中野孝次

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中野 孝次(なかの こうじ、1925年大正14年)1月1日 - 2004年平成16年)7月16日)は作家ドイツ文学者評論家千葉県市川市須和田出身。父は大工。

著書『清貧の思想』、愛犬ハラス(柴犬)との日々を描いた『ハラスのいた日々』はベストセラーとなった。後者はテレビドラマ・映画化されている。『暢気眼鏡』の尾崎一雄を慕い、碁や焼き物も愛好した。

略歴

政治的には平和主義者であり、反核アピールでは井上靖井上ひさし大江健三郎と行動をともにし、大岡昇平に対しては弟子格の関係にあった。反核アピールは吉本隆明柄谷行人らの批判を受け、1985年『文學界』誌上で柄谷と罵倒しあった。

著書

単著

  • 実朝考 ホモ・レリギオーズスの文学 河出書房新社 1972 のち講談社文芸文庫
  • 絶対零度の文学 大岡昇平論 集英社 1976
  • ブリューゲルへの旅 河出書房新社 1976 のち文庫
  • 我等が生けるけふの日 小沢書店 1978
  • 麦熟るる日に 河出書房新社 1978 のち文庫
  • 若き木下尚江 筑摩書房 1979
  • 文学への希望 朝日選書 1979
  • うちなる山々 東京新聞出版局 1979 「山に遊ぶ心」と改題
  • 花下遊楽 弥生書房 1980
  • 苦い夏 河出書房新社 1980 のち文庫
  • 季節の終り 講談社 1980
  • 神々の谷 インド・ガンゴトリ紀行 河出書房新社 1981
  • 一方通行路 小沢書店 1981
  • 南チロルの夏 集英社 1982
  • 人生を闘う顔 新潮社 1982 のち岩波同時代ライブラリー
  • 西行の花 中世紀行 淡交社 1982
  • 近代日本詩人選 20 金子光晴 筑摩書房 1983
  • 対談小説作法 文藝春秋 1983
  • 古典を読む 今昔物語集 岩波書店 1983 のち同時代ライブラリー
  • 中世を生きる 講談社 1983
  • 自分らしく生きる 講談社現代新書 1983
  • わが体験的教育論 岩波新書 1985
  • はみだした明日 文藝春秋 1985
  • 生のなかば 講談社 1986
  • ある中国残留孤児の場合 河出書房新社 1987
  • ハラスのいた日々 文藝春秋 1987 のち文庫
  • 人生を励ます言葉 講談社現代新書 1988 のち「人生を励ます黄金の言葉」講談社+α文庫
  • 夜の電話 文藝春秋 1988
  • 自分らしく人間らしく 海竜社 1989 のち「自分らしく生きる 人間らしく生きる」+講談社α文庫
  • 生きたしるし エッセイ集 文藝春秋 1990 のち文庫
  • ひとり遊び 朝日新聞社 1990 のち文庫
  • 今を深く生きるために 海竜社 1990 「自分が生きる時間」と改題、三笠書房知的生きかた文庫
  • リラの僧院 共生を求めての旅 文藝春秋 1992 「思索の旅・発見の旅」と改題して岩波同時代ライブラリー
  • 本阿弥行状記 河出書房新社 1992
  • 清貧の思想 草思社 1992 のち文春文庫
  • 碧落に遊ぶ 弥生書房 1992
  • プロメテウスの盗んだ火 マガジンハウス 1992
  • 生きて今あるということ 海竜社 1993
  • 本物の生き方 人間の真実の生とは何か 海竜社 1994
  • 贅沢なる人生 文藝春秋 1994 のち文庫
  • 生きることと読むことと 「自己発見」の読書案内 講談社現代新書 1994
  • ぼくと兄の日章旗 兄から学んだこと ポプラ社 1995 (新・のびのび人生論)
  • 人生のこみち 文藝春秋 1995 のち文庫
  • 良寛の呼ぶ声 春秋社 1995 「良寛にまなぶ「無い」のゆたかさ」小学館文庫
  • 生きること老いること 海竜社 1996
  • 五十年目の日章旗 文藝春秋 1996 のち文庫
  • わが少年記 弥生書房 1996
  • 光るカンナ屑 職人かたぎ譚 小学館 1996
  • 日本の美徳 恥を知るということ 光文社 1996
  • ハラスよ!!ありがとう ポプラ社 1997
  • 現代人の作法 岩波新書 1997
  • 良寛に会う旅 春秋社 1997
  • 老年の愉しみ 海竜社 1997 のち文春文庫
  • 私の生活作法 文藝春秋 1997
  • 我慢の思想 潮出版社 1997 (潮ライブラリー)
  • 西洋の見える港町横浜 草思社 1997
  • まっすぐ生きる 春秋社 1998
  • 生き方の美学 文春新書 1998
  • 論語の智慧50章 潮出版社 1998 (潮ライブラリー)
  • 存命のよろこび 古典にいまを読む 角川書店 1998
  • なにを遺せますか 日本経済新聞社 1999 のち文庫
  • 趣味に生きる愉しみ 老年の過ごし方 光文社 1999 のち知恵の森文庫
  • 人生の実りの言葉 偕成社 1999 のち文春文庫
  • 暗殺者 岩波書店 1999
  • 犬のいる暮し 岩波書店 1999 のち文春文庫
  • よく生きることは人間の仕事である 海竜社 1999
  • 老年を幸福に生きる 青春出版社 1999
  • ヒエロニムス・ボス「悦楽の園」を追われて 小学館 1999
  • 道元断章 『正法眼蔵』と現代 岩波書店 2000
  • 乱世を勁く生きる 中国古典の知恵 日本経済新聞社 2000 のち文庫
  • 幸福になるための作法45 ポプラ社 2000 のち光文社知恵の森文庫
  • 風の良寛 集英社 2000 のち文春文庫
  • 美しい老年のために 海竜社 2000 のち文春文庫
  • わたしの唐詩選 作品社 2000 のち文春文庫
  • 自分を活かす"気"の思想 幸田露伴『努力論』に学ぶ 集英社新書 2001
  • 自分の顔を持つ人になる 海竜社 2001
  • 中野孝次作品 1-10 作品社 2001-2002
  • 老いのこみち 文藝春秋 2001 「今ここに」として文庫
  • 中野孝次生きる知恵 日本放送出版協会 2001 (NHKシリーズ)
  • 幸福の原理 「無い」ことのゆたかさを見つめ直す15章 大和書房 2001
  • 自足して生きる喜び 本当に幸福になるための二十三章 朝日新聞社 2002 「足るを知る」として文庫
  • 良寛心のうた 講談社+α新書 2002
  • 死を考える 青春出版社 2002
  • 幸せな老年のために 「今ココニ」充実して生きる 海竜社 2002
  • いまを生きる知恵 岩波書店 2002
  • 中野孝次の論語 海竜社 2003
  • すらすら読める方丈記 講談社 2003
  • 「閑」のある生き方 新潮社 2003 のち文庫
  • ローマの哲人セネカの言葉 岩波書店 2003
  • 中野孝次の生きる言葉 海竜社 2003
  • すらすら読める徒然草 講談社 2004
  • 五十歳からの生き方 海竜社 2004
  • セネカ現代人への手紙 岩波書店 2004
  • 良寛に生きて死す 考古堂書店 2005
  • 芸亭の桜 随筆抄 神奈川文学振興会 2005
  • ガン日記 二〇〇四年二月八日ヨリ三月十八日入院マデ 文藝春秋 2006

