キャプテンパワー
テンプレート:複数の問題 『キャプテンパワー』(原題:Captain Power and the Soldiers of the Future)は、1987年にアメリカで製作され、同年テレビ朝日系で放送された特撮番組。全話数は22話で、再放送では全話放送されたが、最初の放送では18話しか放送されなかった。初回放送(1987年10月~1988年2月)は木曜日18時50分-19時20分で放送されていたが、ローカルセールスによる自主編成のため、放送されていない地域もあった。
キッズステーションでも再放送された。
ストーリー
21世紀後半、人類は戦争用に開発したメカニカル・サイボーグの機械軍団バイオ・ドレッドに占領され、敗れ去った。バイオ・ドレッド帝国の帝王ドレッドは超巨大コンピューターのオーバーマインドと頭脳を接続することにより完全サイボーグとなり、地球制覇を企む。しかし、それを阻止するべく立ち上がった5人の若き戦士たちがいた。彼らはパワースーツと呼ばれる強化服を身にまとい、人類解放のためにドレッドたちに立ち向かう。
概要
日本の特撮作品スーパー戦隊シリーズにヒントを得てアメリカで制作された連続テレビドラマ(海外ドラマ)[1]。特撮には当時出始めだったCGが、本格的に多用されている。
番組放映に合わせ、番組本編と連動して遊べる「テレビパワー」と名づけられた玩具が米国マテル社から発売され、日本でもバンダイにより輸入販売された。
しかし、日本での本放送は最終回目前で打ち切られ、再放送の際にようやく全話放映された。
日本での本放送時、この枠はローカルセールス扱いだったため、他系列番組・遅れネット番組・再放送・自社制作番組に充てている地域もあったことから、未放送または遅れネットとなった地域もある。
また、本国アメリカでは第2シーズンの構想があり脚本も完成していたが、制作中止となっている。[2]
制作会社
ランドマーク・エンターテインメント(Landmark Entertainment)
スタッフ
- 創作:ゲイリー・ゴダード(Gary Goddard)、トニー・クリストファー(Tony Christopher)、ダグラス・ネッター(Douglas Netter)
- プロデューサー:ジョン・コープランド(John Copeland)、イアン・マクドゥーガル(Ian MacDougall)、ダグラス・ネッター
- 監督:オッタ・ハーヌス(Otta Hanus)、ホルヘ・モンテン(Jorge Montesi)、ダグラス・ウィリアムズ(Douglas Williams)、マリオ・アゾパルディ(Mario Azzopardi)
- 制作:ゲイリー・ゴダード、トニー・クリストファー
- 脚本:ジョー・マイケル・ストラジンスキー(J. Michael Straczynski)、ローレンス・G・ディティリオ(ラリー・ディティリオ、Lawrence G. DiTillio/Larry Ditillio)、マイケル・リーヴス(Michael Reaves)、マーク・スコット・ズィクリー(Mark Scott Zicree)、クリスティー・マークス(Christy Marx)、マーヴ・ウルフマン(Marv Wolfman)、キャサリン・ローレンス(Katherine Lawrence)
- 音楽:ゲリー・ガットマン
- 日本語吹替版主題歌
- 日本語版制作協力:円谷プロダクション
- 日本語版配給・制作:テレビ朝日ミュージック
- 日本語版VHSソフト発売元:日本コロムビア
登場キャラクター
- 未来戦士側[3]
- キャプテン・ジョナサン・パワー(俳優:ティム・ダニガン、Tim Dunigan、声:田中秀幸)
- 通称「キャプテン」。本編の主人公。
- 有能な科学者であるスチュアート・ゴードン・パワー博士の息子で、ロード・ドレッドと戦うためにパワースーツを開発した父親の遺志を継ぎドレッドと戦う未来戦士の若きリーダーである。彼のパワースーツはバイオ・ドレッドのデジタイズに対する防御効果がある。レーザー銃やサイバーシューター(手裏剣)、精神感応器、接近戦用マグマ・スティック、サイバーナイフ、短距離飛行が可能なパワーロケットを装備しており、その限界は未知数である。彼らのパワースーツの共通機能としてAIによるサポート機能が搭載されており、独自判断によるエネルギー低下時のパワースーツ装着強制解除、バイオドレッド兵士の索敵機能など多岐にわたっている。
