女体盛り
女体盛り(にょたいもり)とは、女性の裸体(水着を着ている場合も)に刺身など食べ物を盛り付けることをいう。日本以外では女体をケーキに見立てて果物や洋菓子を盛りつけたり、チョコレートや生クリームなどを塗ることもある。「スファンクス」などのフランスの娼館でも、女性の身体にキャビアを盛り、客に口で直接舐めとらせていたことで知られている[1]。
目次
概要
性的道楽のひとつで、現在でも温泉旅館やショーパブなどで行われることがある。江戸時代に遊女の指南書として書かれた「おさめかまいじょう」にも、女性器に刺身をつけて食べたがる客についての覚書が記されている。曰くテンプレート:Quotationこうした行為は店の歓迎するところではなく、発覚しだい世話役が呼ばれた。
性的幻想を刺激する行為であるため、同種の行為やそれを扱った文芸作品や映像作品等は多い。また性的興奮を目的としたポルノ作品にも同種の題材を扱ったものが存在する。またポルノ小説では、刺身を食べる時に醤油の代わりに女性の膣分泌液等をつけるという描写も見られる。
日本以外でも以前から女性の体にフルーツやクリームを塗って食べるなど、類似の行為は行われている。また、近年「nyotaimori」として主にアメリカの各地で行われるようになってきている。
女体盛りで問題となった事件
日本青年会議所女体盛り事件
1998年2月14日、日本青年会議所の幹部ら33人が、北海道旭川市駅前のホテル地下の居酒屋でハレンチな猥褻行為を目的とした会合を行なった。旭川JCメンバーと日本JC会議スタッフが「今日はバレンタインデーなので、旭川では女体盛りを用意しました」と、コンパニオンとして呼んだ16歳の少女を全裸にし刺身を盛り付けたパーティーを企画していた。その場にいた日本JC議長と副議長4人を含むメンバーらは、「一瞬「おおっ!」と驚きの声を上げ、次いで蜜にたかる蟻のように女体盛りに群がった」。「初め女の子はサングラスをかけていたが、乗ってくるとそれをはずし、脚も開いた。なかには刺身を股や乳首にくっつけてから食べる」JCメンバーもいた。事件は6月になって少女が補導され、パーティーの顛末を話したことで発覚した。10月に議長らは旭川中央警察署で事情聴取を受け、逮捕者を4人出した。少女を手配した1996年衆院選に北海道6区から出馬している不動産会社役員の東京JC会員(27)は売春防止法違反と北海道青少年保護育成条例違反で逮捕され、東京JCを除名処分となった。当時、松山建設代表取締役社長で(社)日本青年会議所副会頭だった松山政司参議院議員(当時39歳、翌1999年度日本JC会頭就任)もその場に参加していたとして問題になった。1998年11月3日と17日発売の写真週刊誌『FLASH』に「「女体盛り」逮捕犯」「あ!日本青年会議所(JC)議長のハシが乳首を!!刺身「女体盛り」ハレンチ写真」などの表紙見出しで、現場写真が2号連続で掲載された [2] [3]。
シアトルの料理店での女体盛り論争
2003年11月、韓国人がオーナーをつとめるシアトルの日本料理店で女体盛りが振舞われていることについて論争が起こった。アジア系の女性団体は、この料理店のサービスは女性の体を物体のように扱い虐待する差別的行為であると激しく非難した。これに対してオーナー側は、女体盛りは日本・アジアの文化・芸術であり女性に対する侮辱的行為ではないと弁解した。[4]
ローマの料理店での女体盛り論争
2012年7月4日、ローマの日本料理店で振る舞われる女体盛りが、「日本の伝統」としてイタリアの日刊紙コリエレ・デッラ・セーラに紹介され[5]、これに対して在イタリア日本大使館が抗議した。同紙の再取材を受けて、店長である香港の女性は、「日本の伝統じゃない? 女体盛りを出す日本食レストランは、ニューヨークやロンドンにたくさんありますよ」、「(あなたたちは日本人じゃないでしょうと聞かれて)ニューヨークへ行ってみなさい。あそこでは何もかも混ざってますよ」とコメントした。[6]
女体盛りを扱った作品
- スペイン人女性映画監督イザベル・コイシェが2009年に発表した映画「マップ・オブ・ザ・サウンズ・オブ・トウキョウ」では、日本企業が外国人を金髪女性の女体盛りで接待するシーンが登場する。このシーンについて同監督は、カンヌ国際映画祭の記者会見で「ロサンゼルスで見た」と説明した。
- 漫画「リーマンギャンブラーマウス」にて、主人公に力を与えるために、ヒロイン・インドまぐろ子による様々な種類の女体盛りが登場する。
- 映画「ライジング・サン」では、褌姿の日本人が、裸の女の人のお腹の上に寿司を乗せて食べる女体盛りのシーンがある。
- 映画「リトルトウキョー殺人課」では、日本人クラブ「盆栽クラブ」で女体盛りが供されている。
- 米国ドラマ「CSI:ニューヨーク」第4話「グランド・マスター」では、劇中女体盛りが登場する。
- 米国映画「セックス・アンド・ザ・シティ」ではあるキャラクターが自ら女体盛りで恋人をもてなそうとするシーンがある。
- 米国映画「SUSHI GIRL」は、女体盛りが供されたパーティー会場を舞台に物語が進行する。
脚注
関連項目
外部リンク
- 「女体盛」専門家になってしまった私 高井潔司 北海道大学教授、2004年5月15日、21世紀中国総研