「住友金属鉱山」の版間の差分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(相違点なし)
|
2014年4月27日 (日) 14:48時点における最新版
住友金属鉱山株式会社(すみともきんぞくこうざん、英文社名 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. )は、住友発展の基礎となった別子銅山や世界有数の金鉱脈がある菱刈鉱山などを経営する、住友グループの非鉄金属企業であり、住友グループ広報委員会にも参加する企業である。
概要
日本で最も歴史ある企業の一つで、住友財閥の源流企業。住友家の業祖、蘇我理右衛門が南蛮吹きといわれる銅精練の技術を開発し、天正18年(1590年)京都に銅吹所を設けたのが始まりで、住友家は秋田の阿仁銅山、備中の吉岡銅山などの経営に乗り出し、日本一の銅鉱業者へ発展した。元禄4年(1691年)には別子銅山の開発に着手し、これが世界最大級の産銅量を誇る鉱山に成長して住友財閥(現在の住友グループ)の礎を築いた。現在は世界各地で鉱山開発、製錬を行っている他、電子・機能性材料の生産なども行っている大手の総合非鉄金属メーカーである。資源の保有量は日系企業の中でもトップクラスであり、埋蔵量が高いと言われている菱刈鉱山・ポゴ金鉱山(アメリカアラスカ州)を保有し、国内で唯一電気ニッケルを提供している企業としても知られている。銅地金の生産シェアはパンパシフィック・カッパーに次いで国内2位。
証券業界では、同じ上場企業の住友金属工業と区別するため「別子(ベッシ)」もしくは「住友山(山は証券業界では『鉱業』の意味)」と呼ばれている。 非鉄金属メーカーとしては唯一のTOPIX 100構成銘柄である。
沿革
- 1590年(天正18年) - 蘇我理右衛門が京都に銅製錬・銅細工の泉屋を開業。
- 1691年(元禄4年) - 別子銅山の採掘権を獲得し、採掘を開始。
- 1905年(明治38年) - 四阪島に銅製錬所を設置(現・四阪工場)。
- 1927年(昭和2年)7月 - 住友合資会社から別子鉱業所が分離し、住友別子鉱山株式会社が発足。
- 1937年(昭和12年)6月21日 - 住友別子鉱山と住友炭礦株式会社が合併し、住友鉱業株式会社が発足。
- 1946年(昭和21年)1月29日 - 井華鉱業株式会社に社名変更。
- 1950年(昭和25年)3月1日 - 井華鉱業株式会社の金属部門が独立し、別子鉱業株式会社が発足。
- 1952年(昭和27年)6月 - 住友金属鉱山株式会社に社名変更。
- 1956年(昭和31年)9月 - 株式会社日向製錬所を設立。
- 1964年(昭和39年)7月 - 住鉱アイ・エス・ピー株式会社を設立。
- 1965年(昭和40年)8月 - 中央研究所(現・市川研究所)開設。
- 1966年(昭和41年)4月 - 住鉱アイ・エス・ピー播磨製錬所(現・播磨事業所)操業開始。
- 1967年(昭和42年)9月 - 青梅工場(電子事業本部)操業開始。
- 1971年(昭和46年)2月 - 東予工場操業開始。
- 1973年(昭和48年)3月 - 別子銅山閉山。
- 1973年(昭和48年)5月 - 鴻之舞鉱山閉山。
- 1974年(昭和49年)6月 - 国富事業所操業開始。
- 1975年(昭和50年)12月 - 土呂久砒素公害の原因企業として宮崎地裁延岡支部に提訴される。以後、1978年(昭和53年)にかけて第1陣から4陣まで計81人が提訴。控訴審で会社側敗訴し上告。最高裁において、1990年(平成2年)に原告と和解条項が成立。
- 1977年(昭和52年)2月 - 新居浜研究所開設。
- 1977年(昭和52年)2月1日 - 鉄道事業から撤退。
- 1978年(昭和53年) - 佐々連鉱山閉山。
- 1980年(昭和55年)10月 - 住鉱アイ・エス・ピーを吸収合併、播磨事業所継承。
- 1983年(昭和58年)4月 - 菱刈鉱山開坑。
- 1999年(平成11年)9月 - 全額出資する株式会社ジェー・シー・オー(JCO)において東海村JCO臨界事故が起こる。
- 2002年(平成14年)7月 - 三井金属鉱業株式会社と亜鉛製錬事業で提携。
- 2003年(平成15年)2月 - 同和鉱業株式会社と硫酸事業で提携。
- 2005年(平成17年)4月 - Coral Bay Nickel Corporation商業生産開始。
- 2006年(平成18年)2月 - ポゴ金鉱山生産開始。
- 2010年(平成22年)10月 - 四阪工場を分社化し四阪製錬所を設立。
- 2013年(平成24年)7月 - リードフレーム事業を日立金属(旧・日立電線)と経営統合。日立金属の伸銅事業子会社に資本参加し折半出資会社化。
主力製品・事業
- 資源事業部 - 鉱山開発事業を担当
- 金属事業本部 - 金・銀・銅・白金族・ニッケル・亜鉛・鉛などの非鉄金属製錬および販売を担当
- 材料事業本部 - 基板材料・電子材料・パッケージ・粉体・電池材料製造・エネルギー・触媒・建材などを担当
主要事業所
本社、支社、支店等
研究所
製造拠点
- 別子地区
- 播磨事業所 - 兵庫県加古郡播磨町宮西346-4(金属事業本部管轄、亜鉛・鉛を生産)
- 青梅事業所 - 東京都青梅市末広町1-6-1
- 菱刈鉱山 - 鹿児島県伊佐市菱刈前目3844
- ポゴ鉱山 - アメリカアラスカ州
日本国外事務所
主要関係会社
</div>資源事業
- 住鉱資源開発株式会社
- Sumitomo Metal Mining Pogo LLC.
- Sumitomo Metal Mining America Inc.
- Sumitomo Metal Mining Peru S.A.
- Sumitomo Metal MIning Chile LTDA.
金属事業
- 株式会社日向製錬所
- 三井住友金属鉱山伸銅株式会社
- 住鉱物流株式会社
- エム・エスジンク株式会社
- 株式会社アシッズ
- 太平金属工業株式会社
- 株式会社四阪製錬所
- Coral Bay Nickel Corporation
- 金隆銅業有限公司
半導体事業
- 大口電子株式会社
* アジム電子株式会社
機能性材料事業
- 住鉱国富電子株式会社
- 株式会社エス・エム・エム プレシジョン
- 株式会社グラノプト
その他材料事業
- 日本キャタリストサイクル株式会社
- 日本照射サービス株式会社
- 株式会社ジェー・シー・オー
- 日本ケッチェン株式会社
- エヌ・イー ケムキャット株式会社
- 住友金属鉱山シポレックス株式会社
- 住鉱潤滑剤株式会社
- ヰゲタハイム株式会社
- SHマテリアル株式会社
- 新居浜マテリアル株式会社
- 大口マテリアル株式会社
- SHプレシジョン株式会社
その他
- 住鉱テクノリサーチ
- 住鉱技術サービス株式会社
- 住友金属鉱山エンジニアリング株式会社
- 住鉱プランテック株式会社
(旧子会社)
- 日本コーティングセンター