九州号

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九州号(きゅうしゅうごう)は、福岡県福岡市長崎県長崎市を結ぶ高速バス路線である。九州急行バスが運行している。

概要

福岡市博多バスターミナル博多駅前)・西鉄天神バスセンターと、長崎市長崎駅前(長崎県営ターミナル)を結ぶ高速バス路線である。元々は1966年に一般道経由の特急バスとして運行開始し、1981年から長崎自動車道の開通に合わせて高速バスとして運行する路線である。運行に携わる九州急行バスは、福岡県佐賀県長崎県の路線バス事業者5社(西日本鉄道昭和自動車祐徳自動車西肥自動車長崎県交通局)の共同出資による、本路線を運行するためにのみ設立されたバス事業者であり、高速バスにおいて関係地の複数社による共同運行が一般化した現在では珍しい運行形態となっている。

JR九州の特急「かもめ」との競合が激しい。運転区間こそあまり差がないものの、JRは速達性で、九州号は福岡市都心部(天神)への直通や一部福岡空港立ち寄りなどの利便性、運賃面、着席保障などで優位に立ち、お互いがしのぎを削っている。

西鉄電車とタイアップした企画乗車券(「太宰府万葉の旅きっぷ」)も発売しており、当路線を活用することで、長崎地区とJRでのアクセスが不便な太宰府柳川を効率的に巡ることもできる。(追加料金を払うことで各種太宰府・柳川観光向けの企画乗車券に引き換え可能)

運行会社

テンプレート:Double image aside

  • 九州急行バス(担当:福岡営業所、長崎営業所)
  • 多客期には以下の会社も、続行便を運行している。
  • かつて(2000年頃まで)設定されていた嬉野温泉折り返し便は祐徳自動車が運行していた。末期(1999年3月29日改正ダイヤ)は1日2往復の運行であった。また、一時期西鉄観光バス(2008年3月31日以前は九州観光バス、担当:福岡東支社)も続行便を運行していた。

現行系統・運行経路

2013年12月16日現在、2種別6系統があり、総運行本数は平日56往復、土日・祝日58往復である。ただし一部の期間には休日であっても平日ダイヤで運行されることがある。福岡長崎両市内のみに停車する「スーパーノンストップ」と、途中の主要停留所に停車する系統がある(この系統はかつて「ノンストップ」と呼ばれていた)。スーパーノンストップは長崎市内の経路の違い、大村インターの停車の有無によって、その他の系統は福岡空港の停車の有無、嬉野温泉経由の有無で3系統に分かれる。なお、かつては各停留所に停車する各停便もあったが現在は運行されていない。なお福岡空港、嬉野バスセンター立ち寄り便のほとんどが後続のスーパーノンストップ便に追い抜かれる。

スーパーノンストップ(出島道路経由)
方向幕は白地に赤文字。平日 - 14往復、土日祝日 - 16往復運転。
スーパーノンストップ(昭和町経由)
方向幕は赤地に白抜き文字。平日 - 長崎行き16本・福岡行き17本、土日祝日 - 長崎行き18本・福岡行き19本運転。
スーパーノンストップ(昭和町・大村インター経由)
嬉野インター経由
方向幕は黄地に黒文字。長崎行き9本・福岡行き8本(平日・土日祝日とも)運転。
福岡空港経由
方向幕は紫地に白抜き文字。長崎行き16本・福岡行き15本(平日・土日祝日とも)運転。
福岡空港・嬉野バスセンター経由
方向幕は緑地に黒文字。4往復(平日・土日祝日とも)運転。

