ローズマリー

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ローズマリーは、地中海沿岸地方原産で、シソ科に属する常緑性低木。生葉もしくは乾燥葉を香辛料として用いる。また精油は薬にも用いられる。花も可食。

属名テンプレート:Snameiは「海のしずく」を意味する。貞節の象徴とされる。様々な品種があり、立性と匍匐(ほふく)性種に分かれる。花の色は、から色のものがほとんどだが、桃色のものもある。

和名マンネンロウの漢字表記は「迷迭香」であるが、これは中国語表記と同一である。

主な品種

立性

  • トスカナブルー
  • マジョルカピンク
  • マリンブルー
  • ミス・ジェサップ
  • レックス

匍匐性

  • フォタブルー
  • プロストラータス
  • モーツァルトブルー

活性・薬効

消臭効果や抗菌作用、抗酸化作用[1]があり、肉の鮮度を長持ちさせることからヨーロッパでは古くから肉料理にしばしば使われている。カレーポトフアイントプフ等のスパイスとして利用される。また、抽出物(精油ではない)には、高い消臭効果があることが知られており、商用消臭剤にもしばしば応用される。

安全性

香辛料としての使用量程度であれば問題はないが、人に対し医療目的で大量使用した場合の薬効作用に関しては、信頼のおけるデータは無い。次の事象が知られている。

  • 月経刺激作用や子宮刺激作用がある。
  • 外用により光過敏症、発赤、皮膚炎を起こす恐れがある。
  • アレルギー性接触皮膚炎を起こす恐れがある。
  • 妊娠中および授乳中の外用使用に関して、安全性は確認されていない。
  • 主要成分のロズマリン酸は抗菌作用を示すが、活性酸素生成能も示す[7]ことから、酸素、金属イオンと共存した場合に細胞毒性を示す可能性が示唆されている。

動物実験

カルノシン酸を投与することによって、脳梗塞による壊死を予防することができることが確認されており、アルツハイマー病パーキンソン病への効果も期待される[8]

成分

テルペノイドフラボノイド、カフェタンニン類からなる多様なポリフェノールを含む。

主要成分

など。


画像ギャラリー

脚注

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関連項目

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外部リンク

テンプレート:Herbs & spices
  1. 食品に含まれる抗酸化物質のハイリノール型サフラワー油に対する酸化防止効果 駒沢女子大学 研究紀要 30 pp.31-38 19970303
  2. Carnosic acid, a component of rosemary (Rosmarinus officinalis L.), promotes synthesis of nerve growth factor in T98G human glioblastoma cells. Biol Pharm Bull. 2003 Nov;26(11):1620-2.
  3. アルツハイマー病患者に対するアロマセラピーの有用性 日本痴呆学会誌第19巻第1号
  4. Extract of Perilla frutescens enriched for rosmarinic acid, a polyphenolic phytochemical, inhibits seasonal allergic rhinoconjunctivitis in humans. Exp Biol Med (Maywood). 2004 Mar;229(3):247-54.
  5. Regulation of heme oxygenase-1 expression through the phosphatidylinositol 3-kinase/Akt pathway and the Nrf2 transcription factor in response to the antioxidant phytochemical carnosol. J Biol Chem. 2004 Mar 5;279(10):8919-29. Epub 2003 Dec 19
  6. 香辛料の抗酸化性、斎藤 浩、油化学 油化学 Vol.26 (1977) No.12 P754-764
  7. テンプレート:PDFlink 微量栄養素学会
  8. Carnosic acid, a catechol-type electrophilic compound, protects neurons both in vitro and in vivo through activation of the Keap1/Nrf2 pathway via S-alkylation of targeted cysteines on Keap1. J Neurochem. 2008 Feb;104(4):1116-31