フォーミュラ計画

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テンプレート:Pathnav フォーミュラ計画(フォーミュラけいかく、またはフォーミュラプロジェクト、英語名はFormula Project)は、アニメーション映画機動戦士ガンダムF91』にて設定上存在する架空の計画。S.N.R.I.(サナリィ)が発動した小型モビルスーツ (MS) 開発計画である。


概要

一年戦争時に誕生したMSは、陸・海・宇宙といったあらゆる環境下で、従来の兵器システムを駆逐するという予想以上の成功を収めた。しかし、大きすぎる成功は「歩兵の延長線上にある汎用機動兵器」という当初の概念を「万能決戦兵器」へと変質させていった。MSというシステムそのものは、グリプス戦役の時点で既に完成といえる域に達してしまっており、それ以降は幾多の「改良」を経て洗練されはしたものの、その本質が「進化」したわけではない。

「MSの万能化」を目指した改良は、ジェネレーターの高出力化に始まり、推進系の強化・推進剤積載量の増量・大火力火器の装備・重装甲化と多岐にわたり、これらによりMSはより高性能に、そして巨大に、重く、複雑になっていった。最初期のMSであるRX-78ガンダムの全高は18mほどであったが、その十数年後のSガンダムνガンダムは全高25mにも達する大型機となった。

MSの巨大化・複雑化は、機体製造コストの高騰と整備性の低下だけにとどまらず、整備格納施設・カタパルト等の運用設備、ひいては搭載艦艇、さらに艦艇を建造・整備するためのドックヤードまで、ドミノ式に大型化していくことに繋がり、膨大な設備投資を強いることになった。戦後の復興期における地球連邦軍の戦力の更新の足かせとなり、財政を逼迫させる遠因にもなっていた。

根本的解決策として、連邦軍の諮問研究機関であるサナリィは連邦政府に対し、MS小型化の指針を提示。これが容れられて連邦軍は従来の性能を落とすことなく、調達が容易な小型MSの開発を各方面に要請。サナリィ自身もそこに「フォーミュラ計画」を提案した。

当初、対外的にはアナハイム・エレクトロニクス社 (AE) への開発依頼という形式を取り、フォーミュラ計画は同社の開発意欲を刺激する為の「机上の競合プラン」とされていた。しかし現実にはサナリィによるMS開発が進められており、この極秘計画が外部に漏れてしまった為、急遽AEの次期主力量産型MSの試作機と同計画で開発された試作機のコンペが行われる事となった。

フォーミュラ計画は、当時存在していた大型で重装備化されたMSと同程度の推力・火力を維持したまま、機体の大きさを15m程度まで小型軽量化するというもので、これによって開発されたF90はAEが開発した試作機「MSA-0120」を押しのけて、次期主力機のテストベッドとして採用された。

型式番号

フォーミュラ計画では、少なくとも以下の分類でMSの設計開発が行われていたとされる[1]。このうちF6シリーズ及びF8シリーズに属するMSは発表されておらず、詳細は不明である。また一説には、F9シリーズの先にF0シリーズなるものが存在するともいわれている。

  • F0シリーズ - (存在不明)
  • F1シリーズ - (型式不明)
  • F2シリーズ - (型式不明)
  • F3シリーズ - (型式不明)
  • F4シリーズ - (型式不明)
  • F5シリーズ - 装甲戦闘車両(AFV型支援機、ミドルMSの発展型)
  • F6シリーズ - 長距離支援機(F9やF7シリーズの高性能化が認められたため、コードナンバーは用意されたが機体は製造されていない)
  • F7シリーズ - 中距離支援機
  • F8シリーズ - 汎用量産機(連邦軍制式量産機の開発を目的に計画されたとされる。未だに連邦軍が情報開示していない機体群である)
  • F9シリーズ - 高性能試作機

F8シリーズとF9シリーズが前後しているものの

と、V作戦で開発されたRXシリーズを意識した分類になっている(F90シリーズという呼称はガンダムF90のバリエーションの事を指し、ガンダムF91やF97やF99を含んだ呼称ではない)。 開発番号は例えばF9シリーズの場合、1番目に開発された機体がF90、2番目に開発された機体がF91と指定され、10番目に開発された機体はF99となる(11番目以降につけられるコードは不明である)。 F8シリーズは汎用量産機として開発されたかは未だに連邦軍が情報開示していないが、F8シリーズは少数の量産がなされたという情報もあり未だに詳細はわかっていない。F8シリーズは地球連邦軍の量産機ではあるが、少数量産に留まったのは価格的理由(サナリィは軍事費削減のため小型で安価な高性能MSを供給するために名乗り出た半官半民の企業であることから低めの価格で連邦軍に納入できるようにしている。)よりも、高性能過ぎるために一般パイロットでは扱いが難しい機体であるという説がある。よって技量の高い特殊部隊に配備される様なMSであり、なかなか前線で見かけないMSであるためにF8シリーズの情報は広まり難いのではと言われている。

