加藤家へいらっしゃい! 〜名古屋嬢っ〜
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『加藤家へいらっしゃい! 〜名古屋嬢っ〜』(かとうけへいらっしゃい なごやじょうっ)は、名古屋テレビが制作した日本のテレビドラマ作品である。堤幸彦の原案・演出による、ホームコメディドラマである。
概要
あらすじ・舞台設定
愛知県名古屋市千種区本山地区在住の上流階級家庭の名古屋式日常生活を舞台にしたストーリー。 主人公の加藤環は『名古屋嬢』と呼ばれる華美な格好をし、大学のミスコンテスト連覇を狙う少々気の強い女子大生。一方で歯科医である父の光一郎は、看護婦と不倫関係に陥るも、家族内で了承されているようである。ただ、加藤家で一番権力を握るのは、祖母の美津子様である。 名古屋の財界人をも脅かす存在として加藤家は元より、周囲に対してもかなりの威厳と影響力を持つ。
放送時期
制作局の名古屋テレビでは、2004年8月6日に初放送され、当初は単発で終える予定であったが、9%台の視聴率を記録し、同年10月6日 - 12月22日に週1回放送、全12回の連続ドラマとして進出した。
なお、テレビ朝日では2004年12月22日の深夜に放送開始され、その他同局系列の放送局でも順次放送されている。
登場人物
加藤家
- 加藤環(かとう たまき)(重泉充香)
- 加藤家次女、20歳、本作の主人公。純カネ(モデルは「純金」:中学校から大学まで一貫して金城学院であることを指す俗語)で、カネシロ学院大学生活環境学部2年(モデルは金城(きんじょう)学院大学)。
- 加藤ひばり(かとう ひばり)(すほうれいこ)
- 加藤家長女、22歳。メ〜テレなどで活躍するフリーアナウンサー。柔道の達人で怪力の持ち主、地団駄を踏むと地震が起こる。環同様、純カネである。
- 加藤瑞希(かとう みずき)(石田未来)
- 加藤家三女、14歳。夢は小説家で、受賞するなど才能はあるようであるが、作中で発表した小説「蛇と背中」は有名作の台詞を繋げただけであった。姉2人の名古屋嬢ぶりを嫌い、公立のヤマシロ中学校に通っている(モデルは城山中学校)。ただし、学校までは5分であるがタクシー通学である。
- 加藤保(かとう たもつ)(谷川功)
- 加藤家長男、17歳。家族で最も影が薄い存在で、「いたの?」と「立って喋れ」は彼に対する常套文句。夢はアメリカで活躍するミュージシャンで、渡米を夢見ている。
- 加藤美津子(かとう みつこ)(赤座美代子)
- 環の祖母、65歳。加藤家はもとより中部北信越地方を支配する「中部地方のドン」。その権力は名古屋市長すらも平伏し、中部国際空港や愛知万博の誘致にも影響を及ぼしたほど。逆鱗に触れたものはツンドラーのリストに追加され、シベリアで金の採掘などに従事することになるという。主な所有物にテレビ塔、ペンシルタワー、ナナちゃん人形。カネシロ学院高校卒業。ブラック・ショック先生による手術で、B:99.9、W:55.5、H:88.8というプロポーションを維持している。
- 加藤光一郎(かとう こういちろう)(多田木亮佑)
- 環の父、45歳。本山の自宅マンション近くで「加藤歯科医院」を営んでおり、歯科医助手の井上晴美とは不倫関係にある。芳子との結婚式は愛知県体育館で行い、お色直し758回(ナゴヤ)、引出物は松阪牛一頭という豪華なものであったらしい。
- 加藤芳子(かとう よしこ)(石河美幸)
- 環の母、45歳。名古屋の情報誌に連載を持つカリスマ主婦。テニスクラブに通っており、コーチの宗方とは不倫関係にある様子。愛車はAMG(S65)。
- 加藤雪次郎(かとう ゆきじろう)(佐藤二朗)
- 環の叔父、光一郎の弟、44歳。小さな劇団「B級あおきり王者館ボーイズ」を運営する脚本家。同居しているわけではないが、頻繁に加藤家に出入りしている。
- 横山さん(よこやま さん)(木村仁美)
- 加藤家の家政婦さん。フルネームは横山みかん(旧姓・三ケ日)、1人で名古屋に出てきてギャンブル好きの横山という男性と結婚、暴力に耐えかねて飛び出して加藤家に迎えられ現在に至る。働き者であるが、超人的な能力を持っていたりと謎が多い人物。妖気を察知すると妖怪アンテナが反応する。特技は、口から金魚を出すこと。
