経籍志
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経籍志(けいせきし)は、中国の紀伝体歴史書における構成要素の一つである「志」の中の篇目名であり、図書目録のことを指して言う。名称は異なるが、『漢書』に始まる「芸文志」と内容的には一致するものである。
『隋書』「経籍志」
経籍志は、『旧唐書』などの後代の正史にも見られるが、その筆頭は、唐の魏徴らによる『隋書』である。『隋書』の「経籍志」は、『漢書』「芸文志」以降、魏晋南北朝時代の各人によって試行錯誤が繰り返されてきた図書分類法の集大成として生まれた四部分類によって編輯されている。その構成は、
- 経部
- 史部
- 子部
- 集部
- 道経
- 仏経
と、四部の後に道仏二教の経典を付録している。なお、各部は、さらに門類に細分されている。各条には、書名、巻数、撰者を記し、兵乱によって亡失したものには、「亡」と注記している。
『旧唐書』「経籍志」
上述の如く、唐の滅亡後、五代後晋の時代に勅命によって編纂された『旧唐書』にも、「経籍志」が立てられている。この志も、
- 甲部経録
- 乙部史録
- 丙部子録
- 丁部集録
の四部分類を踏襲している。ただし、『隋書』とは異なり、道仏二教を四部以外に分出してはいない。また、丙部子録中には類書類が新設されている。
『旧唐書』が撰せられたのは、10世紀初めではあるが、こと「経籍志」に関しては、五代の書目ではないので注意が必要である。その収録する典籍の時代は、玄宗の開元年間(713年 - 741年)にまで遡る。玄宗朝の書目である『古今書録』40巻の抄出が「経籍志」である。よって、玄宗朝以後の典籍は含まれていないのである。