D5シリーズテンプレート:要出典

F5シリーズの基になったと言われている。テンプレート:要出典

ロト

テンプレート:機動兵器 小説およびOVA『機動戦士ガンダムUC』に登場する地球連邦軍の可変MS。デザイン、変形機構に後述のガンタンクR-44と共通点が多い。

地球連邦宇宙軍の特殊部隊「ECOAS(エコーズ)」が使用している可変MSで、海軍戦略研究所(サナリィ)によって開発された。サナリィが独自に開発した最新の超小型熱核反応炉の恩恵によって、全高12.2mと非常に小さいものとなっている[2]。腕の先にはマニュピレータが無く、ボックスランチャーが直付けになっている。固定兵装は工作用途と近接斬撃用途を兼ねるビームバーナーのみで、他の武装はマウントラッチにて着脱、換装が可能なオプション装備である。

兵員輸送の他、各種センサー類、通信機能が充実しており、指揮通信車としての機能も有する。乗員数は上部操縦室に3名(車長、操縦士、通信士)後部の兵員室に兵員8名[2]

本機のデータは後の小型MS開発に活かされ、型式番号の50は、戦車に変形する機体用の番号として使われたという[2][3]

劇中での活躍
小説版では特殊部隊「ECOAS」の2機がロンド・ベル所属のネェル・アーガマに持ち込まれている。その内の1番機がインダストリアル7市街戦において、ダグザ・マックール中佐指揮の下、クシャトリヤに「対サイコミュ兵器戦術」を使用。これは追尾してきたファンネルをネット弾で絡めとり、地表に墜落させて無力化するというもの。地道だが確実なこの方法によって計2機のファンネルを沈黙させたが、3機目のファンネルが放ったメガ粒子砲の直撃を受けて大破、炎上した。OVA版ではECOASに配備された機体が多数登場し、EP1〜EP3で描写された各作戦に参加した。EP1ではコロニー内でクシャトリヤと交戦、EP3ではパラオ攻防戦で工作活動を行うと共に、迎撃に出たギラ・ドーガらと交戦、これを多数撃墜している。また戦闘だけでなく、MSパイロット以外のECOAS工作員を送り込む移動手段としても利用されている。


F5シリーズ

F5シリーズではAFV型MSの研究が行われていた。


F50

「F50シリーズ」の存在について、書籍『SUPER MJ 機動戦士ガンダム最新MS造型資料集』の82頁で言及されている。ジェネレータに核融合炉を採用したAFV型MSとされ、ガンタンクと関連付けられて紹介されている。


F50D

テンプレート:出典の明記 テンプレート:機動兵器 書籍『SUPER MJ 機動戦士ガンダム最新MS造型資料集』の82頁で、ガンタンクR-44はF50Dの改装機だったとの推測が寄せられている。

テンプレート:要出典範囲


ガンタンクR-44

アニメーション映画『機動戦士ガンダムF91』に登場する可変MS。 テンプレート:機動兵器 フロンティア4の戦争博物館館長であったロイ・ユングが私的に所有していた可変MS。R-44という型番は、ロイ・ユングが44歳の時に本機を入手したことにちなむとされている[4]。人型の二本脚の背面側にキャタピラを備えており、二足歩行するMS形態と、両脚を前に伸ばして座った姿勢でキャタピラを用いて走行する戦車形態を使い分ける、簡素な変形機能を有している。D-50Cロトのように兵員輸送目的と明言されてはいないが、小型機の割に乗員が多く、胸部前面ハッチから乗り込む戦闘室には少なくとも3名分の席があり、また股間部前面にも乗員用ハッチがある。

一部の資料で、本機はF50Dの改装機と推定している[5]

劇中での活躍
フロンティアIVがCVの襲撃を受けた際にロイ・ユングが起動させ、襲撃から逃れてきた難民であるシーブック達を巻き込んで戦闘に参加しようとした。
しかし、実際に戦闘に参加する前に左200mmキャノンの砲身が発砲の圧力に耐えられず破裂、その後右キャノンもCVの攻撃を受け爆砕。機体は中破し、ロイは死亡。シーブック達も友人の1人であったアーサーを失うこととなった。
その後はシーブック達がフロンティアIVから脱出するために使用、更にCVに拉致されるセシリーを奪還するため、シーブックが単独で搭乗したが、最新型のクロスボーン・バンガード(CV) のMSに太刀打ちできるものではなかった(シーブックは本機を10年以上前に製造されたMSと発言している)。セシリーは放棄された機体のコクピットの血痕を見て、シーブックは死んだものと誤解してしまう。
デザイン
メカニックデザイン大河原邦男。この機体に類似した変形システムを持つ火力支援用MSザウートが、後の『機動戦士ガンダムSEED』シリーズに登場する(デザインは同じく大河原が担当)。

