クリーブランド・キャバリアーズ
テンプレート:Redirect テンプレート:バスケットボールチーム クリーブランド・キャバリアーズ(Cleveland Cavaliers)は、アメリカ合衆国オハイオ州クリーブランド市に本拠を置く全米プロバスケットボール協会(NBA)のチーム。イースタン・カンファレンス、セントラル・ディビジョン所属。略してCAVS(キャブス)[1]、キャブズとも呼ばれる。cavalierとは騎士を意味する。
目次
歴史
初期
クリーブランド・キャバリアーズは、1970年に創設された。チームが初代監督に迎えたのはビル・フィッチだった。多くの新興チームと同様設立後数年は低い成績にとどまることを余儀なくされ、1年目は15勝67敗、その後数シーズンも勝率4割に届かない時代が続いた。
5年目の1975-76シーズンにチーム成績は49勝33敗、フィッチは最優秀監督賞を受賞。プレーオフにも初めて進出した。その後勝率は5割前後を行き来し、1979年を最後にフィッチはチームを去ることになった。
1980年代には、新たにオーナーになったテッド・ステピエンが頻繁に監督を交替させ、チーム成績は低迷した。ステピエンはドラフトの1順目指名権をしばしばトレードしようとしたため、リーグは1順目指名権を2年以上連続でトレードしてはならないという規則を設けた。これは「ステピエン・ルール」と俗に呼ばれた。
ブルズの壁
1983年にゴードン、ジョージのガンド兄弟がチームを買い取ると、チームは回復の準備を整え始めた。1986年にはレニー・ウィルケンズが監督に就任、ドラフトでブラッド・ドアティとロン・ハーパーを獲得。さらにドラフトによりマーク・プライスの指名権を得たことでチームは徐々に上向き始め、1989年には57勝をあげた。マジック・ジョンソンに「90年代を代表するチームになるだろう」と高い評価を受けていたが、この年のプレーオフでチームは接戦の末マイケル・ジョーダンの活躍もありシカゴ・ブルズに敗れる。このように、ジョーダンはキャブス戦に滅法強く、自己最高得点の69点をマークした相手もキャブスだった。キャブスは翌シーズン途中でハーパーをトレードし、以降の数年間チームはプライス、ドアティがチームを牽引。1992年に57勝、1993年に54勝をあげたものの、プレーオフでは連続でブルズに敗退した。ジョーダン率いるブルズに勝つ事が出来ずにチームは再編を余儀なくされた。
フラテロ時代と低迷期
1993-94シーズンには新たにマイク・フラテロ監督を迎えた。以後数年チームは主力の怪我に悩まされ、1991年に獲得したテレル・ブランドンら好選手がチームを支えた。フラテロ時代のキャブスは、低得点で勝ちを狙う戦術を採用した。チーム成績は勝率5割を越える程度で数年推移し、地味な戦術の結果集客は伸び悩んだ。1997-98シーズンには、ブランドンとタイロン・ヒルを出しショーン・ケンプをトレードで獲得、ジードルナス・イルガスカス、ブレビン・ナイトら4人のルーキーの活躍でプレーオフに返り咲いたが、ロックアウトで短縮された1998-99シーズンは、イルガウスカス、ナイトの故障が響き、終盤7連敗、22勝28敗と勝率は5割を切り、フラテロにとってキャブスでの最後のシーズンになった。
その後数年にわたり、チームは監督を毎年交代させた。太りすぎて精彩を欠いたケンプ、イルガウスカスの度重なる故障によりチームは再び低迷し、勝率は4割以下、2002-03シーズンには17勝65敗まで落ち込んだ。
レブロンの時代
しかしキャブスはこの成績によりドラフト1位指名権を獲得、レブロン・ジェームズを指名した。ジェームズは翌シーズン新人王を受賞した。2004-05シーズンには一時期プレーオフ争いの東カンファレンス5位につけていたが終盤チームは失速。8位争いをしていたニュージャージー・ネッツと勝利数で並んだが、惜しくもプレーオフ進出を逃した。
2005-06シーズンには、1997-98シーズン以来のプレーオフ進出を東カンファレンス4位で果たし、1回戦ではワシントン・ウィザーズと対戦した。第5戦、第6戦はオーバータイムにもつれこむ接戦だったが、この2試合とも勝利して4-2でプレーオフ2回戦へと進出した。デトロイト・ピストンズ(この年ホームではわずか3敗しかしていない)と対戦し、1、2戦を落とした後、敵地の第5戦を含む3、4、5戦を勝利したが、地元での第6戦、そして第7戦を落として敗れた。この第7戦でキャブスは不名誉な記録2つを記録した。1つはプレーオフ第7戦での最少得点記録(61)、もう1つは試合後半得点23である。
