ゆみみみっくす
テンプレート:Infobox 『ゆみみみっくす』とは株式会社ゲームアーツが1993年1月29日[1]にメガCD向けに発売したインタラクティブコミックである。
概要
主人公・吉沢弓美(よしざわゆみみ)が体験するシュールで奇妙な冒険を題材としたアドベンチャーゲームである。ゲームの内容がアニメ番組を見ているような描画なのが特徴。作中ナレーションによれば、少女漫画に分類されている。
漫画家の竹本泉が脚本・設定・絵コンテ・レイアウト・タイトルを担当している本作では既存の手法で製作されたアニメーションをビデオキャプチャーで取り込む手法ではなく、原画・動画を開発機材にイメージスキャナなどで取り込んで、ハードの仕様にあわせて手作業で修正・着色したものを、ハードのスプライト・背景スクロール機能を活用して表示するため、画面いっぱいのフルサイズでクリアなアニメーションを実現している。テーマソングは高橋由美子が歌う。マルチエンディングである。隠し付録として、ゲームCDのサウンドトラック部分に声優陣のコメントが収録されている。『だいなあいらん』では弓美を始めとするキャラたちがカメオ出演している。
ストーリー
ある日、登校途中、吉沢弓美は学校の体育館から出現した正体不明の光る物体に遭遇。一方、体育館にはオバケが出現するという噂が流れ、松崎真一はそのオバケが出現したという噂を取材していた。そして森下りえが弓美に「体育館に大きな穴が開く」という謎の言葉。弓美が見るユニコーンの夢の謎。そして、夜の体育館で真一と桜崎桜子が見た変身した弓美の謎。この学校で一体何が起こった弓美たちは、この事件の収拾に立ち上がった。物語はマルチエンディングになっており、選択肢の選び方によっては、事件が解決したり、事件が更に悪化する場合もある。また選択肢の選び方によってスタッフロールの画面が一部、変化する。
登場キャラクター
- 吉沢弓美(よしざわ ゆみみ)
- 声:平松晶子
- 主人公。あることがきっかけで騒動に巻き込まれる。高等部の現在未だにボーイフレンドがいない16歳。妄想癖があり、寝相が悪いうえにとっても優柔不断な性格。放送部員で園芸部所属、貧乳。クラスメートの真一に恋心を抱いている。
- かなりの運動音痴だが、委員長への仕置きとして「巴投げ」、「バックブリーカー」、「岩石落とし(飯綱落とし)」等と言った大技を披露している。
- 通常時は三つ編みヘアーだが、ユニコーンに身体を支配されたときはリボンが外れ、ロングヘアーになり、顔つきにも馬の影響が出て、若干面長で目も小さめになり、顔も大人びた印象になっている。これについてセガサターン版に収録された初期の企画書によれば「変身すると美人になる」と構想されている。[2]
- 好きな食べ物はティラミスとチョコレートをかけたドーナツ、嫌いな食べ物はにんじん[3]。
- 桜崎桜子(さくらざき さくらこ)
- 声:篠原恵美
- 弓美のクラスメイトで英語部所属、大食いでいつもなにか食べているが、いくら食べても太らない。スタイルは良い。現実主義者で突っ込み役、巨乳。幼馴染の真一にモーションをかけているが、なかなか相手にしてくれない模様。外見が似た彼女のキャラが竹本作品の『うさぎパラダイス』にも登場する。
- 松崎真一(まつざき しんいち)
- 声:関俊彦
- 部員が3人しかいない潰れかけている新聞部でカメラ担当だが、メカオンチ。同名のキャラが竹本作品の『虹色♪爆発娘』にも登場している。秘かに吉沢弓美に興味を持っている。巨乳の女は嫌い(特に桜子等の胸が大きい女性)。
- 森下りえ(もりした りえ)
- 声:西原久美子
- 弓美の後輩。弓美に騒動のきっかけになる話を持ちかけてくる。弓美と同様、貧乳。
- 部長
- 声:梅津秀行
- 本名不明。色んな部の部長や委員長を兼任している。放送部の委員長をつとめていることから弓美は「委員長」と呼んでいるが、キャラ紹介やEDでは部長と表記されている。結構、弓美や桜子を初めとする女生徒にセクハラするが、良く殴られたり、蹴られる始末である。
