高円宮杯全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会

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テンプレート:スポーツ大会シリーズ 高円宮杯全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会(たかまどのみやはい ぜんにほんユース(アンダーエイティーン)サッカーせんしゅけんたいかい)は、1989年から2010年まで開催されていた日本サッカーの第2種(18歳以下)年代の全国大会である。高円宮杯U-18サッカーリーグが後継大会となる。

主催は財団法人日本サッカー協会(当時。現在は公益財団法人)、共催は朝日新聞社

大会名は高円宮憲仁親王(前・日本サッカー協会名誉総裁、2002年薨去)を記念して付けられた。

概要

1989年にプレトーナメントが開催され、1990年から公式戦として開始された。

当初は各地区代表に加え、7月から8月にかけて行われた地区高校選手権(地区インターハイ)の上位校や、クラブユース選手権の上位クラブをあわせた16チームにより競われていたものの、2003年より地域ごとに昇降格ありのリーグ戦JFAプリンスリーグU-18)を開催し、その上位チームに出場権を与えるものとした(後述)。2011年からこの大会の後継として高円宮杯U-18サッカーリーグが発足し、日本一の座もリーグ戦主体で争われるようになった。

高校サッカー部にとっては全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会全国高等学校サッカー選手権大会と、クラブユースチーム(JリーグJFLなど、社会人チーム傘下のユースチーム含む)にとっては日本クラブユースサッカー選手権 (U-18)大会Jリーグユース選手権大会とそれぞれ並ぶ高校生年代の三大タイトルを形成する大会だった。またこれらの両カテゴリーを問わず対戦するのが当大会の特徴となっていた(当時公式戦として高校サッカー部とクラブユースチームが対戦するのは、当大会および、JFAプリンスリーグU-18を含む予選大会のみであった)。これは後継の高円宮杯U-18サッカーリーグでも引き継がれている。

高校サッカー部にとっては前後半45分、トータル90分のプロと同じ試合時間で行われる数少ない大会の一つでもあった。

発足当初から1990年代半ばまでは高校サッカー部がクラブユースチームを成績で圧倒したこと、チーム作りの初期段階に行われる地区大会の優勝チームしか出られないという門戸の狭さなどもあいまって、出場チームの質、量ともに高校総体、高校選手権に及ばないマイナーな大会となっていた。そのため、それらの大会に比べ、高校サッカーファン、関東・関西の強豪チームなどからは、大会の価値を低く見られていた。事実、本大会設立後もしばらくは各県の事情によって単独チームによる代表や選抜チームが混在する国民体育大会以下の価値とされるタイトルであった(ただし97年は黄金時代の東福岡高校が史上初の高校三冠、公式戦52戦無敗を成し遂げるなど、注目の集まる下地ができ始めていた)。

こういった状況に変化が見られたのは1998年以降のことである。この年には、大黒将志二川孝広らを擁すガンバ大阪ユースが準優勝ながら高いパフォーマンスを見せ、クラブ勢の台頭を予感させるものとなった。翌1999年にはベスト4を全てクラブ勢が占め、ジュビロ磐田ユースがクラブユースチームとして初の本大会優勝を達成している。昨今では、クラブユースチームに多く優秀な才能が集まり、高校との実力関係が逆転したと言われることも多い。

2003年からの大会方式変更

当初は上記の通り16チームによるトーナメントで開催されたが、2003年から開催時期を秋へ移し、前述のJFAプリンスリーグU-18の新設による地区予選のリーグ戦化、本大会でのグループリーグの導入など大会形式を大きく変更した。またこれをきっかけに東芝が特別協賛することになった。

各地域において、高校サッカー部とクラブユースチーム双方が参加し、リーグ戦形式で実施される10試合前後の予選を勝ち上がって来た代表によって争われるようになったことにより、本大会は高校生年代における真の実力日本一決定戦となり、最も重要な大会として位置づけられるようになった。

開催方式

予選

2003年以降、3月~8月にかけて全国を9つのブロックに分けて行われるJFAプリンスリーグU-18が、本大会の予選を兼ねていた。

2004年大会以降は本大会出場は24チームとなっている。出場枠は次のように決定される。

  1. 各地域のプリンスリーグ優勝チーム(9地域)。
  2. 直近3年間の当大会における地域別の成績をポイント化し、その累積ポイント上位3地域のプリンスリーグ各2位チーム。
  3. 前年度の当大会ベスト8に入った地域から、ベスト8入りしたチーム数と同数、各地域のプリンスリーグ上位チームから出場。
  4. 大会開催年の日本クラブユース選手権高校総体の各優勝・準優勝チーム。これらのチームが上記1~3に該当する場合は、そのチームが所属する地域のプリンスリーグ上位チームから繰り上がりで出場。

