横浜博覧会
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横浜博覧会(よこはまはくらんかい、英称:YOKOHAMA EXOTIC SHOWCASE '89 = YES'89)は、1989年に神奈川県横浜市の横浜みなとみらい21地区で、横浜市制100周年、横浜港開港130周年を記念して開催された博覧会。1980年代後半の『地方博ブーム』における都市博の代表例。「横浜博」とも呼ばれる。
目次
開催概要
- 開催期間 - 1989年3月25日〜10月1日(191日間)
- テーマ - 「宇宙と子供たち」(21世紀への展望)
- サブテーマ - 「新しいライフスタイル」「子供の世界」
- マスコット - ブルア(デザイン:手塚治虫)
- 会場面積 - 69ヘクタール
- 動員数 - 1333万人
交通、会場内の乗り物
桜木町ゲート
- 根岸線・東急東横線(2004年廃止)・横浜市営地下鉄桜木町駅から動く歩道で約3分。
- 1911年に開通した貨物線を利用して、山下公園から桜木町ゲート近くの日本丸駅まで気動車が往復していた(→汽車道・山下臨港線プロムナードも参照)。使用された2編成4両の車両は博覧会閉幕後、三陸鉄道に譲渡されて「36-300形・400形」となり、前者は2006年まで、後者は2004年まで使用され、その後整備の上でミャンマーに無償譲渡されている。
高島町ゲート
海のゲート
- 横浜駅東口よりシーバスで約7分。
- 山下公園東口よりシーバスで約10分。
- 大黒町駐車場より遊覧船あかいくつ号で約15分。
- この他、東京の日の出桟橋から東京ブルーラインクルーズの旅客船、羽田空港からヘリコプターの定期便も就航していた。
ゴンドラゲート
- 横浜そごうからゴンドラリフトで2分半(会場側乗降場は現在のけいゆう病院の辺り[1])。
- 横浜駅西口よりシャトルバスで約15分(横浜駅西口出入口から、仮設の緑町出入口まで首都高速道路経由)。
- 大黒町駐車場よりシャトルバスで約20分。
会場内
- 当時、日本航空が主体となり開発していたHSST方式による「YES'89線」(横浜博線)が、磁気浮上式鉄道(リニアモーターカー)として日本初の営業運転を行った(スポンサーは三越)。この技術は後年開業した愛知高速交通東部丘陵線(愛称:リニモ)に活かされた。
- 東急車輛製造は会場内交通機関"SK"(動くベンチ)を出品していた。
- いすゞ自動車により、サークルバス「ジャンボクルーザー」や「双方向バス」が運行され、電動三輪車「カプセルカー」の貸出が行われた。
- YES89-HSST.jpg
横浜博覧会で営業運転を行ったHSST
- MRkai Jumbo Cruiser YES89.jpg
ジャンボクルーザー
- MRkai Bidirectional Bus YES89.jpg
双方向バス
駐車場
- パークアンドライド方式が採用され、大黒町(3,300台)、新本牧(2,700台)、新横浜(1,500台)の3ヶ所に駐車場が設けられた。なおテレビCMなどでは「マイカーで会場へは入れません」と表記され、公共交通機関の利用を勧めていた。
主なパビリオン
- YES'89宇宙館 (横浜博覧会協会)
- 宇宙飛行士訓練体験、羽仁進監督が宇宙開発の歩みを描いた映像作品「はやく!地球の子どもたち」、宇宙開発の技術や宇宙の科学を学べる展示コーナー。展示物の一部は、閉幕後に横浜こども科学館に移されている。
- 日石地球館 (日本石油・日本石油精製)
- IMAXシアターで、恐竜をテーマにした映像作品「地球だけの物語」を上映。
- IBM人間館 (日本アイ・ビー・エム)
- 双方向劇場「THINKシアター」
- コカコーラいん石館 (富士コカ・コーラボトリング)
- メキシコで発見された、重量約15tの隕石「チュパデロス」を展示。
- コスモワールド子供共和国(泉陽興業)
- 遊戯施設。大観覧車「コスモクロック21」など。
- 横浜館 (横浜市)
- 横浜の過去・現在・未来を描いた映像「ワンダーシップ号の冒険」、横浜市街の模型展示「ヨコハマ・ガリバーランド」。閉幕後もしばらく残されていたが、1999年に閉館し、跡地はパシフィコ横浜の展示ホールとなっている。
- かながわ愛ランド (神奈川県)
- 山田太一監督による映像作品「小さな世界から」
- かながわプラザ (神奈川県内31自治体)
- 県内の自治体がそれぞれのブースを出典。
- 海のパビリオン (運輸省関東運輸局・第二港湾建設局・第三管区海上保安本部)
- 六角形の洋上プロムナードで、帆船や海洋機器の展示、イルカショーなどが行われた。
- 建設パビリオンTANO-CITY (建設省関東地方建設局他)
- インフラストラクチャーをテーマにした立体アニメーション「風の演出」
- NEC C&Cパビリオン (日本電気)
- 宇宙旅行シミュレーションシアター「スペーストライアル2009」
- NTT館「未来へのはこぶね」 (日本電信電話)
- 天井のドームスクリーンと床面の円形ミラーを組み合わせた映像システム「ドームミラービジョン」
