SUPERBIRD
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SUPERBIRD(スーパーバード)とは、スカパーJSAT株式会社が保有する通信衛星のうち、旧・宇宙通信株式会社が手がけた衛星シリーズである。
2011年7月現在、「SUPERBIRD-3」・「SUPERBIRD B2」・「SUPERBIRD C2」・ 「SUPERBIRD D」の4機が稼動中である。全ての衛星は静止軌道に打上げられた。
主にサービスされる電波帯はKa、Kuバンドである。Xバンド中継機は株式会社MCCが所有し、防衛省に対し衛星通信サービス(艦船、航空機、地上移動体等と基地間又は移動体間同士でのデジタル衛星通信)の提供をしている。衛星のカバーエリアは日本・北東アジア・東南アジアとし、可動ビームを使用してオセアニア地域やハワイ・ミクロネシア等の太平洋諸島地域とも通信が可能である。
衛星一覧
名称 | 軌道位置 | 衛星バス | 中継器 周波数帯:本数 |
増幅器出力 | カバーエリア | 打上時 質量 |
打上日 (GMT) | 発射場 | 打上機 | 運用状態 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SUPERBIRD A | 東経158度 | SS/L SSL1300 |
Ku帯:23本 Ka帯:3本 X帯:2本 |
Ku帯:50 or 60W Ka帯:29W X帯:47W |
不明 | 2492kg | 1989年6月5日 | ギアナ 宇宙センター ELA-2 |
アリアン4 | 1990年12月 運用終了 |
SUPERBIRD B | 東経162度 | SSL1300 | 同上 | 同上 | 同上 | 同上 | 1990年2月22日 | ギアナ 宇宙センター ELA-2 |
アリアン4 | 打上失敗 |
SUPERBIRD B1 <SUPERBIRD-1> |
東経162度 | SSL1300 | 同上 | 同上 | 同上 | 同上 | 1992年2月26日 | ギアナ 宇宙センター ELA-2 |
アリアン4 | 運用終了 |
SUPERBIRD A1 <SUPERBIRD-2> |
東経93度 | SSL1300 | 同上 | 同上 | 同上 | 同上 | 1992年12月1日 | ギアナ 宇宙センター ELA-2 |
アリアン4 | 運用終了 |
SUPERBIRD-3 (旧SUPERBIRD A3) (旧SUPERBIRD C) |
東経158度 | ヒューズ HS-601 |
Ku帯:24本 (X帯:不明) |
Ku帯:90W (X帯:不明) |
日本, アジア, 可動ビーム | 3130kg | 1997年7月26日 | ケープカナベラル 空軍基地 LC-36B |
アトラスII | 運用中 |
SUPERBIRD B2 <SUPERBIRD-4> |
東経162度 | ボーイング BSS-601 |
Ku帯:23本 Ka帯:6本 (X帯:不明) |
Ku帯:82W Ka帯:50W (X帯:不明) |
日本, 韓国, 台湾, 可動ビーム(Ku) | 4057kg | 2000年2月18日 | ギアナ 宇宙センター ELA-2 |
アリアン4 | 運用中 |
N-SAT-110 (SUPERBIRD D) <SUPERBIRD-5> |
東経110度 | ロッキード ・マーティン A2100AX |
Ku帯:24本 (X帯:不明) |
Ku帯:120W (X帯:不明) |
日本国内 | 3531kg | 2000年10月6日 | ギアナ 宇宙センター ELA-2 |
アリアン4 | 運用中 |
SUPERBIRD A2 <SUPERBIRD-6> |
東経158度 | BSS-601 | Ku帯:23本 Ka帯:4本 (X帯:不明) |
Ku帯:85W Ka帯:70W (X帯:不明) |
日本, 韓国, 台湾 | 3100kg | 2004年4月16日 | ケープカナベラル 空軍基地 LC-36A |
アトラスII | 2004年 運用終了(※) |
SUPERBIRD C2 <SUPERBIRD-7> |
東経144度 | 三菱電機 DS2000 |
Ku帯:28本 (X帯:不明) |
Ku帯:100W (X帯:不明) |
日本, 中国沿岸, 台湾, 北西太平洋, 東南アジア, インド, インド洋海域, 可動ビーム | 4820kg | 2008年8月14日 | ギアナ 宇宙センター ELA-3 |
アリアン5 | 運用中 |
SUPERBIRD-8 <SUPERBIRD-8> |
東経162度 | 三菱電機 DS2000 |
Ku帯, Ka帯 | TBD | TBD | TBDkg | 2015年度下期予定 | TBD | TBD | 開発中[1] |
- ※)SUPERBIRD A2 は航行プログラムミスにより燃料を大量に使用したため、早期に運用を終了した。
運用中の衛星
- SUPERBIRD B2
- SUPERBIRD-3
- かつてはSUPERBIRD Cとして東経144度静止軌道にて、現在のSUPERBIRD C2の用途や、日本におけるディレクTVの番組伝送に使用された。のちSUPERBIRD-A3として東経158度、現在は調達時呼称のSUPERBIRD-3に戻して東経93度へ遷移し運用中。
- SUPERBIRD C2
- SUPERBIRD D(N-SAT-110)
- 以上に挙げた衛星はXバンドの中継機を持っている。それらの中継器を使って、防衛省(三自衛隊)は衛星通信(艦船、航空機、地上移動体等と基地間又は移動体間同士でのデジタル衛星通信)を行っている。
SUPERBIRD C2
2008年8月15日(JST)にギアナ宇宙センターよりアリアンロケットに搭載し打ち上げられたSUPERBIRD-7の発注では宇宙通信が2005年当時属していた三菱グループ内でもある三菱電機が国際競争入札を勝ち抜き、システムを担当することになった(それまで三菱電機においては通信系サブシステムのみを担当し、その経験が初の日本製プライム受注商用衛星OPTUS-C1や国土交通省保有の運輸多目的衛星MTSAT-2=愛称・ひまわり7号の開発に生かされてきていた)。静止軌道への投入や機能試験等を経て同年10月17日にスカパーJSATへ引き渡され、日本企業が保有する初の国産民間商用衛星SUPERBIRD C2となった。