BMW・1シリーズ
BMW 1シリーズはドイツの自動車メーカーBMWが製造する自動車である。
概要
1シリーズはCセグメントに属し、BMWのエントリーモデルとして3シリーズコンパクトの後継を担っている。基本プラットフォームをE90型3シリーズと共有している。 他のCセグメント車は駆動方式にFFを採用して実用面を重視しているのに対し、1シリーズはFRを採用し、フロントアクスルとリヤアクスルへの荷重をほぼ50:50の均等に配分することにこだわり、走行性能を追求しているところが特徴である。また、これは同社全シリーズ一貫した姿勢であり、「駆けぬける歓び」を世界共通のキャッチフレーズとしている。生産は、ドイツのレーゲンスブルク工場。
初代(2004年 -)E87型
テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2004年にパリサロンで発表。日本では同年10月から「120i」「118i」「116i」の販売が開始された。ただし、「118i」「116i」の納車は2005年3月以降となった。
2005年10月、N52B30A型3.0L 直6エンジンを搭載し、BMW M製スポーツサスペンション、エアロパーツ、アルミホイールを装着した「130i M-Sport」を追加。トランスミッションは6速MT。
同時に、「118i」「116i」にもBMW M製スポーツサスペンション、エアロパーツ、アルミホイールを装着した「M-Sport パッケージ」が用意された。 欧州では2006年1月に3ドアモデルが発売された。
2006年4月、「130i M-Sport」に6速ATモデルを追加。ステアリングにはパドルシフトが装備され、ギアチェンジの時間を短縮した「スポーツAT」を採用。
2007年6月、マイナーチェンジに伴い「118i」の販売が中止。
2007年7月、2008年春にクーペモデルをアメリカ、欧州市場に投入することを発表。
当初、日本市場では5ドア・ハッチバックモデルのみのラインナップであったが、2008年2月26日に2ドア・クーペモデルの1シリーズ・クーペ「135i」が追加設定された。135iには、3シリーズのトップレンジに位置する335iなどに搭載される3リットル直噴直列6気筒パラレルツインターボエンジン(306ps/40.8kgm)が搭載された。トランスミッションは6速MTが標準であり、6速ATは予約受注という形が採られた。2011年モデルから135iのエンジンは、出力、トルクは同一ながら直噴化され、ダブルVANOS+バルブトロニック、ツインスクロールターボ(シングルターボ)となったN55Bに変更となり、トランスミッションには7段DCTが採用されている。
2008年3月26日には1シリーズ初のオープンモデルとなる1シリーズ・カブリオレ「120i」の販売がスタート。1シリーズ・カブリオレ120iは、幌製のトップ(ソフトトップ)を持ったオープンモデル。トップの開閉は電動で、車内に設けられたスイッチもしくはリモートコントロールによって行うことができる。オープンおよびクローズに要する時間はおよそ22秒で、時速40km/h以下であるならば、走行中の開閉動作を行うことも可能。搭載されるエンジンは2リットルの直列4気筒エンジン(156ps/20.4kgm)。トランスミッションは6速ATのみが設定される。
2010年5月、一部改良に伴い、直列4気筒エンジンモデルにダイレクト・インジェクション・システムおよび希薄燃焼テクノロジーが採用されたBMW・N43エンジンが搭載され、直列6気筒エンジンモデルにはダイレクト・インジェクション・システムおよびバルブトロニックが採用されたBMW・N55エンジンが搭載された[1]。「135iクーペ」はトルコン式6速ATから7速M DCT変更された。新モデルとなる「120iクーペ」には、新たにステップトロニック式6ATが設定された。5ドアハッチバックの「116i」「120i」とオープンモデルの「120iカブリオレ」は引き続きステップトロニック式6ATが設定される。5ドアハッチバックの最上級モデルである「130i」は6速MTとステップトロニック式6ATが選べる。
E81は3ドア・ハッチ(日本未導入)、E87は5ドア・ハッチ、E82はクーペ、E88はカブリオレのモデルコードである。
特徴・機構
- 日本での価格は297~560万円。全モデルが右ハンドル仕様である。
- 「120i」と「118i」は同じ2世代目のバルブトロニックを搭載した2.0L 直4エンジンを採用するが、出力が異なっている。また、「120i」「118i」「116i」のトランスミッションはステップトロニック付き6速ATである。
- 欧州には2.0L 直4ディーゼルエンジンを搭載したモデル「120d」「118d」も存在するが、日本へは導入されていない。
