アブロ ランカストリアン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2013年4月6日 (土) 08:57時点におけるEmausBot (トーク)による版 (ボット: 言語間リンク 1 件をウィキデータ上の (d:Q791456 に転記))
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索
ファイル:Avro Lancastrian BOAC.jpg
アブロ ランカストリアン

アブロ 691 ランカストリアン (Avro Lancastrian) は 1940年代イギリスで造られた旅客機/輸送機である。爆撃機アブロ ランカスターを母体として改造され、後に新造もされた。

概要

第二次世界大戦中の1943年に、アブロは爆撃機ランカスターをトランス・カナダ航空 (Trans-Canada Airlines) 向けに民間輸送機に転換するため改造した。この改造は成功し、さらに6機のランカスターXが機首の延長、爆弾槽を燃料タンクにするなどして民間機仕様に改造された。

これらの改造はトロントのビクトリー・エアクラフト社で行われた。エンジンはパッカード社製のマーリン38エンジンである。これらの機体はモントリオール - プレストウィックの間の路線で使われた。

1945年に、イギリスのアブロ社で製造されたランカストリアン30機が、英国海外航空(BOAC)に引き渡された。1945年4月23日のデモ・フライトでイギリスからニュージーランドオークランドまでの21,700kmを平均354km/h(3日と14時間)で飛んだ。

ランカストリアンは胴体の容積が小さく、旅客機としての使用には適さなかったので、郵便輸送やVIPの輸送に使われた。1945年5月末から、BOACのイギリス-オーストリア路線に用いられた。

テスト機

ジェットエンジンターボプロップエンジンのテスト機としても用いられ、ロールス・ロイス ニーンエンジンをつけたランカストリアンは1946年11月23日ロンドン - パリ間を飛行し、たった41分間の飛行ではあるが、初の国際線ジェット旅客機の栄誉を得たことになる。

要目

  • 乗員:5名
  • 乗客:9名
  • 初飛行:1943年
  • 全長:23.4 m
  • 全巾:31.1 m
  • 全高:5.9 m
  • 翼面積:120.5 m²
  • 空虚重量:13,800 kg
  • 全備重量:29,480 kg
  • エンジン:Rolls-Royce Merlin 24
  • 出力:1,250 hp(930 kW)
  • 最高速度:499km/h @ 1,520m
  • 航続距離:6,680 km
  • 最高到達高度:7,010 m
  • 上昇率:230 m/min
  • 翼面荷重:244.6 kg/m²
  • 出力/重量比:0.126 kW/kg

関連項目