大津びわこ競輪場

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テンプレート:基礎情報 競輪場 大津びわこ競輪場(おおつびわこけいりんじょう)は滋賀県大津市にある競輪場で、2011年3月11日に開催廃止となった。廃止時の施設所有および主催は大津市で実施は日本自転車競技会近畿支部。

概要

大津びわこ競輪場は1950年に滋賀県と大津市が共同で近江神宮外苑公園内に開設し、主催数を折半する形で運営が行われていた。1989年より大津市の単独開催となり、滋賀県は主催していないが場内の土地は保有していた。

毎年開催される高松宮記念杯(下記)のほか、現役時代は滋賀支部に所属し高松宮記念杯競輪(当時は高松宮杯競輪)3連覇を達成した中井光雄を称え中井光雄杯[1]が開催されていた。

イメージキャラクターは「ビッシー」で、ネッシーをもじった名の琵琶湖の恐竜である。それにちなんでビッシーカップ争奪戦が開催されていた。

CSでの中継放送の専属解説者は元選手の尾池孝介が務めていた。トータリゼータシステム日本トーターを採用している。

なお2009年1月より重勝式投票「チャリロト」の発売を行っていたが、最終開催日のチャリロトについては、全的中が出なかった場合は1レースのみ外れ(どのレースでもよい)でも的中扱いとし、それも出なかった場合はキャリーオーバー分も含めて大津市の収入となることが公表されていた[2]。しかし初日の確定後に二日目以降が開催中止となったためキャリーオーバーが宙に浮く形になったものの、その後、開催を行なった初日に遡って「1レースのみ外れ」の特例を適用する形で繰り上げ的中とすることが発表され、繰り上げ的中者のいなかった「チャリロト・セレクト」は大津市の収益となったが、それ以外は払戻が行なわれた[3]

高松宮記念杯競輪

1950年4月20日の初開催に『高松宮同妃賜杯競輪』として開催され、以降現在まで毎年5月または6月に、GI競走の『高松宮記念杯競輪』を恒久的に開催していた。当初は記念競輪であったが、後に特別競輪に昇格したため、びわこ競輪場では小倉競輪場共々開設記念競輪を行なっていなかった。なお滋賀県と大津市が共同で開催を行っていた頃は、隔年で当杯競輪を主催していた。

バンク

500mを使用している。かつては、4コーナーから直線にかけて走路の真ん中あたりがよく伸びるため、その部分が「びわこ道」と呼ばれていたが、後に改修工事によってクセの無い標準的な500mバンクとなった。

廃止の経緯

大津びわこ競輪場は、競輪事業収入の70%以上を占める高松宮記念杯を毎年開催しており、近年はその収益で赤字の開催分を補填する運営を行っているが、2004年から売上減少のため年間収支が連続して赤字となっており、その累積額が18億円までに増加していた。

2010年6月2日、主催者である大津市の目片信市長は定例会見で、「今年(2010年)の売り上げ額が(前年比10%減となる)110億円を下回った場合、9月の定例市議会で事業廃止について申し上げなければならない」と大津びわこ競輪場の存廃の協議に入ることを表明したが、2010年の高松宮記念杯の売り上げは、目標の133億円には遠く及ばない107億4605万1900円(チャリロトを含む金額)に留まり、目片市長は2011年以降の高松宮記念杯の開催返上も視野に入れることも明かした。

2010年9月17日、同日付京都新聞は、大津市が2011年3月をもって全ての競輪事業を終了し、大津びわこ競輪場を廃止する方針であることを報じた[4]。大津市も報道を認め、本場での最終開催は2011年3月11日から13日までのFII競走「びわこファイナルカップ」となり、場外発売も同月29日をもって終了し、大津びわこ競輪場は閉鎖されることになった。

しかし最終開催の初日に東北地方太平洋沖地震東日本大震災)が発生したため、その影響により2日目以降が中止となり[5]、以降の開催および場外発売も行われなかった[6]ため、事実上2011年3月11日をもって閉場となった。

跡地問題

大津びわこ競輪場設立時の経緯から、大津市は滋賀県に対し競輪場の土地賃借料を支払い続けていたが、競輪の開催廃止にあたり市が県に土地を明け渡す場合には敷地を更地にすることが必要であったため、競輪場施設の利用継続と賃借料の減免を県に求めたところ難色を示されたことから、市が県に交渉した結果、滋賀県立体育館など大津市の市有地上に県施設が建設されている土地数ヶ所を大津市が県に譲渡する代わりに、県が競輪場の土地を譲渡するという、事実上の等価交換を行なうことで県と市が合意し、競輪場は大津市が単独で所有することになった[7]

競輪場の施設については、当面の間は自転車競技場として現状が維持されるが、サッカー関係者からサッカー場としての活用が要望されている。なお競輪場の駐車場敷地については一部が既に所有者へ返還されており、山側の駐車場跡地は地元のスーパー平和堂が店舗を建設しオープンさせている[8][9]

アクセス

かつては無料送迎バスが大津京駅(約5分・京阪バス運行)とJR東海道本線大津駅(約10分)から運行されており、1990年代までは京都・四条大宮方面への無料送迎バスもあった。

1950年から1964年までは、競輪場の近隣を通る江若鉄道が臨時駅(競輪場前駅)を設置していた。

脚注

外部リンク

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