北九州高速鉄道

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テンプレート:混同 テンプレート:Infobox 北九州高速鉄道株式会社(きたきゅうしゅうこうそくてつどう)は、福岡県北九州市小倉北区小倉南区モノレール軌道法による軌道)を運営している会社である。本社は福岡県北九州市小倉南区企救丘2丁目13番1号。北九州モノレールまたは小倉モノレールと呼ばれている。

概要

北九州市の小倉北区と小倉南区とを結ぶ小倉線を運営している。当初、北九州市による直営も検討されていたが、1972年に公布された「都市モノレールの整備の促進に関する法律」(都市モノレール法)による「都市モノレール建設のための道路整備に対する補助制度」の適用を受けることになり、その事業運営主体として北九州市が52%、民間が48%を出資する、資本金22億円の第三セクター会社として設立された。民間48%のうち大口出資企業は西日本鉄道がおよそ20%、新日本製鐵九州電力が6%、住友金属が5%である。

当初の計画では、国鉄(現JR九州小倉駅北口地区の振興を狙って、小倉駅の北側に起点駅を設ける予定であった。しかし、山陽新幹線を乗り越えることが困難であるなど現実的でなかったため、小倉駅南側に駅を設けることとなった。ところが、開業当初は景観問題から地元商店街の猛反発に遭い[1][2]、小倉駅への乗り入れができず乗り換えに不便が伴った(小倉駅周辺のモノレールの地下化を求める声もあったがコスト・技術面から現実的ではなく実現していない)。

小倉駅での徒歩連絡という不便のためにモノレール利用客数は予想を大きく下回り、長期間にわたる赤字の原因となったが、1998年(平成10年)の小倉駅乗り入れを機に利用者数が増加、単年度では黒字を出すまでになった。それでも莫大な累積赤字が残り、経営体質の改善が急務となっていた。そこで、2005年(平成17年)に産業活力再生特別措置法に基づく再生計画の認可を受け、残っていた債務を株式に転換した上で北九州市が税金で全株取得したため、同社の株は北九州市が100%保有している。

小倉線の建設は西鉄北方線廃止と引き換えの事業でもあったため、開業時には西鉄北九州線の一部の乗務員が移籍している。

小倉駅乗り入れ10周年を迎えた2008年(平成20年)には、かつて車両で使用されていた吊革を再利用した小倉-企救丘間の「吊革きっぷ」を販売したが、3月29日の発売から数日で売り切れた。

歴史

  • 1976年(昭和51年)7月31日 設立。
  • 1976年(昭和51年)12月6日 軌道特許取得。
  • 1985年(昭和60年)1月9日 小倉線開業。
  • 1998年(平成10年)4月1日 小倉線が小倉駅乗り入れ。単年度決算が黒字に転じる。
  • 2005年(平成17年)7月28日 産業活力再生特別措置法に基づく事業再構築計画が認定。

路線

車両

旅客用
事業用車
  • 500形

運賃

大人普通旅客運賃(小児は半額・10円未満切り上げ)。2014年4月1日改定[3]

2007年5月1日から、全線の隣駅までの区間と小倉 - 旦過間で企画乗車券「100円モノレール」(大人100円・小児50円)を発売している。下表の隣駅までと小倉 - 旦過間の運賃は「100円モノレール」を利用した場合のもの。本来の運賃は170円(小倉 - 平和通間は150円)。

小倉
100 平和通
100 100 旦過
190 190 100 香春口三萩野
190 190 190 100 片野
240 190 190 190 100 城野
240 240 240 190 190 100 北方
240 240 240 240 190 190 100 競馬場前
270 270 240 240 240 190 190 100 守恒
270 270 270 240 240 240 190 190 100 徳力公団前
300 270 270 270 240 240 240 190 190 100 徳力嵐山口
300 300 300 270 270 240 240 240 190 190 100 志井
300 300 300 300 270 270 240 240 240 190 190 100 企救丘

ICカード乗車券への対応を巡る変遷

北九州モノレールはICカード式乗車券に対応していない数少ない福岡県内都市部の鉄道事業者である。過去に独自のICカード「monoca」を実証実験として導入していたことがあるが本格実施に至らず、2015年秋にJR九州が発行している「SUGOCA」を導入することを発表している[4]

