甲弾)の他、焼夷榴弾が使用できる。