2006-07シーズンは、前年に続いてプレーオフ進出を果たした。シーズン最終盤までもつれたシカゴ・ブルズとの第2シード争いに競り勝ち、1回戦は第7シードのワシントン・ウィザーズに4-0で勝利(キャブスでは今までプレイオフでスウィープ勝ちはなかったが、今回で初めてとなった。)、カンファレンス準決勝では4-2で第6シードニュージャージー・ネッツに勝利した。下位シードとの2回戦を勝ち抜いて対戦した東カンファレンス1位のデトロイトとのカンファレンス決勝では、初戦、第2戦と敵地デトロイトでの対戦で敗れたものの、ホームに戻っての第3・4戦を連勝し対戦成績をタイに戻した後は、敵地での第5戦に2回の延長の末、勝利して3連勝でホームコート・アドバンテージを奪った。第6戦はホームのアリーナでピストンズを98-82で破り、4-2で初めてのNBAファイナル進出を達成した。
2007-08シーズンのトレードデグの ドラインなんと1分前で、ドリュー・グッデン、ラリー・ヒューズらと、ディフェンスの名手ベン・ウォレス、シュート力のあるデロンテ・ウェスト、ウォーリー・ザービアック、ベテランのジョー・スミスとのトレードをシカゴ・ブルズとシアトル・スーパーソニックスとの三角トレードで合意した。
2008-09シーズンはミルウォーキー・バックスから獲得したモーリス・ウィリアムズの活躍もあり、得点力の向上とオフェンス面においてレブロンの負担を減らす事に成功し、フランチャイズ初のレギュラーシーズンカンファレンス1位の成績でプレーオフ進出を果たした。
レブロン移籍後
2010-11シーズンは開幕前にレブロンがヒートにフリーエージェントで移籍、戦力ダウンは免れない状況となった。序盤こそ五分の成績であったが次第に不振に陥り、2011年2月7日の対マーベリックス戦でついに「25連敗」を記録した。これはキャブス自身が1981-82シーズンから1982-83シーズンにかけて作ったNBA記録を超えて新記録。2月11日にクリッパーズにようやく勝利して連敗を「26」で止めた。
アービングの時代
2011年のNBAドラフトで1位指名権を得たキャブスは、デューク大学のカイリー・アービングを指名。アービングは期待に応えて、2011-12シーズン新人王を獲得した。しかしチーム成績は向上せず、ヘッドコーチのバイロン・スコットは、2012-13シーズン終了後に解任された。2013-14シーズンは、マイク・ブラウンを再びヘッドコーチに任命。しかし守備第一主義のスタイルが浸透せずアービングやディオン・ウェイターズと戦術面を巡って対立。更に途中加入したルオル・デンからもチーム批判されるなど上手く機能せず、33勝49敗に終わり、ブラウンは再び解任された。2014年、6月、ユーロリーグで実績のあるデビッド・ブラットがヘッドコーチに就任した[2]。
シーズンごとの成績
テンプレート:NBA SBS
|-
| colspan="6" style="align=center; テンプレート:BasketColorCell;" | クリーブランド・キャバリアーズ
|-
|1970-71 || 15 || 67 || .183 || ||
|-
|1971-72 || 23 || 59 || .280 || ||
|-
|1972-73 || 32 || 50 || .390 || ||
|-
|1973-74 || 29 || 53 || .354 || ||
|-
|1974-75 || 40 || 42 || .488 || ||
|-
|1975-76 || 49 || 33 || .598 || カンファレンス準決勝勝利
カンファレンス決勝敗退 || キャブス 4, ワシントン 3
セルティックス 4, キャブス 2
|-
|1976-77 || 43 || 39 || .524 || 1回戦敗退 || ワシントン 2, キャブス 1
|-
|1977-78 || 43 || 39 || .524 || 1回戦敗退 || ニックス 2, キャブス 0
|-
|1978-79 || 30 || 52 || .366 || ||
|-
|1979-80 || 37 || 45 || .451 || ||
|-
|1980-81 || 28 || 54 || .341 || ||
|-
|1981-82 || 15 || 67 || .183 || ||
|-
|1982-83 || 23 || 59 || .280 || ||
|-
|1983-84 || 28 || 54 || .341 || ||
|-
|1984-85 || 36 || 46 || .439 || 1回戦敗退 || セルティックス 3, キャブス 1
|-
|1985-86 || 29 || 53 || .354 || ||
|-
|1986-87 || 31 || 51 || .378 || ||
|-