全区間の所要時間は、スーパーノンストップが2時間30分程度、その他の系統が2時間50分台。福岡発よりも長崎発の所要時間のほうが若干短い。

停車停留所

停車停留所 スーパーノンストップ 嬉野IC
経由
福岡空港
経由
嬉野BC
経由
出島道路
経由
昭和町
経由
博多バスターミナル
西鉄天神バスセンター
福岡空港国際線ターミナル
筑紫野(二日市温泉入口)
高速基山
嬉野インター
嬉野バスセンター
大村インター
高速大村木場
諫早インター
昭和町
松山町
大波止
長崎駅前(長崎県営ターミナル)
  • 博多バスターミナル - 高速基山、嬉野インター - 嬉野バスセンター間、昭和町・大波止 - 長崎駅前間のみの相互利用は不可。また、大村インター - 長崎市内間のみの利用も不可(諫早インターからは両方向利用可)。
  • 福岡行きは博多バスターミナル降車場が終点。2013年1月までは博多駅前Fのりば西日本シティ銀行本店前)が終点だった。
  • スーパーノンストップ(出島道路経由)の長崎行きは長崎駅前高架下広場が終点。
  • 2013年12月16日より、スーパーノンストップ(昭和町経由)の一部が大村インターに停車。

運行経路

スーパーノンストップ(出島道路経由)
博多バスターミナル - 西鉄天神バスセンター - 天神北ランプ - 福岡都市高速1号線2号線 - 太宰府IC - 九州自動車道 - 鳥栖JCT - 長崎自動車道 - 長崎IC - ながさき出島道路 - 長崎駅前
上記以外の系統
博多バスターミナル - (この間出島道路経由と同じ) - 長崎自動車道 - 長崎多良見IC - 長崎バイパス - 川平IC - 国道206号 - 長崎駅前
  • 福岡空港経由は福岡都市高速2号線榎田ランプ半道橋ランプの間で一般道を経由する。
  • 嬉野バスセンター経由便は長崎自動車道嬉野ICを一旦出て嬉野市内を走行して嬉野バスセンターに停車する。
  • スーパーノンストップ便(昭和町経由・出島道路経由便)を除き長崎自動車道多久西PAで休憩する(続行便を出す場合、スーパーノンストップ便でも多久西PAで休憩する場合がある)。
  • 精霊流しなどで長崎市内で交通規制が行われる場合、出島道路経由便が長崎バイパス経由で迂回運行することがある。この場合、長崎昭和町と松山町は通過する。

座席

スーパーノンストップ便は座席指定制(2013年4月1日より)[1]で、その他の便は予約定員制(座席は指定されない)。乗車日の1か月前から電話またはインターネットによる予約が可能。

博多バスターミナル、西鉄天神バスセンター、福岡空港、長崎駅前から乗車する際は発車10分前に発車時間・便の指定された乗車券を購入するか、確定券を受け取る必要がある。これら以外の場所から乗車する場合もしくは予約センター営業時間外(19時以降または8時前)に長崎駅前から乗車する場合は乗車の際、予約時の電話番号(下4ケタ)を運転士に告げる。

使用車両

※正規便

車種

車両設備

  • ハイデッカー
  • 2+1列リクライニングシート
    • 補助席も装備しており(補助席含め横4列)、満席状態での予約なし飛び込み利用にも若干対応可能。
  • 2012年から4列シート車両も導入されている。
  • 化粧室(トイレ)
    • 2012年5月から登場のいすゞ・ガーラ、2013年4月から登場の日野セレガは後方パウダールーム付き。

