延原謙

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テンプレート:Portal 延原 謙(のぶはら けん、本名:延原 謙(ゆずる)、1892年9月1日 - 1977年6月21日)は、編集者、翻訳家岡山県出身。早稲田大学理工学部卒。別名に小日向 逸蝶。妻は劇作家フランス文学者岸田國士の妹の勝伸枝

1928年「新青年」、1932年「探偵小説」の編集長。後、中国に渡って事業を起こすも、終戦によって財産を失う。帰国後は「雄鶏通信」編集長。

コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ全訳』など、多くの翻訳作品がある。

1925年にアガサ・クリスティの作品を訳したことで、最初期の紹介者の栄誉も担っている。

訳書

  • クラブのキング アガサ・クリスティ(博文館(探偵傑作叢書) 1925年)
  • 怪奇探偵十一の瓶 アーサー・モリソン(博文館(探偵傑作叢書) 1925年)
  • 拳骨 怪奇探偵 アーサー・リーヴ(博文館(探偵傑作叢書) 1926年)
  • 運命の塔 コオナン・ドイル(聚英閣(探偵名作叢書) 1926年)
  • シヤアロツク・ホウムズ ドイル (改造社(世界大衆文学全集) 1928年)
  • クリステイ集(博文館(探偵傑作叢書) 1929年)
  • ドイル集(博文館(探偵傑作叢書) 1929年)
  • モリスン集・ポール・ソーン集(博文館(探偵傑作叢書) 1929年)
  • ウオーレス集(田中早苗共訳、博文館(探偵傑作叢書) 1930年)
  • シヤーロツクホームズの事件簿 ドイル (平凡社(世界探偵小説全集) 1930年)
  • ドイル全集 全8巻 (改造社(世界文学大全集) 1931年 - 1933年)
  • ケンネル殺人事件 ヴアン・ダイン新潮社 1933年)
  • 二枚の肖像画 L.J.ビーストン(黒白書房 1935年)
  • トレント最後の事件 ベントレー(黒白書房 1935年/新潮文庫、戦後改訳増補し同文庫)
  • 霧の夜 探偵小説 R.H.デーヴィス(春秋社 1936年)
  • 緑のダイヤ アーサー・モリスン(博文館(博文館文庫) 1939年) 
    • 「十一の瓶」の改題新版。戦後東京創元社より刊行。
  • 渦巻く濃霧 エドガア・ウオーレス(博文館(博文館文庫) 1939年)
  • リンクスの殺人事件 アガサ・クリステイ(博文館(博文館文庫) 1939年)
  • 怖るべき娘達 パット・マクガア(新樹社(ぶらっく選書) 1949年)
  • 青髯の妻 ルーファス・キング(新樹社(ぶらっく選書) 1950年)
  • グリーン家殺人事件 S.S.ヴァン・ダイン (新樹社 1950年/改訳増補し新潮文庫)
  • シャーロック・ホームズ全集 (月曜書房 1951年 - 52年/新潮文庫 全10巻、1953年 - 55年)
  • 殺意 フランシス・アイルズ(日本出版協同(異色探偵小説選集) 1953年)
  • ベラミ裁判 フランセス・N・ハート(日本出版協同 1953年)
  • オリエント急行の殺人 アガサ・クリスティー早川書房 1954年)
    • 柳香書院版「十二の刺傷」の改題新版。巻末解説は江戸川乱歩。
  • 螺旋階段 M.R.ラインハート(早川書房(世界探偵小説全集) 1955年)
  • 死人を起す デイクスン・カー(早川書房(世界探偵小説全集) 1955年)
  • シャーロック・ホームズの叡智 ドイル(新潮文庫 1955年)
    • 新潮文庫版「シャーロック・ホームズ全集」の全集最終10冊目。短編集各冊の未収録作品をまとめたもの
  • シャーロック・ホームズ全集 全6巻 (新潮社 1956年)
  • Xの悲劇 エラリ・クィーン東京創元社(世界推理小説全集) 1956年)
    • 柳香書院版に予定されたが翻訳が間に合わず未収におわり、戦後新たに雄鶏社版として訳稿を起したもの。
  • ドイル傑作集 全8巻 (新潮文庫 1957年 - 1961年)
  • わが思い出と冒険 コナン・ドイル自伝 (新潮文庫 1965年)

関連著書

  • 『延原謙探偵小説選』 論創ミステリ叢書32(論創社 2007年)
  • 中西裕 『ホームズ翻訳への道 延原謙評伝』(日本古書通信社 2009年)