|1987-88 || 42 || 40 || .512 || 1回戦敗退 || ブルズ 3, キャブス 2
|-
|1988-89 || 57 || 25 || .695 || 1回戦敗退 || ブルズ 3, キャブス 2
|-
|1989-90 || 42 || 40 || .512 || 1回戦敗退 || シクサーズ 3, キャブス 2
|-
|1990-91 || 33 || 49 || .402 || ||
|-
|1991-92 || 57 || 25 || .695 || 1回戦勝利
カンファレンス準決勝勝利
カンファレンス決勝敗退 || キャブス 3, ネッツ 2
キャブス 4, セルティックス 3
ブルズ 4, キャブス 2
|-
|1992-93 || 54 || 28 || .659 || 1回戦勝利
カンファレンス準決勝敗退 || キャブス 3, ネッツ 2
ブルズ 4, キャブス 0
|-
|1993-94 || 47 || 35 || .573 || 1回戦敗退 || ブルズ 3, キャブス 0
|-
|1994-95 || 43 || 39 || .524 || 1回戦敗退 || ニックス 3, キャブス 1
|-
|1995-96 || 47 || 35 || .573 || 1回戦敗退 || ニックス 3, キャブス 0
|-
|1996-97 || 42 || 40 || .512 || ||
|-
|1997-98 || 47 || 35 || .573 || 1回戦敗退 || ペイサーズ 3, キャブス 1
|-
|1998-99 || 22 || 28 || .440 || ||
|-
|1999-2000 || 32 || 50 || .390 || ||
|-
|2000-01 || 30 || 52 || .366 || ||
|-
|2001-02 || 29 || 53 || .354 || ||
|-
|2002-03 || 17 || 65 || .207 || ||
|-
|2003-04 || 35 || 47 || .427 || ||
|-
|2004-05 || 42 || 40 || .512 || ||
|-
|2005-06 || 50 || 32 || .610 || 1回戦勝利
カンファレンス準決勝敗退 || キャブス 4, ウィザーズ 2
ピストンズ 4, キャブス 3
|-
|2006-07 || 50 || 32 || .610 || 1回戦勝利
カンファレンス準決勝勝利
カンファレンス決勝勝利
NBAファイナル敗退 || キャブス 4, ウィザーズ 0
キャブス 4, ネッツ 2
キャブス 4, ピストンズ 2
スパーズ 4, キャブス 0
|-
|2007-08 || 45 || 37 || .549 || 1回戦勝利
カンファレンス準決勝敗退 || キャブス 4, ウィザーズ 2
セルティックス 4, キャブス 3
|-
|2008-09 || 66 || 16 || .804 || 1回戦勝利
カンファレンス準決勝勝利
カンファレンス決勝敗退 || キャブス 4, ピストンズ 0
キャブス 4, ホークス 0
マジック 4, キャブス 2
|-
|2009-10 || 61 || 21 || .744 || 1回戦勝利
カンファレンス準決勝敗退 || キャブス 4, ブルズ 1
セルティックス 4, キャブス 2
|-
|2010-11 || 19 || 63 || .232 || ||
|-
|2011-12 || 21 || 45 || .318 || ||
|-
|2012-13 || 24 || 58 || .293 || ||
|-
|2013-14 || 33 || 49 || .402 || ||
|-
!Totals || 1618 || 1942 || .454 || ||
|-
!Playoffs || 70 || 78 || .473 || ||
- 転送 Template:End
主な選手
現役選手
年代別主要選手
太文字…殿堂入り選手 (C)…優勝時に在籍した選手 (M)…在籍時にMVPを獲得した選手 (50)…偉大な50人
テンプレート:Col-start テンプレート:Col-2 1970年代
- ビンゴ・スミス (Bingo Smith) :1970-1979
- オースティン・カー (Austin Carr) :1971-1979
- レニー・ウィルケンズ (Lenny Wilkens) :1972-1974
- ジム・チョーンズ (Jim Chones) :1974-1979
- キャンピィ・ラッセル (Campy Russell) :1974-1980
- ネート・サーモンド (Nate Thurmond) :1975-1977 (50)
