ワールドメイト

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テンプレート:保護 テンプレート:半保護 テンプレート:告知 テンプレート:Infobox 組織 ワールドメイトは、深見東州がリーダーテンプレート:Sfnをつとめる神道系の宗教法人。1984年にコスモコアという名称で創設された後、コスモメイトパワフルコスモメイトを経て1994年ワールドメイトという名称になった。2012年に宗教法人として認証された。本部は静岡県伊豆の国市に置く。

概要

「宗教団体としての、弱者救済の立場に立った、慈悲慈愛の実行」「人道的見地に立った、会員や社会への対応」「社会良識に基づく誠実な対応」を3大スローガンとし、組織運営の根幹に置くとしている[1]

「来るもの拒まず、去るもの追わず」の民主的なあり方を心がけ、会員に布教義務は無く、神事や講演会への出席の義務はない[2]。小集団での長時間の指導を中心に行う閉鎖的な教団とは一線を画し、会員が必要な範囲で、団体が提供する情報を摂取してもらえばいいという大学の任意サークル[2]のような自由なスタンスをとる[3]。情報源は、メールマガジン、郵送物、電話、ウェブサイト、書籍、カセットやCD、ビデオやDVD等から自由に選択できる[4]。組織への強い忠誠心を求めるというよりは[3]、会員一人ひとりの進歩向上、つまり、会員一人ひとりが、常に明るく安定した心理状態を保つ人間性を獲得する等テンプレート:Sfn の善導を目指す。常に、会員本人の意志を尊重しており、他宗教、他宗派の信者・信徒でも入会でき、強要や退会の妨害などは一切ない[2]。また、脱俗的・出家的なあり方を否定し、社会生活の中で人格を磨く必要性を説いており、仕事(生業)や家庭生活との調和を重んじるとする[2]。既存の神道さらには宗教の枠を越えた宗教団体たらんという志向性がうかがわれる[5]

沿革

リーダーの深見は母が信仰していた世界救世教に幼少時から親しみ、のちに大本へ転向する。同志社大学を卒業後、大和ハウス工業の営業マンだった1977年に、大本と提携している銀座の道院紅卍字会で根本宏に師事をする。その後、道院で真光に接していたこともある植松愛子と出会うテンプレート:Sfn

1977年より本格的に、神道中国哲学の勉強・実践を始める[5][6][7]1984年宗教団体コスモコアを設立し神道をベースとした講演会活動を開始テンプレート:Sfn1985年、深見が『神界からの神通力』を出版にともない、会員数が増加し活動が活発化したテンプレート:Sfn1987年、コスモメイトに改称テンプレート:Sfn1988年皇大神御社(すめらおおかみおんやしろ、旧称 皇大神社 すめらおおかみやしろ)を建立して総本部に定める[5]1994年4月パワフルコスモメイトに改称テンプレート:Sfn。1994年12月ワールドメイトに改称テンプレート:Sfn。団体名の改称は、団体自身の器が大きくなるにつれ、さらなる救済力や普遍性を発揮する組織に生まれ変わるという意味がある[5]

日本に183か所の支部、アメリカ合衆国やイギリスなど海外に10か所の支部がある。また全国の本部や支部名はギャグ混じりの名称となっている。会員数についてはウェブサイトにおいて2011年7月時点で約72,000人と発表している[8][注 1]。2012年9月、文部科学大臣所轄の宗教法人となった[9]

教義

「実在の神を掌握し、神を行じ、神人合一の道を極める」ことをワールドメイトの特色と定義している[2] 。会員は、絶対神に向かって謙虚に己を見つめ、働きが自在なる顕現神とともに、無限の神徳を社会や人々に取り次げる神人合一の人を目指し[5]、社会生活の中で[2]、御魂磨きの日々を送ることを重要視している[5]。社会生活で生き抜いていくバイタリティー、エネルギーを、神なる御魂の輝きと捉え、「いのち」の輝きこそが「神なるもの」としている[2][10]