なお2003年大会(16チーム)は、地域別ポイントによる出場枠が4、前年度成績上位地域による出場枠が1(優勝チームの属する地域のみ)、日本クラブユース選手権・高校総体による出場枠がそれぞれ1となっていた[1]

2010年の出場枠は次の通り。

  • 北海道 1
  • 東北 1
  • 関東 6
  • 北信越 1
  • 東海 4
  • 関西 2
  • 中国 3
  • 四国 1
  • 九州 1
  • 高校総体 優勝・準優勝校
  • 日本クラブユース選手権 優勝・準優勝クラブ

2002年までは全9地区大会の優勝チーム、クラブユース選手権の上位5チーム、前年度優勝チームの所属地域から1チーム、全国高校総体優勝チームの16チームであった。

決勝大会

試合形式

試合は全てプロと同じ45分ハーフで行われる。また、選手の疲労を考慮し、全日程で試合の間に最低一日の休養日を入れているのが、この年代の他の全国大会では見られない特徴である。

一次ラウンド

24チームを4チームずつ6組に分け、1回総当りのリーグ戦を実施。勝ち: 3点、引分: 1点、負け: 0点の勝ち点で順位を決定(勝ち点が同点の場合は得失点差、総得点、当該チーム同士の直接対決の成績、抽選の順)。

決勝ラウンド

各グループ1位および2位チーム(計12チーム)と各グループ3位のうち成績上位4チーム(計4チーム)の16チームが決勝ラウンドに進出し、トーナメント方式で優勝を争う。同点の場合は10分ハーフの延長戦およびPK戦で勝敗を決める。

2004年の第15回大会は、一次ラウンドからの勝ち上がりが一次リーグ各グループの1位6チーム+2位上位2チームであったため、例えば2強2弱のグループが3強1弱に比べて遙かに有利になるなど、グループ組み合わせの運が占める要素が強く、日本一決定戦としては相応しくないと言う批判の声が大きかった。勝ち上がりのためにはまず1位を狙わなくてはならず、そのような厳しい条件のグループリーグ戦は国際的にはあまり見られないため、グループリーグ戦の実戦経験になりにくいという面もある。2003年は参加16チームであったため、これを4グループに分けて各組上位二位の計8チームが決勝トーナメント参加というオーソドックスな形態であった(それ以前は16チームによるトーナメント)が、2004年は参加を24チームに拡大したにも関わらず決勝トーナメント進出が変わらず8チームであったためにこのような問題が生じた。このため、2005年の第16回大会から、FIFA U-20ワールドカップ(当時の名称は「FIFAワールドユース選手権」)と同様の現在の勝ち上がり方式を採用した。これによりグループリーグの組み合わせによる運・不運の要素はかなり軽減されることになる。また、一勝もしなくともグループリーグを勝ち上がることもあるため、引き分けも極めて重要となる。

準決勝は高校サッカー界の聖地と言われる国立競技場で試合が行われる。全国高等学校サッカー選手権大会と似て、当大会でも国立競技場のピッチを経験できるのはベスト4まで勝ち上がったチームのみとなっている(ただし、高校選手権では他に開幕戦でも国立競技場を利用)。決勝戦は日韓ワールドカップの会場にもなった埼玉スタジアム2002で行われる。

特典

1998年~2003年に、この大会の優勝チームには天皇杯全日本サッカー選手権大会のシード枠が与えられたが、2004年から大会スケジュールの見直しで廃止された。また、優勝チームと準優勝チームには、副賞として海外遠征(遠征費用・海外大会出場権)が与えられる。