独自規格カードの実証実験

SUGOCAなどサイバネ規格ICカード乗車券システムはFeliCaシステムをベースとしており、開発元のソニーが完全親会社格の北九州市と廃棄小型電子機器の回収・再資源化で協力しているとはいえ開発導入コストを高く設定し、システムに制約が多く柔軟性に欠けるなど、中小の商店や事業者にとって問題が多い。このため当初は、より安価で柔軟性の高いプラットフォームと新しいビジネスモデル構築を目指し、九州大学と共同でFeliCaとは異なるシステムによるICカード式乗車券の実証実験を2回にわたって行った。

カードの名称は「monoca」(モノカ)で、システムの運営は広島市に本店を置く和多利が担当。カードの規格はFeliCaの基であるタイプCではなく、住民基本台帳カードと同じタイプBを採用した[5][6]。乗車券機能としては定期券のみであり、他交通機関のICカードとの相互利用はできなかった。また実験には旦過市場小倉北区)の11店舗(期間中も随時参加店舗を募っていた)と第一交通産業なども参加し、電子マネーとして利用できたり、和多利の共通ポイントカードシステム「W-Point」のカードとしても使えた。

第2回では沿線住民200人をモニターとして募り、新たに沿線の北九州工業高等専門学校も実施主体に加えて行われた[7][8]

しかし第1回と第2回の実験期間の間に、西鉄グループが「nimoca」を、JR九州が「SUGOCA」を導入、その後3年をかけて全国の主要交通機関で使えるようになった。実験に参加した第一交通産業も2010年9月以降「SUGOCA」に本対応[9]。和多利はJリーグ初となるギラヴァンツ北九州ファンクラブ会員情報管理のアウトソーシングを請け負った[10]が、昇格2年目の2011年に「Jリーグワンタッチパスシステム」を導入したことに伴って会員証に楽天Edyを搭載したためFeliCaカードを導入した。旦過市場近くの魚町銀天街でもFeliCaベースのICカード「UOCA」を導入している[11]

SUGOCA導入へ

2010年の実証実験後はこれといった動きはなかったが、2013年7月になって、老朽化した券売機・自動改札機をICカード対応型にリプレースすることとなり[12]、小倉駅でJR九州と接続していることが決め手となり2015年秋に「SUGOCA」導入が決定した[13]。西鉄バスで導入されている「nimoca」および福岡市営地下鉄で導入されている「はやかけん」との相互利用については、サービス開始と同時に相互利用できるよう準備を進めている[12]

なお、北九州市営バスが導入している「ひまわりバスカード」は、導入時期がかなり早いこともあり「SUGOCA」をはじめとするFeliCaベースグループとも「monoca」とも異なる規格である。

モノレールまつり

毎年11月に車両基地広場で開催。普段乗車することのできない工作車への試乗をはじめ、さまざまなイベントが行なわれる。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

  • アニうた KITAKYUSHU - 北九州高速鉄道が特別協力しているアニメソングコンサート。開催当日にはラッピング広告された車両を走らせている。

外部リンク

テンプレート:Sister

テンプレート:旅名人九州満喫きっぷ
  1. サンポート高松 鉄道2駅の連携は(四国新聞1998年2月2日付)
  2. http://www2u.biglobe.ne.jp/~n_satoh/RJ_0101B.html
  3. 運賃改定のお知らせ - 北九州高速鉄道、2014年3月10日
  4. テンプレート:Cite press release
  5. 定期券を財布代わりに ICカード2月まで実験 北九州モノレールなど モニター募集(西日本新聞2008年01月16日付朝刊) (Internet Archive)
  6. テンプレート:PDFlink
  7. 導入費用Suicaの10分の1 九大が次世代ICカードシステム - MSN産経ニュース、2010年1月29日
  8. 「モノカ」地方で走れ/モノレール沿線実験/九大と北九州高専が開発 - 毎日新聞、2010年2月5日
  9. テンプレート:Cite press release
  10. Case.5 プロサッカーリーグ - 和多利
  11. FeliCaベースとなったギラヴァンツファンクラブ会員証も必要な手続きをした後「UOCA」として利用できる。
  12. 12.0 12.1 テンプレート:Cite news
  13. テンプレート:Cite news