踊る人形

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テンプレート:Portal テンプレート:Infobox踊る人形」(おどるにんぎょう、原題:"テンプレート:En")は、イギリスの小説家、アーサー・コナン・ドイルによる短編小説。シャーロック・ホームズシリーズの一つで、56ある短編小説のうち27番目に発表された作品である。イギリスの『ストランド・マガジン』1903年12月号、アメリカの「コリアーズ・ウィークリー」1903年12月5日号に発表。1905年発行の第3短編集『シャーロック・ホームズの帰還』(The Return of Sherlock Holmes ) に収録された[1]

暗号とその解読を用いた小説として有名である。

表題は、一般に「おどるにんぎょう」と呼ばれているが、原題を見ると「おどるひとがた」のほうが適切かもしれない。早い時期の訳者である延原謙は読み方については触れていない。


あらすじ

シャーロック・ホームズのもとに、ノーフォークに住むヒルトン・キュービット氏から謎の絵が送られてくる。いろいろな姿の人形がいくつも並んだ絵で、ワトスンは子供の落書きではないかと言うが、ホームズはもっと重要なものだと考えているようであった。

キュービット氏自身がホームズのもとにやってきて、この絵を見て妻がおびえているという。また2週間して、新しい絵が道具小屋に描かれたとキュービット氏から知らせが入る。消したあと、次の日にまた別の絵が描かれており、最初のものと合わせて4種類の絵が材料として揃った。

その2日後、また新しい絵が日時計の上に描かれたとキュービット氏から手紙が届き、その写しも付けられていた。ホームズはそれを調べ、事件が急を告げていることに気づく。その晩の汽車はすでになく、翌朝一番の汽車でノーフォークに行くことになった。

ノーフォークに着いたホームズとワトスンは、すでに悲劇が起こってしまったことを知る。キュービット氏と妻が撃たれ、キュービット氏は死亡してしまったというのである。警察は夫が妻を撃ち、そのあと自殺を図ったか、その逆だと考えていたが、ホームズは外部の侵入者がいたと断定し、第3の弾丸を窓枠の下に発見する。

ホームズは暗号を解読し、ある宛先に手紙を書いた。そこに犯人がいて、これからキュービット邸にやってくるようにしたというのである。

「踊る人形」について

ファイル:Dancing men.png
踊る人形(am here abe slaney)

「踊る人形」とは、この作品の中で用いられた暗号の通称で、換字式暗号である。旗を持った人形を語の区切りとし、腕や足の有無、折り曲げ方で文字を表現する。

他の作品との類似

  • 先行作品であるエドガー・アラン・ポーの「黄金虫」の暗号との類似が指摘される。
  • 同じシャーロック・ホームズシリーズの「オレンジの種五つ」との間に、次の類似点がある。
    • 依頼人の元へ謎のメッセージが届く。
    • ホームズは暗号メッセージの解読を試み、成功する。
    • しかし一歩遅く、依頼人は殺害されてしまう。
    • メッセージの送り手はアメリカ出身の犯罪者である。
    • ホームズは解読した暗号を利用して、加害者を制裁する。

脚注

  1. ジャック・トレイシー『シャーロック・ホームズ大百科事典』日暮雅通訳、河出書房新社、2002年、73頁

文献

関連項目

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テンプレート:シャーロック・ホームズの帰還