歴史

ファイル:Kyushuexpressbus 5302.JPG
かつて使用されていた西工S型車両
ファイル:Nishitetsu Kanko Bus - 8102.JPG
西鉄観光バスが担当していた九州号続行便
  • 1966年昭和41年)9月20日 - 福岡~長崎間の特急バス「九州号」運行開始。当時は国道3号線34号線経由で、所要時間は約4時間30分。
  • 1972年(昭和47年) - 鳥栖筑紫野有料道路開業で、一部区間を国道から路線を乗せ換えて時間短縮を図る。
    • 以後、高速道路開業の度に路線を国道から高速道路に乗せ変える。
  • 1999年(平成11年)3月29日 - 福岡都市高速九州自動車道が直結したことに伴うダイヤ改正。スーパーノンストップ便の運行を開始し、佐賀駅バスセンター経由便は廃止。これにより系統と停車地を以下のように整理。中(大野城市)には停車しなくなる。
  • 2000年(平成12年)12月21日 - 増便によるダイヤ改正が行われ、スーパー便が1時間1本に増便、新たに福岡空港経由便が運行開始。
  • 2001年(平成13年)6月1日 - 福岡~長崎間4枚綴り回数券を9,900円→8,000円に値下げ、スーパー便が1時間2本に増便。各停便しか停車していなかった諫早インターに嬉野インター経由便と福岡空港経由便が新たに停車するようになった。
  • 2002年(平成14年)
    • 2月1日 - 福岡~長崎間の片道運賃を2,900円→2,500円に、往復運賃を5,100円→4,500円にそれぞれ値下げ。
    • 3月1日 - 各停便廃止。高速筑紫野~嬉野インター間の停車地に停車しなくなる。嬉野温泉経由のノンストップ便を新設。
  • 2004年(平成16年)
    • 3月28日 - 長崎自動車道延伸、ながさき出島道路の開通により、新系統「出島道路経由」運行開始。それにより、長崎市内の停車地に大波止が加わる。また東そのぎインター、高速松原、大村木場の停車地には停車しなくなる。
    • 9月1日 - ノンストップ便および嬉野インター経由便が出島道路経由だったが、スーパーノンストップ便に変更となった。ただし便数は改正前と同じである。
  • 2005年(平成17年)9月1日 - ダイヤ改正で長崎市内の停車地に松山町が加わり、昭和町経由便の全便が停車する。あわせてノンストップ便は全便嬉野インター経由となった。また、スーパーノンストップ便も改正され、全体の便数は同じながらも昭和町経由が若干増やされた。
  • 2006年(平成18年)6月1日 - テレビ(地上波・BS放送)・ビデオ・ラジオ・CDのサービスを廃止。
  • 2007年(平成19年)7月1日 - ノンストップ便が再び高速基山に停車するようになる。
  • 2008年(平成20年)
    • 8月1日 - 嬉野温泉停留所をそれまでの祐徳バス嬉野案内所前からJR九州西肥バス嬉野バスセンターに変更。
    • 9月1日 - 福岡空港発着便(長崎バイパス経由・嬉野インター)が長崎発のみ2本新設される。嬉野温泉経由が1往復増便し福岡空港にも停車するようになり、平日、土日祝とも1日4往復運行となる[1]。スーパーノンストップ便と福岡空港経由便も改正され、全体の便数が1往復削減されたものの、出島道路経由便が若干増やされた。
  • 2009年(平成21年)9月1日 - 福岡空港発着便を廃止。7月18日より夏休み期間限定で運行していた女性専用便(スーパーノンストップ昭和町経由)を毎週金・土・日・祝日に設定。
  • 2010年(平成22年)3月28日 - 女性専用便の運行を終了。
  • 2011年(平成23年)10月1日 - 2012年9月30日までの期間限定で、学割・シルバー割引に当たる「九州号Goきっぷ」を発売開始(発売当初は3月31日までだったが2度期間延長された)。
  • 2012年(平成24年)5月18日 - 九州の高速バス車両では初となるパウダールームを搭載した車両を運行開始。本便のみ4列シート車となる
  • 2013年(平成25年)4月1日 - スーパーノンストップ便のみ、これまでの時間指定制から座席指定制に変更。また長崎発便の降車所を従来の博多バスターミナル1階から博多バスターミナル2階に変更。
  • 2013年(平成25年)12月16日 - ダイヤ改正。スーパーノンストップ系統に大村インター経由が新設される。また、嬉野バスセンター・福岡空港国際線ターミナル系統新設・福岡・長崎発便最終便の運行時刻15分繰り下げを実施する。
  • 2014年(平成26年)7月1日 - 各停便が高速大村木場に停車[2]

脚注

  1. テンプレート:Cite web
  2. テンプレート:PDFlink - 西鉄くらしネット、2014年5月30日

外部リンク

テンプレート:Multimedia