アブハズ語
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テンプレート:出典の明記 テンプレート:Infobox Language アブハズ語(アブハズご、Аҧсуа бызшәа)は、グルジア国内のアブハジア自治共和国で主にアブハズ人によって話されている言語である。トルコ北東部にも多くの話者がいる。アブハジア内の話者数は約10万人。
歴史と概要
系統的には北西コーカサス語族(アブハズ・アディゲ語族)に属する。この語族に属する言語には、ほかに北コーカサスに分布するアバザ語、アディゲ語、カバルド語がある。なお、トルコ国内で話されていたウビフ語も同じ系統であるが、1992年に死滅した。
アブハジア内では北部と南部で主な方言の区別がある。標準語は南部方言をもとにしている。
長く文字を持たない言語であったが、19世紀後半からキリル文字やラテン文字によって記されるようになった。1937年にグルジア文字による正書法が創られた。1954年以降は現在に至るまでキリル文字をもとにしたアルファベットによって表記されている。
方言によって異なるが、60前後の子音を持つ。それに対して、母音音素は広母音(a)と狭母音(ə)の二つしかない。実際にはさまざまな母音が現れるが、二つの母音音素の異音と解釈される。名詞類の形態法が非常に単純であるのと対照的に、動詞は数多くの接頭辞や接尾辞によるきわめて複雑な派生・屈折を行う。