ミロクの世の五箇条
神人合一の人には、5つの要素(ミロクの世の五箇条)が備わっているとしている[5]
  1. 信仰心:神が持っている真(学問)・善(宗教・福祉)・美(芸術)を憧れ敬い、会得しようとする姿勢を宗教心とする。その宗教心を、一生涯をかけて、貫き通す精神こそが信仰心であり、貫き通す精神のない人は、宗教心はあっても、信仰心はないということになる。また、宗教的分野に限らず、学問や芸術を一生涯かけて、貫き通す精神も「信仰心」としている。
  2. 愛念:隣人愛のような、普遍的な愛の念、思慕の念を指す。「相手よし、我よし」の相互の幸福と発展を願う心でもある。
  3. 秩序:善因善果、悪因悪果の法則という大秩序が我々の運不運に強く影響を及ぼしている。
  4. 調和:秩序が極まると、調和の心となる。秩序は縦、調和は横のつながりでもある。調和の心により、別々の物事が、互いに長所を発揮して、活かし合うことができる。
  5. 平和の心:上記の心を全て持ち合わせていても、平和の心がないと戦争が起こる可能性がある。世界の国々の為政者や国民が、平和の心を前に立てて手を取り合うときに、初めて戦争のない世界がやってくる。
死生観
人間は死んで肉体の衣を脱ぎ49日が過ぎると、生前の行動と想念によって積まれた功徳と業の相殺決算により、適合した霊界へ旅立つとする。大別すると、天国界、中有霊界、地獄界の三つに分けられる。天国界は第一天国、第二天国、第三天国というふうに別れ、さらに、ランクが細分化されている。また、ほかにも、死後に人間の魂が行く世界は、兜率天、霊国界、最奥人天界等があり、人間の個性が様々であるのと同様、霊界、神界のあり方も様々であるとする[5]
他宗教との共存共栄
宗教は、棲み分けの理論で、共存共栄していくとし、世界中が一つの宗教に統一されることはないとしている。また、ミロクの世が訪れる頃には、世界中の人々に、自ずから宗教心(ミロクの世の五箇条)が備わっているため、宗教が普通となり、各国や、各宗派、各教団のイデオロギーが対立することはなくなるとしている。それを、逆説的に「世界中から宗教がなくなる」という大本教祖・出口王仁三郎の言葉を引用して表現することもある[10]
神には、絶対神(主神)と顕現神(八百万の大神)がいるとする。絶対神は、宇宙創造の主神のことであり、無限絶対、無始無終、全智全能の主神のことである。人智を越えているため、有限なる人間には、到底、全てを理解することも、知覚することも難しいが、絶対神を思慕し敬うのである。顕現神は、絶対神(主神)の一部の働きを司る神であり、個別の働きや個性を持った神格をもち、人間を守護したり導くとする。各宗教の神や、神社の神は、顕現神であるという位置づけであり、ワールドメイトの神だけではなく、自分の願いに応じた働きがある顕現神への積極的な祈願も勧めている。仏や龍神、天狗等は顕現神の一部や顕現神の眷属であるとする。こうした教えは、神道のみならず、仏教儒教道教や、天理教黒住教金光教、大本教、真光等の天啓宗教とも重なる部分がある[5]
神道
ワールドメイトの教えのベースとなっている「神道」とは、古くからの「神ながらの道(精神)」(古神道)の流れを組んでおり[10]、自然と神霊と人との融和の道のことである。つまり、日本人の国民性となり、日本の文化を形成している、古くからの日本人固有の「生成化育進歩発展」の意識(精神的支柱)を指す[11]国学国家神道とは路線が異なる。教派神道の一派であるが、「人は祖に基づき、祖は神に基づく」という古くからの日本人特有の民族的な信仰体系に基づき、祖先霊の大祖先が神社の神であると考えており、神社神道に近い[5][10]。そのため、全国の有力神社や、産土神社への参拝を勧めており、毎年、ワールドメイトが主催をして、神社への団体参拝も行っている[2]
系譜
島薗の研究によると、大本、世界救世教、真光の系譜をひいており[12]、新宗教のなかで「神道」ナショナリズムを代表する団体とする[13]。リーダーの深見は英語が得意で、キリスト教や仏教、儒教や中国の禅語録にもよく通じており、新しい要素が見いだされるとしている[13]
沼田の研究によると、リーダーの深見を神道のみならず仏教など宗教全般にわたる博学な知識を有してると評している[5]。大本教系と称するにしてはあまりにも民俗宗教の枠から逸脱しているとし[5]、伝統的な神道の枠を超えたユニークな教えがあるとしている[5]
ミロク(弥勒)の世
来るべきミロクの世(理想の世)が訪れる前には、巷で言われているような世界の崩壊とは言わないまでも、数々の困難や問題が世界中で吹き出してくるという。その困難を乗り越える過程で、世界の人々が一致団結し、世界連邦政府が樹立されると、ミロクの世の礎ができるのである。ワールドメイトは「和を以て貴しと為す」という精神をもって、他宗教との共存共栄を図り、世界平和に貢献しようとする立場を貫いている[5]
皇大神御社(すめらおおかみおんやしろ)
「宗教団体を創ってはならない」「神は伽藍には降りない」という天啓に基づき、団体としてのあり方を模索した結果、神社という「来る者は拒まず、去る者は追わず」の形態こそが、神道のあるべき姿だと確信するにいたり、建立された。古くからある神社と同様、神職が日々奉仕しており、会員はご祈祷等を受けることが出来る[5]
後継者
深見東州は不犯を守り続けているため、実子はおらず、かねてから、「親類や係累からではなく、下から奉仕活動を積み重ねてきた、人望と天運と実力がある人が後継者となることが、会員にとって一番良い」という考えであった[14]

