大戦艦

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大戦艦(だいせんかん)は、『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』及び『宇宙戦艦ヤマト2』登場する架空の宇宙戦艦

概要

彗星帝国ガトランティスの艦隊戦力の中核を成す主力艦。多数の同型艦が存在し、地球攻略を指揮するバルゼー総司令の率いる艦隊、配下のコズモダード・ナスカの前衛艦隊、11番惑星兵站基地守備の第25戦闘艦隊等、多方面に配備が確認されている。

艦体解説

全長は300メートルを超え、地球防衛軍アンドロメダ級戦艦以上の大型艦である。

艦型
甲殻類と魚類を掛け合わせたような縦に細長い艦体に、3連装衝撃砲を段々重ねした艦橋砲塔と化した高くそびえる艦橋、その背後にレーダーを連ねた塔状の構造物を配置しているのが外観上の特徴。艦体色は彗星帝国軍の標準色の黄緑色。
兵装
地球防衛軍の装備する主砲とは対照的な、無砲身の回転速射砲塔を標準兵装とする。前部に2基、後部に1基の大型砲塔を主砲として装備する他、艦体各所に対空用小型砲塔を多数据え付けている。
艦隊決戦兵器として、衝撃砲[1]を艦橋下部に伸縮式大型2連式と、艦橋に3連式を3基装備している。

衝撃砲

発射時は光線であるが、攻撃対象に命中すると螺旋状の衝撃波に変化して対象を包みこむ。地球防衛軍の巡洋艦駆逐艦を一撃で撃沈する威力を持つ。主力戦艦も撃沈、地球防衛軍連合艦隊のヒペリオン艦隊を壊滅させる戦果をあげる。(『宇宙戦艦ヤマト2』・21話)

発射命令を下したのは、バルセー総司令のみである[2]。発令後は、各艦に運用が一任され、コスモタイガーII隊による攻撃を受けた際には迎撃にも使用されている(『宇宙戦艦ヤマト2』・第21話)。

諸元

全長 310m[382m][3]
全幅 87.7m [108m][3]
全高
基準排水量 63000t [230000t][3]
主機 波動エンジン
乗員 [450名][3]
武装
  • 回転速射砲塔多数 
  • [主砲:10連旋回砲塔×3基][3]
  • [舷側7連装旋回砲塔×4基][3]
  • [艦首7連装光体砲翼×2基][3]
  • 衝撃砲
  • [大型2連艦橋砲×1基][3]
  • [3連艦橋砲×3基][3]
  • [ ]内は、書籍、ゲームソフト、プラモデル、コミカライズなどの設定。詳細は、脚注・出典を参照の事。空欄は不明な項目である。

劇中での登場

さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち

バルゼーの第6遊動機動部隊の主力艦として多数登場するが、アンドロメダ拡散波動砲に撃破される。

その後、バルゼーが地球に降伏を勧告しに、艦隊旗艦の超大型空母と大戦艦を数隻引き連れて、都市上空に飛来して以降は登場しない。

宇宙戦艦ヤマト2

コズモダード・ナスカ率いる強行偵察艦隊(前衛艦隊)の太陽系第11番惑星攻略戦で地球防衛軍と初めて交戦する。

ナスカは空間騎兵隊第11番惑星派遣隊の救援に向かうヤマトを阻止すべく、大戦艦5隻を差し向け撃滅を図るが、新型主砲の長距離砲撃を受けて5隻中3隻があっさりと撃沈。その後、第11番惑星付近に到達したヤマトに残存艦隊3隻で再戦を挑むが、1隻が主砲で轟沈し、残りの2隻も1隻が艦首魚雷が命中し爆発、その艦体にもう1隻が衝突し全滅。ヤマトの猛威に怖気づいたナスカは地上の攻略部隊を見捨てて撤退した(6話)。

バルゼー艦隊の主力艦として多数登場する。タイタン基地で指揮を執っていた土方竜に、少なくとも80隻以上が艦隊に加わっていると、副官が報告している。(18話)。

第11番惑星探査のために上空に待機していたヤマトに、第11番惑星兵站基地のミサイル攻撃と、多数の大戦艦・駆逐艦から成る第25戦闘艦隊で挟み撃ちにしようとするも、波動砲により兵站基地もろとも消滅した(19話)。

土星決戦ではバルゼー率いる第2艦隊が衝撃砲で、地球防衛軍ヒペリオン艦隊を全滅させる。その後、地球連合艦隊の救援に駆けつけたヤマトのコスモタイガー隊の奇襲に遭い、衝撃砲で迎撃するも何隻か撃破されている。その後、バルゼー艦隊旗艦メダルーザが氷塊が漂う土星の輪火炎直撃砲を発射したため、水蒸気による乱気流が発生し、僚艦同士が多数衝突。態勢を立て直した地球連合艦隊の砲撃の餌食になり、第1・第2艦隊は壊滅(21話)。

地球連邦政府に無条件降伏を勧告する際、ラーゼラーが旗艦として使い、多数の駆逐艦を率い、地球本星の最終防衛線である戦闘衛星群を撃破し、地球連邦の首都メガロポリスの上空に飛来している(22話)。 その後、ヤマトによる都市帝国に対する反攻作戦に対して、本級を含む白色彗星帝国の艦艇が迎撃する描写は描かれていない。

商品化

  • バンダイプラモデルシリーズ「宇宙戦艦ヤマト・メカコレクション」:No.14「白色彗星帝国軍 大戦艦」
    シリーズ中、パーツ数、細かさも屈指の物で、特に艦首部分のフィンが全て別パーツになっており、本体側にもダボがないため、取り付けが困難であるなど、組み立ての難易度は高いが、再現度も高い。また、飾り台に本体を接着する必要のある少数派のキットである。本製品は白色彗星帝国艦のみを集めたセット商品に含まれないため、セットに付属の宇宙背景の絵に固定するためのアームがついている 。

脚注・出典

  1. 類似する兵装として『宇宙戦艦ヤマトIII』の、ガルマン・ガミラス帝国の艦隊決戦兵器である高圧直撃砲が存在する。
  2. コズモダード・ナスカの艦隊(『宇宙戦艦ヤマト2』・6話)及び、第11番惑星兵站基地に配備された第25戦闘艦隊(『宇宙戦艦ヤマト2』・19話)は使用することなく、ヤマトにより全滅の憂き目を見ている。
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 バンダイのプラモデルシリーズ「宇宙戦艦ヤマト・メカコレクション」でのデータ。

参考文献

  • 「宇宙戦艦ヤマト画報」、竹書房、2001年。
  • EB22、26「宇宙戦艦ヤマトメカニック大図鑑1、2」
  • 「宇宙戦艦ヤマト発信!情報班資料室」、バンダイナムコゲームスNE事業本部(旧バンダイネットワークス)ウェブサイト。
  • 「さらば宇宙戦艦ヤマト精密図解集」、朝日ソノラマ、1978年9月。

関連項目

テンプレート:宇宙戦艦ヤマト