三菱・ディアマンテ

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ディアマンテDiamante )は、三菱自動車工業が日本国外で製造・販売している上級乗用車である。2005年まで日本でも製造・販売されていた。

歴代モデル

初代(1990年-1997年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表

歴史

[1990年]]8月
  • 車種追加。「30V 4WD」発売。
[1990年]]9月
  • 車種追加。「30R-S」発売。
[1990年]]11月
  • 特装車「速度感応式スポイラー付」発売。
[1991年]]6月
1991年10月
  • マイナーチェンジ(安全対策他)。
  • 「25V-SE 4WD」追加。「30V」廃止。「30R-SE」、「30R-S」にSRSエアバッグ採用。全車ハイマウントストップランプ標準化。
1992年1月
  • 特別限定車「25V LIMITED」発売。
1992年3月
  • 特別限定車「25E-SE」発売。
1992年10月
  • マイナーチェンジ。
  • フロントバンパーのデザイン、フォグランプ(プロジェクタータイプ)、リヤコンビランプのデザイン変更。エアコンの代替フロン化、2.0LエンジンをSOHC24バルブ、145馬力6A12型に置き換え、ATファジィ制御化などが主な変更点。「25V-S」、「25E 4WD」を追加。
1993年1月
  • 特別仕様車「25V-S LIMITED」発売。
1993年3月
  • マグナワゴンの後継としてディアマンテワゴンを追加。本車種も豪州アデレードのオーストラリア三菱で生産される輸入車となった。本来の型式はF07Wであるが、車検証上の型式はK45とされた。
  • フロントセクションは日本向けにディアマンテと同じスタイルに変更された。リヤサスペンションはカーゴスペースへの張り出しと荷重を考慮し、5リンク式を採用した。エンジンはディアマンテと異なり、マグナワゴンの上級仕様であるベラーダと同じV6・3.0LのSOHC(エンジン型式は6G72。車検証上の型式はY7)を搭載していた。しかし、340万円以上という価格設定ゆえ、国内での販売台数は芳しくなかった。
1993年5月
  • 特別限定車「25E LIMITED」発売。
1993年11月
  • マイナーチェンジ。
  • フロントのボディカラー同色グリル、マルチリフレクターのヘッドランプを変更。廉価グレードのEシリーズをベースに「エスパーダ」シリーズを発売。コストダウンのための設計変更という意味合いが大きく、パトカー用を除きMT車の設定が廃止された他、装備品や内装を中心とした見直しが行われる。
1995年
  • ワゴンをマイナーチェンジ。マルチパラボラ型ヘッドランプや新デザインのリヤガーニッシュなどを採用して商品力をアップさせるとともに、約340万円という価格設定を見直し、本革シートやAVシステム、サンルーフなどを省いて価格を約90万円引き下げた「30V」を追加した。なお、従来のベースグレードは「30R-SE」とグレード名を変え、運転席SRSエアバッグABSが追加された。

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基本グレード

  • ディアマンテ
グレード 製造年 エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 駆動方式 燃費 価格
20E 1990年05月-1992年09月 6G71 V型6気筒SOHC12バルブ 1,998cc 125ps/5,500rpm 17.5kg・m/3,500rpm 5MT FF 10.4km/l 1,998,000円
4AT 9.3km/l 2,095,000円
1992年10月-1994年12月 6A12 V型6気筒SOHC24バルブ 1,998cc 145ps/6,000rpm 18.5kg・m/4,500rpm 5MT 12.0km/l 2,182,000円
4AT 10.4km/l 2,279,000円
25E 1990年05月-1994年12月 6G73 V型6気筒DOHC24バルブ 2,497cc 175ps/6,000rpm 22.6kg・m/4,500rpm 5MT FF 9.8km/l 2,355,000円
4AT 9.7km/l 2,452,000円
25V 9.7km/l 2,758,000円
4WD 8.8km/l 2,981,000円
25V-SE FF 9.2km/l 3,050,000円
30R 6G72 V型6気筒DOHC24バルブ 2,972cc 210ps/6,000rpm 27.5kg・m/3,000rpm 4AT FF 8.8km/l 3,206,000円
4WD 8.4km/l 3,611,000円
30R-SE FF 8.8km/l 3,914,000円
4WD 8.4km/l 4,319,000円
  • ディアマンテワゴン
グレード 製造年 エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 駆動方式 燃費 価格
ベースグレード 1993年03月-1994年10月 6G72 V型6気筒SOHC12バルブ 2,972cc 165ps/5,400rpm 25.6kg・m/3,200rpm 4AT FF ??km/l 3,450,000円
30V 1994年11月-1997年10月 2,490,000円
30R-SE 3,380,000円

2代目(1995年-2005年)