結果

年度 優勝 結果 準優勝 準決勝敗退チーム
テンプレート:Center 1989年 清水市商高 3 - 1 国見高 桐蔭学園高 丸岡高
テンプレート:Center 1990年 清水市商高 2 - 0 習志野高 国見高 愛知高
テンプレート:Center 1991年 徳島市立高 1 - 0 国見高 武南高 磐城高
テンプレート:Center 1992年 藤枝東高 3 - 1 読売日本SC 桐蔭学園高 南宇和高
テンプレート:Center 1993年 清水市商高 1 - 0 鹿児島実業高 富山第一高 武南高
テンプレート:Center 1994年 清水市商高 3 - 1 読売日本SC 東福岡高 習志野高
テンプレート:Center 1995年 清水市商高 5 - 0 横浜マリノスユース 市立船橋高 帝京高
テンプレート:Center 1996年 鹿児島実業高 5 - 1 東福岡高 清水市商高 国見高
テンプレート:Center 1997年 東福岡高 3 - 2 清水市商高 浦和レッズユース 南宇和高
テンプレート:Center 1998年 藤枝東高 3 - 2 ガンバ大阪ユース 帝京高 草津東高
テンプレート:Center 1999年 ジュビロ磐田ユース 4 - 1 ベルマーレ平塚ユース 清水エスパルスユース 京都パープルサンガユース
テンプレート:Center 2000年 清水市商高 3 - 2 前橋商高 横浜F・マリノスユース 富山第一高
テンプレート:Center 2001年 国見高 1 - 0 FC東京U-18 京都パープルサンガユース サンフレッチェ広島ユース
テンプレート:Center 2002年 国見高 4 - 2 星稜高 多々良学園高 室蘭大谷高
テンプレート:Center 2003年 市立船橋高 1 - 0 静岡学園高 東福岡高 サンフレッチェ広島ユース
テンプレート:Center 2004年 サンフレッチェ広島ユース 1 - 0 ジュビロ磐田ユース 鵬翔高 鹿児島実業高
テンプレート:Center 2005年 ヴェルディユース 4 - 1 コンサドーレ札幌ユースU-18 サンフレッチェ広島ユース 滝川第二高
テンプレート:Center 2006年 滝川第二高 3 - 0 名古屋グランパスU-18 ガンバ大阪ユース 初芝橋本高
テンプレート:Center 2007年 流経大柏高 1 - 0 サンフレッチェ広島ユース 浦和レッズユース 名古屋グランパスU-18
テンプレート:Center 2008年 浦和レッズユース 9 - 1 名古屋グランパスU-18 作陽高 FC東京U-18
テンプレート:Center 2009年 横浜F・マリノスユース 7 - 1 ジュビロ磐田ユース 三菱養和ユース サンフレッチェ広島ユース
テンプレート:Center 2010年 サンフレッチェ広島ユース 2 - 1 FC東京U-18 静岡学園高 三菱養和ユース

チーム別成績

チーム名 テンプレート:Abbr テンプレート:Abbr 優勝年度 準優勝年度
清水市商高 6 1 1989, 1990, 1993, 1994, 1995, 2000 1997
国見高 2 2 2001, 2002 1989, 1991
サンフレッチェ広島ユース 2 1 2004, 2010 2007
藤枝東高 2 0 1992, 1998
ジュビロ磐田ユース 1 2 1999 2004, 2009
東京ヴェルディユース 1 2 2005 1992, 1994
鹿児島実業高 1 1 1996 1993
東福岡高 1 1 1997 1996
横浜F・マリノスユース 1 1 2009 1995
徳島市立高 1 0 1991
市立船橋高 1 0 2003
滝川第二高 1 0 2006
流経大柏高 1 0 2007
浦和レッズユース 1 0 2008
FC東京U-18 0 2 2001, 2010
名古屋グランパスU-18 0 2 2006, 2008
習志野高 0 1 1990
ガンバ大阪ユース 0 1 1998
湘南ベルマーレユース 0 1 1999
前橋商高 0 1 2000
星稜高 0 1 2002
静岡学園高 0 1 2003
コンサドーレ札幌ユースU-18 0 1 2005

テレビ中継

決勝戦はBS朝日で生中継、テレビ朝日で録画中継されていた。スカイ・Aでは準決勝、決勝戦を中継していた。

なお、2002年まではNHK教育、2003年~2005年はテレビ朝日系列で決勝戦の生中継[2] が行われた。

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

テンプレート:日本のサッカー テンプレート:高円宮杯U-18サッカーリーグ テンプレート:高円宮杯U-18サッカーリーグ関連大会シーズン

テンプレート:日本の2種サッカー大会en:Prince Takamado Cup
  1. テンプレート:Cite web
  2. テレビ朝日系列は一部年度撮って出し録画中継