- MMCコーヒー「地球体験館」 (三本コーヒー)
- 熱帯雨林や南極、砂漠などの疑似体験ができた。パビリオンの展示施設については閉幕後に北海道穂別町(現・むかわ町)が譲り受け、1991年に「むかわ町穂別地球体験館」としてオープンしている。
- おもちゃ館 (浅草玩具、SEGA他)
- 時速310kmのレーシングゲーム体験、世界各国の風景を再現したレゴブロック展示など。
- コープふれあい館 (コープかながわ)
- 美空ひばりなど各界の著名人が出演する、「お母さん」をテーマにした映画。
- 三和みどり館「夢座」 (三和みどり会)
- 主人公である妖精アリス・アンに導かれ、宇宙帆船アルゴス号で“みどりの星”を探すスペースファンタジー映像。
- JT館「スーパーマジックビジョン」 (日本たばこ産業)
- 少年とロボットの不思議な冒険物語、ミュージカル「虹の国の少年」
- 住友館 (住友グループ)
- コンピュータ制御の人形たちによる舞台「ヒミコ」
- 東京ガス館 (東京ガス)
- 炎色反応を応用した「ガスマックスシアター」で、炎の妖精たちによるミュージカル。
- 日産・芙蓉館「ビッグシャトル」 (日産自動車・芙蓉グループ)
- アメリカを舞台に、乗り物をテーマに描いた大型立体映像「RUN FOR THE SUN」
- ハートピア・ファコム館 (第一勧業銀行・富士通)
- IMAXシアターで、映像叙事詩「地球の詩 -めぐる四季」を上映。
- 日立グループ館 (日立グループ)
- →日立グループ館#1989年の横浜博を参照
- 松下館 (松下グループ)
- 映像と生の舞台を組み合わせたショー「光と闇の伝説」
- ミート・ミート館 (神奈川県食肉事業協同組合連合会)
- 舞台の登場人物と映像を組み合わせた立体パフォーマンス「マジカルサーカス」
- 三井・東芝ガリバー館 (三井グループ・東芝グループ)
- ガリバー旅行記をテーマにした立体映像。
- 三菱未来館 (三菱グループ)
- 「想像力」と「創造力」をテーマにした立体映像「IMAGINATION」
- UCCクレイトンハウス (UCC上島珈琲)
- ジャマイカに現存する、旧英国総督別邸「クレイトンハウス」を再現。クレイトンバンドによるステージが行われた。
- 横浜そごう館「クピドンの冒険」 (横浜そごう)
- ライブミュージカル「クピドン・時の冒険旅行」
- 横浜髙島屋館「不思議ドーム」 (横浜髙島屋)
- 宇宙貨物船「ノストラダムス号」での宇宙体験の旅を描いた立体映像。
- Wa!TEPCO (東京電力)
- 太陽光を受けて宇宙を走る「光ヨット」のレースを描いた立体映像。
終了後
- 博覧会の際に設置された大観覧車「コスモクロック21」(当時の世界最大)は、周辺にて高層ビル(クイーンズスクエア横浜)の開発が決まったため、1997年に一度営業を終了して解体、1999年には現在の場所に移築して再稼動している。
- 貨物線は博覧会の閉幕とともに廃線となったが、後に遊歩道の「汽車道」「山下臨港線プロムナード」として整備された。なお、閉幕後もしばらくの間は線路の軌道跡が桜木町駅付近から赤レンガ倉庫まで残っていたが、新港地区(ワールドポーターズから赤レンガ倉庫付近を含む一帯)の再開発時に、現在の汽車道と赤レンガ倉庫付近を除いて撤去されている。
- 横浜そごうからゴンドラゲートまでを結んでいたゴンドラリフトは、博覧会閉幕とともに廃止・撤去となった。なお撤去されたゴンドラのキャビンは記念として、希望者に抽選で贈られている(運搬費は当選者負担)[1]。
- 桜木町ゲートのあった場所には横浜ランドマークタワーが建てられた。桜木町駅とゲートを結んでいた動く歩道は、ランドマークタワーへの通路として現存している。
- 博覧会開幕に合わせて開館した横浜美術館と横浜マリタイムミュージアム(現横浜みなと博物館)は、恒久施設として閉幕後も展示が行われている。なお、博覧会開催中は、両館への入場には博覧会入場料の他に別途整理料が必要であった。
記念切手
横浜博覧会開催を記念した切手が1989年3月24日に発行された。切手図案には横浜美術館と、歌川芳虎による浮世絵「少女」が描かれている。
額面は当時の定型郵便基本料金料金である60円だったが、直後の4月1日に消費税が導入され郵便料金が62円になったため、同一の意匠で額面を62円に変更したものが同年4月18日に発行されている。発行枚数であるが、前者は2500万枚と当時の記念切手の発行枚数とほぼ同じであったが、後者は500万枚であり、発行枚数が5分の1であった。
その他
脚注
出典
関連項目
- 神戸ポートアイランド博覧会
- 国鉄24系客車#夢空間
- クイーン・エリザベス2号 - 開催期間中ホテルシップとして使用。
- 東京急行電鉄 - 開催にあわせて夏のスタンプラリーの題材に博覧会を取り上げた。
- 京浜急行電鉄 - 開催にあわせて横浜博覧会特別塗装仕様の2000形車両(2041編成)を運行した。
- 開国博Y150 - 横浜開港150周年記念イベントとして2009年に開催。
- こうふ博'89
外部リンク
- YES'89 横浜博覧会
- 横浜博覧会(万博バンバン!)