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  • 1995年1月にモデルチェンジ。イメージ的には初代のキープコンセプトだがフロントノーズが逆スラントからやや垂直になりテールランプもL型になった。初代同様に駆動方式もFF/4WDを設定。衝突安全ボディー「RISE」を採用し安全性を高めた。
  • MIVEC機構を搭載した270psの6G72エンジンを積んだ30M/30M-SE、DOHC24バルブ230ps・6G72型を搭載する30R/30R-SE。2.5LにはDOHC24バルブ200ps・6G73型の25V/25V-SE。省燃費MVV仕様SOHC24バルブ175ps・6G73型レギュラーガソリン仕様の25S/25Eのあわせて2種類4タイプのエンジンがラインナップされていた。初代にあった2.0L・6A12型エンジン仕様は廃止。
  • ハイテク装備と安全装備はより洗練されGPSカーナビゲーションは音声ガイドが付き、連動レーザーレーダークルーズコントロール、ハイコントラストメーター、マニュアルモード付き5速ATなどが導入され、バブル崩壊後に登場した車種の中では充実度が高かった。
  • ワゴンについては1997年10月(オーストラリアは4月)にモデルチェンジされた。当初はベースモデルともいえる「ES」とナルディ製ステアリング&シフトノブ、本革シート、ハイコントラストメーターなどを追加した「LS」の2グレード体制であった。エンジンは初代のワゴンと同じV6・3000のSOHCエンジンでリヤサスも5リンク式であった。但し、オートマチックは4速からシーケンシャルモードつきの5速に変更されている。
  • なお、この初期型の5速ATには不具合が多く報告されており、注意が必要である。
  • 後年にLクラスのステーションワゴンの中心がFRか4WD車になったことで、FFのLクラスワゴンは売れにくく、輸入車であることの不安感やエンジンが3Lのみの設定で売り上げは芳しくなく、同時にステーションワゴンの販売需要が下がったこともあり1999年10月にグレードをESのみに整理した後、2001年3月に輸入を終了した。
  • このモデルのプラットフォームは現代自動車と傘下の起亜自動車で幅広く利用され、グレンジャー(XG型(ヒュンダイXG))、ソナタ(EF型)、サンタフェ(SM型)トラジェオプティマのベースとなった。
  • 強化サスペンション/スタビライザーを装備した特別仕様車、Deporte/30M Deporteは希少となっている。

歴史

1995年1月
  • 販売開始。
1997年8月
  • マイナーチェンジ。
  • 3.0LのGDIのみとなる。外装の変更点は下部ダクト付フロントバンパー、インナーメッシュのボディ同色アウターグリル、分割式テールランプ。中期型と呼ばれる。
  • この時シグマパトカーの後継としてパトカー仕様が設定される。台数は少なく埼玉県警静岡県警長崎県警などでしか配備されておらず製造期間も2年弱と短く、リコール隠しもあったために通常よりも早く姿を消した。耐久性を考慮してこのモデルにはGDIエンジンは搭載されていない。
1999年9月
  • マイナーチェンジ。
  • GDIを積んで2.5Lが復活。テールランプがS150型マジェスタ風の縦型に変更された。
2001年
  • 日本国外仕様のみマイナーチェンジ。フロントグリルの形状が変更された。
2002年10月
  • 自動車排出ガス規制強化の煽りをうけ3L/2.5Lエンジンから旧型の2.5L SOHC・6A13型エンジンにFF駆動、4ATのみとなり廉価版のEspadaと上級志向の25V-SEの2グレードへ整理。ナルディ製ウッドコンビステアリング&シフトノブが標準装備され、外装面ではヘッドライトインナーとグリルがクロームメッキ化される等リフレッシュされるものの、売りであったハイテク装備の殆どは消滅というコストダウンが見受けられる。後期型と呼ばれる。
2003年
  • 日本国外仕様のみマイナーチェンジ。
  • ブーレイ顔が採用された。
2004年11月
  • マイナーチェンジ。
  • エアコンパネルがランサー等と共通のダイヤル式へ変更され、また不祥事等によりナルディ製のステアリングを使えなくなったため、三菱純正品へ変更。グレード名を25Vと25V-SEの2つへと整理。
2005年12月13日
  • 国内での生産と販売を終了。

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基本グレード

  • ディアマンテ
グレード 製造年 エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 駆動方式 燃費 価格
25E 1995年01月- 6G73 V型6気筒SOHC24バルブ 2,497cc 175ps/5,500rpm 23.0kg・m/4,500rpm 4AT FF 11.2km/l 2,294,000円
25VtypeS 1995年01月-1996年01月 V型6気筒DOHC24バルブ 200ps/6,000rpm 24.5kg・m/5,000rpm 5AT 9.8km/l 2,526,000円
25V 1995年01月- 2,646,000円
25S 1995年01月- 6G73 V型6気筒SOHC24バルブ 2,497cc 175ps/5,500rpm 23.0kg・m/4,500rpm 4AT FF 11.2km/l 2,546,000円
1995年01月- 4WD 10.0km/l 2,846,000円
25V-SE 1995年01月- 6G73 V型6気筒DOHC24バルブ 2,497cc 200ps/6,000rpm 24.5kg・m/5,000rpm 5AT FF 9.8km/l 2,998,000円
1995年01月- 4WD 8.9km/l 3,248,000円
30M 1995年01月- 6G72(MIVEC) V型6気筒DOHC24バルブ 2,972cc 270ps/7,000rpm 30.7kg・m/4,500rpm 5AT FF 9.2km/l 3,178,000円
30R 1995年01月- 6G72 V型6気筒DOHC24バルブ 2,972cc 230ps/6,000rpm 29.2kg・m/5,000rpm 5AT FF 9.4km/l 3,298,000円
4WD 8.5km/l 3,578,000円
30M-SE 1995年01月- 6G72(MIVEC) V型6気筒DOHC24バルブ 2,972cc 270ps/7,000rpm 30.7kg・m/4,500rpm 5AT FF 9.2km/l 3,862,000円
30R-SE 1995年01月- 6G72 V型6気筒DOHC24バルブ 2,972cc 230ps/6,000rpm 29.2kg・m/5,000rpm 5AT FF 9.4km/l 3,868,000円
4WD 8.5km/l 4,408,000円
  • ディアマンテワゴン
グレード 製造年 エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 駆動方式 燃費 価格
ES 1997年10月-2001年10月 6G72 V型6気筒SOHC24バルブ 2,972cc 200ps/5,500rpm 28.0kg・m/4,500rpm 5AT FF 8.6km/l 2,625,000円
LS 1997年10月-2000年11月 3,248,000円

車名の由来

ダイヤモンドを意味するスペイン語三菱グループの社章・スリーダイヤに由来する。

関連項目

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