1980年代
- ワールド・B・フリー (World B. Free) :1982-1986
- ウェイン・エンブリー (Wayne Embry) :1986-1999
- マーク・プライス (Mark Price) :1986-1995
- クレイグ・イーロー (Craig Ehlo) :1986-1993
- ブラッド・ドーアティ (Brad Daugherty) :1986-1994
- ホットロッド・ウィリアムズ (Hot Rod Williams) :1986-1995
- ラリー・ナンス (Larry Nance) :1988-1994
- スティーブ・カー (Steve Kerr) :1989–1992
1990年代
- ダニー・フェリー (Danny Ferry) :1990-2000
- テレル・ブランドン (Terrell Brandon) :1991-1997
- ボビー・フィリズ (Bobby Phills) :1991-1997
- タイロン・ヒル (Tyrone Hill) :1993-1997、2001-2003
- ジードルナス・イルガスカス (Zydrunas Ilgauskas) :1996-
- ショーン・ケンプ (Shawn Kemp) :1997-2000
- ブレビン・ナイト (Brevin Knight) :1997-2000
- アンドレ・ミラー (Andre Miller) :1999–2002
テンプレート:Col-2 2000年代
- リッキー・デイビス (Ricky Davis) :2001-2004
- カルロス・ブーザー (Carlos Boozer) :2002-2004
- レブロン・ジェームズ (LeBron James) :2003-2010
- ラリー・ヒューズ (Larry Hughes) :2005-2008
- シャキール・オニール (Shaquille O'Neal ) :2009-2010
2010年代
栄誉
殿堂入り
- ウェイン・エンブリー (Wayne Embry)
- レニー・ウィルケンズ (Lenny Wilkens)
永久欠番
- 7 ビンゴ・スミス (Bingo Smith)
- 11 ジードルナス・イルガスカス (Zydrunas Ilgauskas)
- 22 ラリー・ナンス (Larry Nance)
- 25 マーク・プライス (Mark Price)
- 34 オースティン・カー (Austin Carr)
- 42 ネート・サーモンド (Nate Thurmond)
- 43 ブラッド・ドーアティ (Brad Daugherty)
コーチ、その他
歴代ヘッドコーチ
- ビル・フィッチ (Bill Fitch) (1970-71/1978-79)
- スタン・アルベック (Stan Albeck) (1979-80)
- ビル・マッセルマン (Bill Musselman) (1980-81)
- ドン・デラニー (Don Delaney) (1980-81/1981-82)
- ボブ・クロッペンバーグ (Bob Kloppenburg) (1981-82)
- チャック・デイリー (Chuck Daly) (1981-82)
- ビル・マッセルマン (Bill Musselman) (1980-81)
- トム・ニッソーク (Tom Nissalke) (1982-83/1983-84)
- ジョージ・カール (George Karl) (1984-85/1985-86)
- ジーン・リトルズ (Gene Littles) (1985-86)
- レニー・ウィルキンス (Lenny Wilkins) (1986-87/1992-93)
- マイク・フラテロ (Mike Fratello) (1993-94/1998-99)
- ランディ・ホイトマン (Randy Whitman) (1999-00/2000-01)
- ジョン・ルーカス (John Lucas) (2001-02/2002-03)
- キース・スマート (Keith Smart) (2002-03)
- ポール・サイラス (Paul Silas) (2003-04/2004-05)
- ブレンダン・マローン (Brendan Malone) (2004-05)
- マイク・ブラウン (Mike Brown) (2004-05/2009-10)
- デビッド・ブラット
チーム記録
脚注
- ↑ NBA日本語ページでは、一般に略称の表記としてキャブスが用いられている。
- ↑ Report: Blatt agrees to become coach of Cavs --NBA.com