昭和54年台風第20号
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昭和54年台風第20号(しょうわ54ねんたいふうだい20ごう、国際名:チップ〔Tip〕、フィリピン名:Warling)は、1979年(昭和54年)10月に発生し、海上において観測史上世界で最も低い中心気圧を記録した台風である。この台風は日本列島を縦断して全国に影響を及ぼし、北海道にも甚大な被害をもたらした。
経過
10月19日、和歌山県白浜町付近に上陸した。上陸時の勢力は中心気圧965ヘクトパスカル、最大風速35m/sであった。その後本州を縦断し、北海道釧路市付近に再上陸した。台風は、温帯低気圧に変わった後に再発達し、10月20日15時には950ヘクトパスカルとなった。温帯低気圧はアリューシャン沿いに東進後、22日には西経域へ出た。
この台風は、大型で暴風域が広かったため、ほぼ全国を暴風域に巻き込んだ。午前中に上陸した台風は、午後にかけて中心が北関東を北東へ進んだため南関東は台風進路の右側に入ってしまい暴風が吹き荒れた。千葉県館山市で最大瞬間風速50.0m/s、東京で38.2m/sを記録し、鉄道や高速道路などの交通機関が麻痺状態となった。北海道網走市で最大瞬間風速37.4m/sを記録した。北海道東部では漁船の遭難が相次いだ。釧路市では、死者・行方不明者67名となった。また、紀伊半島では、900mmを超える大雨となった。
被害
- 死者110名、行方不明者5名、負傷者543名
- 住家全壊139棟、住家半壊1,287棟
- 床上浸水8,157棟、床下浸水47,943棟
- 耕地被害25,451ha
- 船舶被害19隻