共著

翻訳

  • 城 カフカ 辻王星、萩原芳昭共訳、新潮社、1953
  • ぼくではない マックス・フリッシュ 新潮社 1959 のち「ぼくはシュティラーではない」白水社
  • 性の世界史 モールス 高橋義孝,生松敬三共訳 新潮社, 1960
  • 百合 ルイーゼ・リンザー 共訳 南江堂 1961
  • 現代文学 ワルター・イェンス 高本研一共訳、紀伊国屋書店、1961
  • アテネに死す マックス・フリッシュ 白水社 1963 のち「ホモ・ファーベル」
  • 悪魔の美酒,金の壷,マドモワゼル・ド・スキュデリー ホフマン 世界文学全集 河出書房新社 1965
  • 弟 ノサック 集英社、1965
  • わが名はガンテンバイン フリッシュ ドイツの文学 三修社 1966
  • 鏡のなかへの墜落 フリッシュ ドイツの名作 三修社 1969
  • 犬の年 ギュンター・グラス 集英社, 1969
  • 若き日のカフカ クラウス・ヴァーゲンバッハ 高辻知義共訳 竹内書店 1969 のちちくま学芸文庫
  • わかってるわ ハンス・E.ノサック 河出書房新社 1970
  • 盗まれたメロディー ハンス・エーリヒ・ノサック 白水社 1974
  • メディア論のための積木箱 ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー 大久保健治共訳 河出書房新社 1975
  • カフカ全集5 審判 新潮社 1981 のち新潮文庫
  • 贅沢の思想 C.G.クロコフ 作品社 1994

編纂

  • 清貧の生きかた 筑摩書房, 1993 のち文庫
  • 大岡昇平の仕事 岩波書店, 1997

その他