活動

皇大神御社での神社としての宗教活動のほか、全国各地の神社参拝、大祓神事[15]、エンターテインメント的な要素が強い講演会テンプレート:Sfn、神人合一を目指す神法伝授、先祖供養や救霊、コンサートなどの芸術活動、チャリティーなどの慈善事業、国内外での福祉活動や公益活動、神道研究等への援助活動等を行っているテンプレート:Sfn。リーダーは新宗教の教祖としてはきわめて博識であり[5]、数百回を超える講演会は一つとして同じ内容のものはない[5]。また、苦難に対する救済のための宗教はすでに数多く存在するため、喜び、楽しみ、感動を創っていく新しい宗教を目指したいというリーダーの意向と天啓により、従来にはなかったユニークな活動形態をとっている[5]。「ホープ・ワールドワイド(Hope Worldwide)」(キリスト教系国際チャリティー組織)やカンボジア王国と協力し、24時間診療の無料病院(シアヌーク病院)への支援と運営を継続的に行っている[16]。神道国際学会(現:NPO法人)を中心となって組織し、日本の神道界や神道学者の積極的な協力もある[17]

シアヌーク病院の建設と支援

1996年12月、カンボジアのプノンペンにワールドメイトの資金提供と同国政府の土地提供により、シアヌーク病院(24時間体制の無料救急病院)が建設される[18]。カンボジアでは20年近い内戦により医師や設備が不足しており、その現状に心を痛めた深見東州が、24時間無料診療の救急病院の建設を決意し設立に奔走した[19]。 2003年1月、ワールドメイトの支援で第二病棟を建設し、最新医療機器を導入し、病床や研修用大会議室の増設を行う。[20]。2004年11月、ワールドメイトの支援により第3病棟を建設。2005年の時点では、「24時間、無料、救急」の病院はカンボジアに乏しかった[21]。カンボジアトップ医療レベルと総合教育を行うセンターとして、エイズマラリアの撲滅や医療を進めている[22][23][24]。「ホープ・ワールドワイド(Hope Worldwide)」(世界75か国で慈善事業を展開するNGO組織)とともに、今日まで共同で運営に当たる[16]

クメール・ルージュの犠牲者への義捐金

1970年代後半にクメール・ルージュによって虐殺された犠牲者の遺族に、義援金を渡している。カンボジアの平均的年収の半分にあたる金銭と米を、遺族本人に代表自らが手渡し、物心両面からの救済活動を行っている。遺族への義捐金は、傷つき、生きる望みを失いかけた人々を励ます大きなメッセージになるものと認識されている[25][26][27][28]

カンボジアに小学校建設

カンボジアの学校がない貧しい地域の子供たちのために、小学校の校舎を20校建設したいというカンボジア王国首相フン・センの希望を受け、2005年から「フンセン小学校プロジェクト」を支援している[29]

イギリスでの慈善活動

王立盲人協会副総裁をつとめるリーダーの深見と同じく副総裁をつとめる、英国国教会(元)カンタベリー卿ジョージ・ケアリーと協力し、宗教・言語・民族が複雑に絡み合う地域での青少年の正しい育成を目指し、2004年にエリザベス2世が開校した Lambeth Academyテンプレート:En iconLearning Trustテンプレート:En iconを支援した。2008年、「英国国教会聖職者のためのセントルークス病院」の白血病の子供達のための基金等を支援した[30]