- (ハッチバック)全長4,240mm×全幅1,750mm×全高1,430mm(Mスポーツは1,415mm)、ホイールベース2,660mm。
(クーペ・カブリオレ)全長4,370mm×全幅1,750mm×全高1,410mm、ホイールベース2,660mm
- サスペンションは新設計で、フロントはダブルリンクのロアアームを持つストラットタイプで、リヤはサブフレームに5本のリンクが付くダブルウィッシュボーンに似たマルチリンク式サスペンション、つまり「インテグラルアーム式(5リンク)」である。これまでの3シリーズはボディ側からトレーリングアームが伸びていたセミトレーリングアーム式サスペンションをより進化・発展させたような構造であるセントラルアーム式だったが、全く異なるコンセプトである。
- 全車にランフラットタイヤを標準装備。これはパンクしても80km/hで250kmの走行が可能なタイヤであり、このため、スペアタイヤ・ジャッキの装備が省かれている。
- 「130i Mスポーツ」に搭載されるN52B30A型エンジンは3シリーズ(330i)と共通のエンジンをさらにチューンしたものである。
- 「135i クーペ」は、もっともコンパクトなクーペであり、N54B30A型エンジンはN52型にツインターボを押し込み、306psを絞り出す。現在全ての車種の中で最もパワフルな直6エンジンである。
2代目(2011年 -)F20型
テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2011年6月5日に発表[2]。欧州市場では同年秋から販売を開始した[3]。
ボディは当初は5ドアのみで、ガソリン車は「116i」と「118i」、ディーゼル車は「116d」、「118d」、「120d」があり、それぞれに標準、Sport Line、Urban Lineの3タイプが用意される。2012年5月には3ドアバージョンと「114i」「M135i」を追加。
2011年9月22日から日本での販売が始まる[4]。
ガソリン車の「116i」と「120i(欧州名:118i)」があり、それぞれ標準、Sport(欧州名:Sport Line)、Style(欧州名:Urban Line)の3タイプが用意される。これら3タイプは外観、内装、装備内容が異なる。
2012年8月1日から「M135i」の日本での販売が始まる[5]。
「M135i」は、M Performance Automobiles(M3やM5などの「BMW Mモデル」と標準モデルとの間に位置するモデル)の日本における最初のモデルとなる。
尚、先代にあったクーペ及びカブリオレは2シリーズとして登場することから用意されない。
特徴・機構
- 全モデルが右ハンドル仕様である(日本仕様の場合)。
- BMWの車種で初めてターンシグナルレンズ内蔵のドアミラーを採用。
- 「120i」と「116i」は同じN13B16A型1.6L 直4ターボエンジンで出力のみ異なっている。また、トランスミッションは新開発の8速ATのみ。
- 「M135i」に搭載されているエンジンは初代と同形式のN55B30A型だが、BMW Mによる更なるチューニングがなされ14psアップの320psを発生。トランスミッションは8速スポーツATのみ(日本仕様の場合)。
- 全車アイドリングストップ機構を搭載。またブレーキ・エネルギー回生システムを採用し燃料消費量の低減をはかっている。
- 先代同様ディーゼルエンジンを搭載したモデルは日本へは導入されていない。
- 先代よりホイールベースを30mm延長し2,690mmとした。
- SportにMスポーツ・サスペンションをメーカーオプション設定。装着車は最低地上高が125mmとなる(非装着車は140mm)。
- 先代同様全車にランフラットタイヤを標準装備。先代よりも乗り心地は改善されている。
現行モデル(2011年 - ) | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
グレード | 型式 | 排気量(cc) | エンジン | 最高出力(ps/rpm) | 最大トルク(kgm/rpm) | 変速機 | 駆動方式 |
116i | N13B16A | 1,598 | 直列4気筒DOHCターボ | 136/4,400-6450 | 22.4/1,350-4,300 | 8速AT | FR |
120i | 170/4,800-6,450 | 25.5/1,500-4,500 | |||||
M135i | N55B30A | 2,979 | 直列6気筒DOHCターボ | 320/5,800 | 45.9/1,300-4,500 | 8速AT/6速MT |
関連項目
外部リンク
- BMW Japan公式サイト