- マシュー・"ホーク"・マスターソン(俳優:ピーター・マクニール、Peter MacNeill、声:青野武)
- 通称「ホーク」。階級は少佐。未来戦士の中で一番の最年長である。
- メンバー内で唯一、本当の戦争を経験しており、頼れる父親といったところである。ジョナサンの父親スチュアートと親友であり、またメタル戦争でなくした一人息子のミッチーを彼と重ねているため、ジョナサンの相談にも乗っている。彼のパワースーツは小型航空機として設計されており、航続距離は400マイル。空対空ミサイル(ホークミサイル)とその射出装置が装備されており、彼のイオン・ブラスターはタンクに次ぐ大きさの武器である。
- マイケル・"タンク"・エリス(俳優:スヴェン=オーレ・トールセン、Sven-Ole Thorsen、声:郷里大輔)
- 通称「タンク」。階級は中尉。未来戦士の中で一番の力持ち。遺伝子工学により作られている。
- 戦場では獰猛な性格で、血の気が多いが、仲間思いでもあり、撤退の時はしんがりを買って出るほどである。メタル戦争の時は人類軍の陸戦隊員。元ストリートファイターで刑務所からの脱走歴もある。彼のパワースーツは外骨格のような機能を果たすことにより、筋力を増強して壁やドアを破壊することが可能。絶大な威力を誇る腰のプロトン・カノンのほか、手首の火炎放射器、プロトン・カノンの先端に装着するキャノンコマンドミサイル、アッシド・グレネード、脚部発射管、パワーグローブ、耐火マスクを装備している。
- ロバート・"スカウト"・ベイカー(俳優:モーリス・ディーン・ウィント、Maurice Dean Wint、声:田中亮一)
- 通称「スカウト」。階級は軍曹。未来戦士の中で一番の頭脳派。
- 陽気で明るい性格と鋭いセンスによりユーモアでメンバーを和ませる。真面目なタンクとは正反対で、いつも軽口をたたいてはホークやタンクをからかう。技術屋で、通信員でもある。ハッカーでもあるため、メンバーの作戦行動をバックアップするためいつもコンピューターを操作している。敵のコンピューターのアクセスコードを盗むなどもしている。パワーベースのコンピューターに異常があった場合には分解して修理を行う。彼のパワースーツは周囲にホロ=フィールドを発生させる機能を持っており、これにより誰にでも変装できるため、ドレッドの基地に潜入できる。
- ジェニファー・"パイロット"・チェイス(俳優:ジェシカ・スティーン、Jessica Steen、声:小山茉美)
- 通称「パイロット」。階級は伍長。未来戦士の紅一点。
- 元ドレッド軍の青年隊員で、キャプテンパワーにより救出され改心し、人類解放のために共に戦うようになる。過去のことを語ることは決してなく、尋ねようとする者もいない。パイロットの名の通り、ジャンプシップの操縦を任務としている。整備や擬装も任務の一つである。ドレッドにいた時は、人間的な感情は捨て去っていたが、キャプテンたちと触れ合うにつれ、徐々に人間らしい感情が芽生えはじめる。彼女のパワースーツは他のメンバーと同じくらいの力を与えることができる。また、プロトン・スパナと呼ばれる大きなドライバー型の万能ツールを持っていて、鍵を開けたり、タイヤを交換したり、電子回路を点検したり、など、多岐に利用できる。22話で、ブラスター率いるバイオドレッド兵の部隊がパワーベースに侵入した際にはただ一人残っており、メンターのバックアップメモリーと予備のパワースーツを無人モードにしたドラゴンフライに搭載し脱出させた後、基地もろとも自爆した。
- メンター(俳優:ブルース・グレイ、Bruce Gray、声:塩屋浩三)
- キャプテンの父、スチュアート・ゴードン・パワーの記憶を持つ、パワーベースのメイン・コンピューターである。
