慶應義塾女子高等学校

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テンプレート:Pathnav テンプレート:日本の高等学校 慶應義塾女子高等学校(けいおうぎじゅくじょしこうとうがっこう、英語名: Keio Girls Senior High School)は、東京都港区三田に所在し、中高一貫教育を提供する私立高等学校慶應義塾中等部を卒業した者と国立もしくは公立の中学校を卒業し、私立高等学校を併設しない私立中学校を卒業した者との間では、高等学校第1学年から混合してクラスを編成する中高一貫校[1]。通称慶應女子、慶女。また塾内では女子高と呼ぶ。

概要

慶應義塾の一貫教育校の内、唯一の女子校。入学者の約半数が外部受験者で、残りが慶應義塾中等部からの内部進学者(そのうち半数は慶應義塾幼稚舎出身)である[2]高校受験においては一般約90名、自己推薦約10名の募集となっており、数ある慶應附属校の中でも最も偏差値が高く、また全国の高校の中でもトップレベルの高偏差値であり、入学難易度が非常に高い高校である[3]。戦後、女子を受け入れ始めた慶應義塾であるが、本校は中学校以降の女子の進学先がないという消極的理由により、設立された。慶應義塾大学へは無試験で大学に進学できる「エスカレーター式」を採用している。

「男は踏み台、使い捨て」などの、教師の名言も数多く存在するという[4]

校舎

江戸時代には陸奥会津藩松平家の下屋敷であった。本館2階に繋がるテラスへの階段脇に見える門は、旧田安徳川邸の庭園に使用されていた門である。十三重の石塔を含む庭園も備える。

校訓

  • 「自由」(女性を一段低くみる社会の偏見から自由になる、の意)「開発」(能力を)「創造」の3つである。

校風

慶應義塾大学に無試験で進学できることもあり、校風は私立女子校としては比較的自由だという[5]。寄り道もアルバイトも問題なしとされる。

服装

指定品は少ない[5]。冬服は、グレーのダブルジャケットベストひだのないタイトスカートの、スリーピース[5]。夏服は、冬服と同じベストとスカートのみ[5]。その他の服装は以下の通り、かなり自由となっている[5]

セーターは紺色のものを自前で用意する。ブラウスは白色が指定されているのみ[5]で、形などに制限はなく、自前で用意する。靴下は色指定もなく自由。鞄も自由である。靴やコートも一定の規則の範囲内で自分で用意することになる。カーディガンは禁止[4]。スカート丈、髪の毛に関する規則も一切ないが、装飾品(アクセサリー、化粧、マニキュア等)は禁止。これは設立以来校則が変わっていないため、当時あったものは禁止されているが、比較的新しいもの(パーマ、染髪等)に関しては指示がないということである。教員が服装、髪型について意見することは殆どなく、基本的に生徒会が規制している。年に何回か抜き打ちで、生徒会による登校時の服装チェック(異装検査:いそけん)があり、アクセサリーの没収やマニキュアの除去、化粧の指摘などを行う[4]。外部連絡できないように携帯電話を一時取り上げ、生徒個別にチェックするという徹底ぶりである[4]

周辺環境

慶應義塾大学の三田キャンパスに近く、中等部に隣接している。校舎は徳川邸の跡地に建てられたため、校内に日本庭園が残り、都心ながら落ち着いた環境にある。また、都市部のため校庭と呼ばれるものがなく(隣の中等部には中庭・綱町運動場があるのだが)、体育は地下の体育館と屋上のテニスコートを使用する。校舎前の通りは桜田通りで交通量が多いが、校舎と道路の間に日産プリンス東京のビルが建っており、これが防音壁の役割を果たしかなり静かな環境を実現している。教室からは東京タワーが一望できる。

交通

教育

教育は教科書中心にオーソドックスな授業が行われているが、選択科目が多くの中から選べるようになっている[5]。外国語には、フランス語ドイツ語中国語なども選択可能であるという[5]。生徒たちは自分の希望する学部に合わせて履修をしていくことになる。近年では海外と中継して会議をするなど新しい試みも行われてきている。教員は原則として大学院修了以上しか採用していない。

卒業すればほぼ全員が慶應義塾大学に進学できるため、多くの生徒が内部推薦を得て進学する[4]が、医学部法学部経済学部には定員が設けられている。但し医学部志望者は男子と比べ、定員枠が5人と少ないため他大学に進学する人が多い[6]。推薦入試と言えども医学部は極めて困難である[7]。 礼法の授業やテーブルマナー実習などもなく、「女性らしさ」を出す方針ではなく、そのような教育も行われていない。むしろ、自立した経済力のある女性を育てることを推進する教育を行っている。

伝統的な課題として、「長恨歌の全文暗唱」「80枚創作(完全独自創作)」「国語科レポート(論文)」が長年に渡って続けられている[4]

学校行事

学校行事が非常に盛んである。演劇会では宝塚並みの舞台を披露し、木工作業もなんのその、並々ならぬ努力をもって準備を行う。文化祭である十月祭(かんなさい)でも、大きな予算を組んで本格的な運営が行われる。修学旅行が毎年あるのも特徴。運動会では女子高でありながら「棒倒し」や「騎馬戦」が行われ、白熱した戦いが繰り広げられるが、準備は1週間程度しか行わない。

なお、行事期間中に異装検査に引っかかると、行事での減点となるという[4]

部活動

一部のクラブでは慶應義塾高等学校慶應義塾志木高等学校と提携し共同で活動を行っている。大学と活動をともにするクラブもある。

主な出身者

文化人

アナウンサー/キャスター

俳優(宝塚出身除く)

俳優(宝塚出身)

音楽家/歌手

モデル/タレント

経営/ビジネス

関連項目

外部リンク

脚注

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  1. 慶應義塾女子高校の学校情報(高校受験パスナビ)旺文社)の「ワンポイント情報」による。
  2. 慶應義塾中等部(中学受験スタディ)の「基本情報」によれば2008年3月に慶應義塾中等部を卒業した者のうち83人が慶應義塾女子高等学校に入学した。
  3. 2008全国主要180校駿台最新偏差値(サンデー毎日2007.10.28号)において1位が灘高校で2位が当校となっている
  4. 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 テンプレート:Cite web
  5. 5.0 5.1 5.2 5.3 5.4 5.5 5.6 5.7 テンプレート:Cite book
  6. 慶應義塾女子高等学校 進学状況
  7. 受験タイムズ 慶應義塾女子高校から医学部進学は不可能と思え

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