- 弓美のママ
- 声:安永沙都子[4]
- ちょっと過激な専業主婦。下の名前は不明。娘の弓美がユニコーンに身体を支配されていた事を最後まで知らなかった人物。
- 生徒
- 声:岩浪美和
- 一言しか作中セリフしかないが、EDのキャストに入っている。元ネタは竹本の作品『あおいちゃんパニック!』の早川あおいである。いわゆるカメオ出演である。
- ナレーター
- 声:玄田哲章
音楽
主題歌
当初は竹本泉作詞の曲を使用する予定だったが、ボツになっている。セガサターン版付属の設定資料集に『まっている』『カーニバル』『夢時計』という題名で作詞された詩が掲載されている。
他機種版
No. | 発売日 | 対応機種 | タイトル | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 価格 | 売上本数 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1993年12月10日 | FM TOWNS | ゆみみみっくす | ゲームアーツ | CSK | CD-ROM | 8,800円(税別) | - | ||
2 | 1995年7月28日 | セガサターン | ゆみみみっくすREMIX | ゲームアーツ | ゲームアーツ | CD-ROM | T-4501G | 5,800円(税別) | - | シャトルマウス対応 パワーメモリー対応 |
3 | 1998年3月27日 | Windows | ゆみみみっくす | ゲームアーツ | CSK | CD-ROM | 7,800円(税別) | - |
- FM TOWNS版
CRI・ミドルウェアにより拡大縮小処理以外はほぼ完全な形+αでFM TOWNSに移植され、1993年12月10日に発売された。
- セガサターン版
『ゆみみみっくすREMIX』というタイトルで発売され、「ゆみみパズル」というミニゲームが付属している。
- Windows版
タイトルに「REMIX」は付かないものの、セガサターン版の移植とされている。『だいな♥あいらん 予告編』も収録されていた。
スタッフ
- 脚本、設定、絵コンテ、レイアウト、タイトル:竹本泉
- ディレクター:岡部博明
- アシスタント・ディレクター:池谷昌彦
- 作画:番場進、天引哲也、押木賢、吉田聡士、中澤和世、劉輝久、鵜飼美樹
- 彩色:堀井伸雄、安住政敏、佐藤晃子、和田めい子、水野忠夫、藤田真哉、小林貞夫、中澤和博、波多江亮樹
- プログラム:小山洋幸、坂本順一、瀬川佳久、金井秀樹、工藤直樹、渡谷光浩
- 音楽、効果音:上條有、國島憲一、松田明男、メカノ・アソシエイツ
- 制作:上村眞理子、島田政幸
- 営業:内田敏幸、本間利香、上坂治美、菅谷由美
- プロデューサー:宮路洋一、上坂哲
- エグゼクティブ・プロデューサー:松田充弘
- 企画、制作:ゲームアーツ
評価
メガドライブFANの読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、30点満点中24.1点となっている[5]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 4.7 | 3.9 | 3.8 | 4.0 | 3.8 | 4.1 | 24.1 |
関連作品
- ゆみみみっくすコミックス編
竹本による漫画がメガドライブFANで短期(全4回)連載された。コミックマスターに掲載された『ゆみみみっくすアンコール』ともども、アスキーから発売された作者の単行本『しましま曜日』に収録されている。エンターブレインから再発売されたバージョンではカットされている。なお電撃王に掲載された『でんげきパソコン海賊版 ゆみみみっくす』は講談社から発売された作者の単行本『苺タイムス』に収録されている。
1巻のあとがきでは、ゲームの製作から発売にいたるまでの秘話が描かれている。