- ホロ・モニターにはスチュアートの姿が立体映像で映り、アドバイスをキャプテンたちに行う。キャプテンたちも信頼を寄せている。キャプテンは「親父」と呼ぶこともある。一方では、さまざまなデータ処理を命じるなどの機械的な命令も行っている。
- バイオ・ドレッド帝国側
- 帝王ドレッド(俳優:デイヴィッド・ヘンブレン、David Hemblen、声:柴田秀勝)
- 本名はライマン・タガート。
- 有能な科学者であり、キャプテンの父であるスチュアートの友人。しかし、理論の敵である感情を押し殺すことで実現する完璧な世界を実現し、古い世界を完全に破壊した中から不死鳥のように甦らせ、全ての人間性を否定し、人の世を徐々に焼き払う「ニューオーダー計画」を実現しようとして、この戦争を引き起こした張本人である。
- 完全な世界への妄想に取り付かれた自身の過ちを正そうとした友人スチュアートと敵対し、ボルカニア城で対峙した際、突如暴風雨が襲い致命傷を受けた。スチュアートを死なせてしまったものの、自らは究極のスーパー・コンピュータ「オーバーマインド」に脳を接続し、サイボーグ化することにより一命をとりとめ、以後帝王ドレッドを名乗ることとなった。感情は敵と言いつつも、事故とはいえスチュアートを死なせてしまったことを今でも悔いている一面があり、その息子であり父親同様に親交があったジョナサンと敵対することも心から歓迎している訳ではない。
- コンピューター・オーバーマインド(声:郷里大輔)
- 人類が作り出した究極の知性として誕生したコンピューター。ドレッドと精神を接続しており、ドレッドの心に機械による完全な世界の思想を根付かせた。ドレッドがライマン・タガートだったころはコンピューター操作を効率化するために用いられていた。その後、コンピューター以上の役目を担い、ドレッドと共に帝国を支配している。ドレッドも彼の意見は聞き入れている。
- ソロン(声:塩屋浩三)
- ドレッドに作られた最初のバイオ・ドレッド。
- 意志をもち、自己修復機能を備えている。人の身体を持った鳥のような姿で、嘴のような口と、足の部分は鳥に似ていて、手と胴体は人に似、背中には大きな翼を持ち、短い尻尾がある。帝王の息子として寵愛を受けており、左手のデジタイザーをギラつかせ、ソロンは帝国内や植民地を巡回し、機械帝国から逃げ出した人達をデジタイズして捕まえては、ジャンプシップが現れるや否や飛んで行き、未来戦士を捕らえるべくドレッド軍を展開する。騙されやすい一面を持ち、時々あっけなく破壊されることも。武装としてはデジタイザーの他、フォトン光線(ソロン・レーザー)、迎撃ミサイル、爆弾などを装備していて、小さな都市を一つ破壊することも可能。ブラスターとはあまり仲はよくない。左手のデジタイザーは、標的とした人間をデジタルデータに変換して自身のメモリ内部に監禁(逆にデータから元の状態への還元も可能)するビーム能力を持っており実際に帝王ドレッドの命令により監禁された人間をデジタイズして物理的に消し去るなどの冷酷な機能を搭載している。捕獲した人間たちを自軍のバイオドレッド兵士の素体として提供している(ブラスターも同様)。
- ブラスター(声:堀之紀)
- ドレッドに作られた第二のバイオ・ドレッド。
- 地上部隊としてデザインされており、シャロン計画で数百体作る予定が、未来戦士の妨害により一体しか作ることが出来なかった。戦車のように設計されており、それを上回る火力を持っていて、両手の指先から放たれるレーザーブラストは強烈無比、右腕の折り畳み式シールドは鉄壁の守りで、無論左手にはデジタイザーも装備されている。足にはキャタピラが付いていて、どんな悪路も走破可能である。狂暴で猪突猛進な面もあるものの、ドレッド帝王の命令には絶対服従である。他に、フォトン・バズーカ、体当たり攻撃、エネルギー吸収攻撃、電気攻撃など、さまざまな技をもっている。ソロンとはあまり仲がよくない。
- ラッキー(声:田中亮一)
- シャロン計画で未来戦士に壊されたバイオ・ドレッド製造器の中で、作りかけの状態で誕生した突然変異のバイオ・ドレッド。
- 名前の由来はドレッドが思わず口走った言葉から偶然に名付けられた。当初から枠外視されておりドレッドからの扱いは冷淡で、ドレッドに対しては卑屈な態度をとる。オーバーマインドは歓迎しているようだが、裏があるようである。
