戸定邸
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テンプレート:建築物 戸定邸(とじょうてい)は、水戸藩最後(11代)の藩主徳川昭武が、千葉県東葛飾郡松戸駅(現:松戸市松戸)に造った別邸。
国の重要文化財。「戸定館」とも呼ばれる。重要文化財指定名称は、旧徳川家住宅松戸戸定邸。現在は「戸定が丘歴史公園」として整備されている。
沿革
松戸宿は江戸時代には江戸と水戸を結ぶ水戸街道の宿場町であり、同邸そばの松戸神社には水戸藩二代藩主徳川光圀ゆかりの銀杏の樹があるなど、古くから水戸藩とつながりの深い土地であった。
1884年(明治17年)に完成し、昭武の生活の場として使われた。明治30年代に実兄である元将軍徳川慶喜が何度か訪れ、昭武とともに趣味の写真撮影などを楽しんだ。多くの皇族が長期に滞在するなど、由緒のある屋敷として知られた。1892年(明治25年)、昭武の嫡男武定が特旨によって子爵を授けられると、以後は松戸徳川家の本邸となった。
備考
- 1951年(昭和26年)、武定により建物と敷地が松戸市に寄贈された。
- 江戸時代の下屋敷の構築を留めており、庭園とともに千葉県指定名勝となっている。
- 建物は2006年(平成18年)7月5日に国の重要文化財に指定された。
文化財
- 重要文化財
- 表座敷棟
- 中座敷棟
- 奥座敷棟
- 離座敷棟
- 玄関棟
- 台所棟
- 湯殿
- 内蔵
- 千葉県指定名勝
- 庭園
戸定が丘歴史公園
現在、戸定が丘歴史公園として整備されている。同公園は戸定邸と庭園、博物館である戸定歴史館から構成されている。
歴史館では松戸徳川家や徳川慶喜家の資料が展示され、幕末に昭武が訪れたパリ万国博覧会の関係資料など幕末から明治にかけての国際交流と徳川慶喜・昭武兄弟が撮影した写真をメインテーマに、展覧会などが行われている。