熊本電気鉄道6000系電車

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テンプレート:Pathnav 熊本電気鉄道6000系電車(くまもとでんきてつどう6000けいでんしゃ)は熊本電気鉄道(熊本電鉄)が所有している電車の一形式である。

概要

老朽化した在来車両の取替えを目的として、東京都交通局三田線で使用していた6000形を1995年から2001年にかけて5編成譲り受けた。編成両端部の先頭車のみ譲り受けて2両固定編成とし、目黒側の先頭車(末尾1)を御代志側に、西高島平側の先頭車(末尾8)を上熊本/藤崎宮前側に連結している。

全編成とも入線前に西日本鉄道(西鉄)筑紫車両基地内にある西鉄産業筑紫工場で改造工事が実施され、架線電圧の変更(1500V→600V)に伴う一部機器取替えが行われている。1995年~96年に譲り受けた非冷房の2編成については、冷房装置の設置も併せて実施された。1999年以降に譲り受けた3編成は都営時代に冷房化改造されている。このほか運賃表示器運賃箱、バックミラーや車載発車ベルなどワンマン運転用設備の設置も実施されており、側面扉の戸袋窓上に「入口」「出口」「締切」を表示するLED表示器を新設している。都営時代に使われていた運行幕はワンマン表示に改められた。また前面貫通扉に熊本電鉄の社紋を取り付けている。「東京都交通局」の銘板が今も残る。

当初は番号や塗装を変更せず、外観的には都営時代とあまり大きな差異はなかったが、1999年以降、塗装が一部変更されたほか、前面下部にスカートを設置したため、当初とは異なる外観となった。また2001年以降、全編成に順次ATSが設置され、車号にAが追加された。

現在、熊本電気鉄道の主力車両として、藤崎宮前御代志間を運行している。

熊本電鉄に譲渡された車両はすべて日立製作所製である。

車両別概説

本形式はすべての車両においてどこかが異なる点を持っている。

6101A-6108A
1968年製造。1995年使用開始。都営時代は非冷房だったが譲渡時に分散型冷房装置を1両に4基搭載し、冷房化改造され、熊本電鉄初の冷房電車として登場した。都営時代の塗装のままで就役したが、現在では車体帯が藍色から赤色に変更されている(なお、偶然ではあるが都営でのデビュー当時も赤だった)。
6111A-6118A
1968年製造。1996年使用開始。都営時代は非冷房だったが譲渡時に6101A編成と同様の冷房化改造を実施された。この編成は現在も車体塗装の変更がされておらず、都営時代の塗装のままである。
6211A-6218A
1972年製造。1999年使用開始。都営での6000形の置き換えが遅れたため3年ぶりの導入となった。都営時代に集約分散型冷房装置を1両に2基搭載して冷房化改造が実施されている。車体帯の変更はないが、視認性向上のために前面窓周りを黄色に塗装している。
6221A-6228A → 6221ef-6228A
1972年製造。2000年使用開始。都営時代に冷房化改造済み。車体帯変更なし。6211A編成に比べ、前面窓周りの黄色の幅が広い。また、側面中央部に「ワンマン」の表記板がない。
2014年に台車を川崎重工業が開発したCFRP製台車「efWING」に交換するとともに熊本県のゆるキャラ「くまモン」のラッピングを施し、同年3月14日より「くまモン電車」として営業運転を開始した[1]。それに併せ、「efWING」搭載車両の車番末尾アルファベットを、Aからefに変更。
6231A-6238A
1972年製造。2001年使用開始。都営時代から冷房化改造済み。2005年頃から前面帯が貫通扉にも配される。
6221A-6228Aと同じ色太い黄色が特徴だが、青帯が黄色帯同様に貫通扉まで配されている。また、車体改造の際に車体側面の下部がコルゲートのないステンレス一枚板になった。

ギャラリー

脚注

  1. 「くまモン電車」の運行を開始しました - 熊本電気鉄道、2014年3月14日

関連項目

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