- ナレーション:内海賢二(オープニングでの語りをしている)
放送リスト
※( )内は原題
- 驚異のパワー・オン 5人の未来戦士登場 (Shattered)
- ホーク参上 ドレッド軍団を阻止せよ!! (Wardogs)
- キャプテン危機一発 決闘ゴーストシティ (The Abyss)
- ソロン撃墜!? 大逆襲 怒りのデジタイズ!! (Final Stand)
- 壮絶! 空中戦! ソロン対ジャンプシップ (Pariah)
- 激突! 1対1!? キャプテンVSドレッド (A Fire in the Dark)
- 強敵!! 悪のキャプテンパワー現わる (The Mirror in Darkness)
- 恐怖! 悪の最新メカ ブラスター登場 (The Ferryman)
- 弱点なし!? 完全無敵の怪物ブラスター (And Study War No More)
- 大乱射! 皆殺し兵器フィンガー速射砲! (The Intruder)
- 未来戦士全滅!? サイバーウェーブの決闘 (Flame Street)
- 脱出なるか? パイロット悪の基地へ潜入 (Gemini and Counting)
- 陰謀・悪魔の水! 未来戦士分裂か? (And Madness Shall Reign)
- ソロンとブラスター、二大メカの連続攻撃 (Judgement)
- 恐怖のドレッド軍団とソロン誕生の秘密 (A Summoning of Thunder, Part1)
- 衝撃! パワースーツに秘められた願い (A Summoning of Thunder, Part2)
- ブラスター錯乱か? 標的はドレッド軍団 (The Eden Road)
- 妖しき地獄のワナ! 真夜中の大決戦!! (Freedom One)
- 秒読み開始!! ボルカニア城へ決死の潜入 (New Order Part1: The Sky Shall Swallow Them)
- 断末魔!! ソロン大破!! ブラスター炎上!! (New Order Part2: The Land Shall Burn)
- 決戦前夜?! パワーベースにつかの間の平和 (Retribution, Part1)
- パイロット自爆 嗚呼! パワーベースの最期 (Retribution, Part2)
脚注
関連事項
- 海外ドラマ
- TV『ジェシカおばさんの事件簿』(ジョー・マイケル・ストラジンスキー製作総指揮・脚本作品)
- TV『バビロン5』(ジョー・マイケル・ストラジンスキー製作総指揮・脚本作品、ダグラス・ネッター製作・出演作品)
- TV『特攻野郎Aチーム』(本作主演のティム・ダニガンが、パイロット版『アカプルコ救出大作戦』のみ「フェイスマン」ことテンプルトン・ペック役で出演)
- 映画『グラディエーター』(本作でマイケル・"タンク"・エリス役のスヴェン=オーレ・トールセンが伝説の剣闘士「ガイアのテグネス」役で出演)
- 映画『バトルランナー』(本作でマイケル・"タンク"・エリス役のスヴェン=オーレ・トールセンが本人と思しき役で出演)
外部リンク
- 原語版オープニング動画(YouTube)
- 日本版オープニング動画(YouTube)
- キャプテンパワー・デジタイズ
- 公式ファンサイト(アメリカ)
- ティム・ダニガン公式サイト(アメリカ)
- ジェシカ・スティーン公式サイト(アメリカ)
- スヴェン=オーレ・トールセン公式サイト(デンマーク)
- JMSNews(ジョー・マイケル・ストラジンスキーのニュースサイト、アメリカ)
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ 第2シーズンに登場が予定されていた二人の新たな未来戦士"TNT"と"レンジャー"が配役決定寸前の状況だった。
- ↑ 日本で放送当時発売されていた玩具の説明書には、水陸両用パワースーツのもう一人の未来戦士、ネイサン・"スティングレイ"・ジョンソン大佐が紹介されていたが、パイロット版のみでTV本編では未登場に終わっている。