- 加藤時三郎(かとう ときさぶろう)(谷川功)
- 環の祖父、故人。一度古い写真で登場したのみで、基本的には名前のみの登場である。
- 加藤ヒロミツ(かとう ヒロミツ)(多田木亮佑)
- 光一郎の双子の弟、故人。幽霊として登場し、光一郎と瓜二つであることから見分けることができないことが人物が多数であったが、美津子と芳子と井上晴美だけは一見して見破った。3人曰く「ジョン・ベルーシとリバー・フェニックスくらい違う」とのこと。
レギュラー出演者
- 井上晴美(いのうえ はるみ)(広澤草)
- 光一郎の歯科医院助手。アニメ声で色気を振りまく。光一郎と不倫関係にあり、芳子をあからさまに敵対視している。若ぶっているものの、「赤バット・青バットを鳴海球場で見た」「伊勢湾台風で大変な目に遭った」などの発言があり、年齢不詳。
- 中村洋一(なかむら よういち)(斎藤工)
- ひばりの彼氏で超エリートサラリーマン、後に芳子のマネージャー。ひばりの怪力を知らず、怪我を負ったり、病院送りとなることも。登場から徐々になまりがきつくなっていき、最終的には名古屋弁の域を超えるものとなっている。愛車はフェラーリ。
- 柳田千佳(やなぎだ ちか)(西川里美)
- 保の彼女で、バンドのボーカル。加藤家においては保よりも存在感を発揮している。不思議な雰囲気と発言があり、鯨幕をシマウマ幕と呼んだことも。
- 宗方洋一(むなかた よういち)(清水宏)
- 芳子の通うテニスクラブのコーチ。38歳。芳子とは不倫関係にある様子。なお、着うたはどですか!のテーマ曲。
- 環の彼氏軍団
- 環に付き従う彼氏達。合言葉は「君のためなら死ねる」。犬笛で招集され、それぞれ対抗意識から喧嘩となることもあるが(ただし喧嘩は弱い)、「ハウス」の一言でおとなしくなる。なお、環は彼らの顔と名前、詳細が一致していないようで、作中何度か間違えていた。
- 純カネトリオ
- 環とは大学の同期生で、幼稚園時代からの幼なじみで、環の配下。
ゲスト出演者
- 鈴木留子(すずき とめこ)(伊藤友乃)
- 通称「鈴木のオバ様」。美津子のカネシロ学院高校時代からの親友で、見合縁組を生きがいとしている。学生時代に美津子夫婦を仲介したのが最初の縁組で、光一郎夫婦が100組目、作中登場時点で999組の縁組を成功させている。縁組の区切りは美津子の家系と決めているようで、環に1000組目の白羽の矢を立てる。なお、これまでに縁組した夫婦が1組も離婚していないことを誇っており、浮気や不倫といった離婚の危機となりそうな事象は影丸に命じ排除させている。中部地方の主だった独身男性はリストアップしているらしく、中村洋一もリストに入っているらしいが、環の彼氏軍団は値しないらしい。
- 影丸(かげまる)(野添義弘)
- 鈴木のオバ様専属の忍者。髪が薄いことから、「ハゲ丸」と呼ばれることも。浮気や不倫排除の暗殺まがいの行動は手際が良いが、その他の行動については鈍い動きが目立つ。
- 蜷河原(にながわら)(半海一晃)
- 大演出家の先生。怒ると灰皿を投げる癖を持つ。瑞希の小説「蛇の背中」を名古屋市文化戯曲賞に選出し、映画化の主役選出のために中学生日記の台本でオーディションを行った。しかし正体は今池の「スナック近松」のマスター、顔が蜷河原に似ていることから女性を騙しているらしい。
- 三ケ日源次(みっかび げんじ)(野添義弘)
- 横山さんの父、三ケ日町在住。横山さんが加藤家に嫁いだと思っている…と、横山さんが思っている。鷹のベッキーを肩に乗せており、腹話術に利用することも。
スタッフ
- 原案・総監督 : 堤幸彦
- プロデューサー : 太田雅人(メ〜テレ)長坂信人(オフィスクレッシェンド)
- 脚本 : 佃典彦 鹿目由紀
- 演出 : 丸毛典子 鬼頭理三 神徳幸治 納戸正明 神徳幸治+大なごやんX
- 音楽 : センチメンタル・シティ・ロマンス
- 選曲 : 志田博英
- 制作協力 : オフィスクレッシェンド
- 制作著作 : メ〜テレ(名古屋テレビ放送)