東日本大震災支援

東日本大震災の3日後に救援隊を結成し、被災者に支援物資を届ける活動を2か月近く以上毎日続けた。英国の原子力専門機関から取り寄せたガイガーカウンター28台(当時は世界的に入手困難だった)で計測しながら福島原発付近にも進み、専門医より適切な除染を受けつつ物資を届けた[31]。震災における救援活動や寄付に対し、福島県いわき市会津若松市岩手県知事達増拓也より、感謝状を受け取った[32]

サンタのクリスマスプレゼント

1999年より毎年、サンタクロースに扮したボランティア児童養護施設の子どもに、クリスマスプレゼントを渡す活動を行っている[33][34][35]。近年は、全国で約35,000人[36]の孤児の3分の1程度にプレゼントを渡しているとしている[37]

脚注

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出典

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参考文献

関連書籍

外部リンク

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  1. ワールドメイト3つのスローガン(公式サイトより)
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 磯崎史郎 『深見青山 その天才の秘密をさぐる』勁文社、1991年。
  3. 3.0 3.1 島薗進 「情報化と宗教 ー現代宗教の変容ー」『思想』NO.817、岩波書店1992年、192-193頁。
  4. 島薗進「シンポジウム記録・情報化社会と人間」『社会情報研究所 紀要』 NO.48、東京大学、1994年12月20日、75頁。
  5. 5.00 5.01 5.02 5.03 5.04 5.05 5.06 5.07 5.08 5.09 5.10 5.11 5.12 5.13 5.14 5.15 5.16 5.17 沼田健哉『宗教と科学のネオパラダイム』創元社、1995年、246-313頁。
  6. テンプレート:Cite news
  7. テンプレート:Cite journal
  8. テンプレート:Cite web
  9. テンプレート:Cite web
  10. 10.0 10.1 10.2 10.3 吾郷清彦・松本道弘・深見東州 『古神道入門』 たちばな出版、2000年。
  11. 島薗進「国家神道よりも大本の路線に近い」『神道を知る本』 宝島社、1993年、152-153頁。
  12. テンプレート:Cite book
  13. 13.0 13.1 テンプレート:Cite book
  14. 大原一浩 『なぜ、人は神を求めるのか』 詳伝社〈NON・BOOK〉1992年
  15. テンプレート:Cite book
  16. 16.0 16.1 テンプレート:Cite web
  17. テンプレート:Cite journal
  18. 「カンボジアの孤児を救おう」 福井新聞 2002年5月29日
  19. 「創立25年記念し慈善コンサート」 福井新聞 2002年6月3日
  20. 「シアヌーク病院は今 7年目の課題に挑む」 MSN毎日インタラクティブ 2003年11月4日
  21. 「シアヌーク病院を訪ねて(上)」 MSN毎日インタラクティブ 2005年3月22日
  22. 「シアヌーク病院を訪ねて(下)」 MSN毎日インタラクティブ 2005年4月5日
  23. SIHANOUK HOSPITAL CENTER OF HOPE 公式サイト
  24. シアヌーク病院」在福岡カンボジア王国名誉領事館(公式サイト)。
  25. THE CAMBODIA DAILY Thursday, August 4, 2005、khmer rouge trial 2013年11月17日閲覧。
  26. Japanese charity fund launched to help victims of Khmer Rouge.、Kyodo News International, Inc. 2013年11月17日閲覧。
  27. Dr. Handa Compensation and Memorial Fund for the Victims of the Khmer Rouge Genocide、University of Cambodia 2013年11月17日閲覧。
  28. Remarks by Dr. Haruhisa Handa, Leader of the World Mate Organization at the Press Conference on the Establishment of the “Dr. Handa Compensation and Memorial Fund for the Victims of the Khmer Rouge Genocide” 2013年11月17日閲覧。
  29. テンプレート:Cite web
  30. テンプレート:Cite web
  31. テンプレート:Cite journal
  32. テンプレート:Cite news
  33. テンプレート:Cite news
  34. テンプレート:Cite news
  35. テンプレート:Cite news
  36. テンプレート:Cite news
  37. テンプレート:Cite news


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