ブンチョウ
ブンチョウ(文鳥、Padda oryzivora)は、鳥綱スズメ目カエデチョウ科に分類される鳥類。
分布
インドネシア(カンゲアン島、ジャワ島、バリ島)[1][2]固有種。インド、中華人民共和国南部などに移入・定着[1][2]。
形態
全長17センチメートル[1]。体重約24-25グラム。頭部の羽衣は黒く、頬は白い[1]。体上面や胸部の羽衣は青灰色、腹部や体側面の羽衣は薄いピンク色[1]。尾羽は黒い[1][2]。
幼鳥は顔の羽衣が淡褐色、胴体の羽衣が灰褐色[1]。嘴は薄いピンク色で、先端は灰黒色[1]。オスは上嘴の基部が盛り上がる[2][3]。
生態
標高1,500メートル以下にある草原や開けた低木林などに生息し、農地周辺や民家の庭でも見られる[1]。ペアや小規模な群れを形成して生活するが、大規模な群れを形成する事もある[1]。
食性は雑食で、主に種子を食べるが[2]、果実、昆虫なども食べる[1]。
繁殖形態は卵生。樹上に枯草などを組み合わせた球状の巣を作り、1回に5-7個の卵を産む[2]。抱卵期間は17-18日[2]。雛は孵化してから約20日で巣立つ[2]。
人間との関係
コメやトウモロコシなどを食害する害鳥とみなされることもある[1][3]。
ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。日本には江戸時代初期から輸入されていたとされる[3]。飼育下で様々な品種(サクラブンチョウ、シロブンチョウなど)が作出されている[1][2][3]。 鳥籠や庭籠で飼育される[3]。水浴びを好むため水容器を設置し、水は汚れやすいため不衛生にならないように毎日取り替える[3]。餌としてアワやキビ、ヒエなどの穀物[2]、青菜、ボレー粉、配合飼料などを与える[3]。孵化後5-18日で雛を親鳥から離しヘラやスポイトなどで給餌して育てた個体は人馴れし、訓練すれば手に乗せることも可能である[2][3]。フィンチ類としては気の荒いほうになる。
品種
- ナミブンチョウ - 通常のよく見られる個体。
- サクラブンチョウ - ナミブンチョウとシロブンチョウを掛け合わせた品種。ナミブンチョウに類似するが頭部や全体的に白い斑紋が入る[2]。
- シロブンチョウ - 全身の羽衣が白い[2]。ハクブンチョウとも呼ぶ、愛知県弥富市が「ハクブンチョウ」発祥の地
- シルバーブンチョウ - 1980年代にヨーロッパで作出された銀灰色の文鳥。
- シナモンブンチョウ - 1970年代にオランダで作出された文鳥。別名:フォーン文鳥。
- クリームブンチョウ - 1994年以降にイギリスで作出された淡い黄色の文鳥。シルバーブンチョウに見られる色素濃度を薄める遺伝子が、シナモンブンチョウに作用したと思われる文鳥。
- ノーマルブンチョウ - 野生種(ナミブンチョウ)と似ているカラーリングであるが別種とされる。野生種との違いは「羽毛の色や鮮やかさに欠ける」「アイリングや脚などの肉の色が薄い」など。
- アルビノブンチョウ - 色素を持たない、全身白色で瞳の赤い文鳥。
画像・動画
備考
- 10月24日は、その数字の形状などから「文鳥の日」とされている。
参考文献
関連項目
外部リンク
テンプレート:Bird-stub- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ8 太平洋、インド洋』、講談社、2001年、115、233頁。
- ↑ 2.00 2.01 2.02 2.03 2.04 2.05 2.06 2.07 2.08 2.09 2.10 2.11 2.12 2.13 中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社、1984年、14、197、202、220頁。
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 矢島唸監修 『原色ワイド図鑑11 飼育I(陸生動物)』、学習研究社、1984年、142頁。