テンプレート:Clear

F7シリーズ

F7シリーズでは中距離支援機の研究が行われていた。

  • F70 キャノンガンダム
  • F71 Gキャノン
    • F71 Gキャノンパワードウェポンタイプ(フル装備型)
    • F71 Gキャノンビームキャノン&精密標準システム搭載タイプ
    • F71 Gキャノン改良型200mmキャノン砲搭載タイプ
    • F71 Gキャノン200mm長距離砲搭載タイプ
    • F71 Gキャノンヴェスバータイプ

キャノンガンダム

テンプレート:機動兵器 バンダイ発行の雑誌「Bクラブ」の連載企画『月刊MSジャーナル』に登場する、地球連邦軍の中距離支援用試作型MSである。プロトタイプGキャノン(プロトタイプジーキャノン、PROTOTYPE G-CANNON)とも呼ばれる。型式番号はF70である。型式番号にFが付く通り、フォーミュラ計画の産物であり、サナリィが設計開発したMSである。

サナリィが量産を前提として、ガンダムF90サポートタイプをベースに開発した機体である。F7x系列はサポートタイプの装備を固定化した簡易量産型にあたり、本機はその試作機である。

中距離支援用であるが、汎用性も十分あり、その性格から攻撃用MSと呼ばれることもある。これを基にさらなる設計変更が加わりF71 Gキャノンが誕生した。

一方で、AEはF71のOEM生産の経験からノウハウを蓄積し、後にF70とは別に独自に性能向上を図ったハーディガンを自社製品として発表している。専門メディアによってF70の存在が世間に公表されて以降、AEは表向きにOEM生産以前に独力で開発した事を主張しているものの、その後にAEがサナリィに行った違法な技術盗用の疑いをさらに深める事ともなった。

ビームサーベルおよびビームライフルはユニバーサル規格によりヘビーガンのビームサーベル、ビームライフルを扱える。また、必要に応じて3連マシンキャノンをビームキャノンや150mm高速砲に換装可能であった。


デザイン
メカニックデザインは大河原邦男[6]

テンプレート:Clear


Gキャノン

アニメーション映画『機動戦士ガンダムF91』に登場する、地球連邦軍の中距離支援用量産型MSである。かつてのガンキャノンを想起させる、大型の砲を両肩に装備する。型式番号にFが付くことから分かるようにフォーミュラ計画の産物であり、サナリィが設計開発したMSであるが、量産はOEMによりアナハイム・エレクトロニクス(AE)が担当した。 テンプレート:機動兵器 ガンダムF90サポートタイプの量産モデルに相当する機体である。元々サナリィはF70キャノンガンダムをそのままの仕様で量産化したい意向だったが、研究機関から半官半民の企業へ移行してから歴史の若いサナリィは、その当時まだ連邦軍の需要を満たしうる生産能力を持っておらず、さらに連邦軍からの量産コストの低減と、長年のMS供給実績を持つAEを無視できないという政治的思惑からの要求により、製造はAEに委託するという体制が採られた。しかし、AEの技術力不足のため、サナリィはF70を再設計(デグレード)することでAEでの生産を可能としたF71を用意。そのため本機の特許ライセンスはサナリィが保有する一方、AE技術陣の手により複数の機構は既に生産体制が確立していたヘビーガンと共通化したものへとリファインが加わり、既存の生産ラインを大幅に流用してGキャノンが量産化されるに到った。これによりコストの低減は期待できるものとなったが、スペックではF70に劣るものとなった。連邦軍サイドの一部からの要求に応えた、この大幅な設計変更はサナリィのF70開発陣にとっては不本意なものであり、彼らはロールアウトしたF71に対し不快な表情を顕にしたと伝えられている。実際のところアナハイムに製造を委託しているとは言いながらも、機体制御コンピューター等の技術提供をサナリィ側が拒否するなど、過度の秘匿主義がAE側の反発を呼んだとも噂されており、両者の関係は良好と言えるものではなかったという。後にAEは本機のOEM生産の経験からノウハウを蓄積し、サナリィから不正手段で取得した技術も加えて発展型としてGキャノン・マグナを開発する。

サナリィの生産体制が整って以後は、サナリィ工場からも多数の機体が供給された。サナリィ製機体とAE製機体では、ジェネレーターの定格出力がサナリィ製の方が高い上に、機体制御コンピューター等の性能差もあり運動性が違うとされる。また、サナリィ製の純正ミッションパック(VSBR等)もAE製機体は装備できないとされている。

設計に当たっては、汎用機体であった原型機から支援攻撃MSとして徹底的な最適化がなされ、機体の軽量化・効率化に成功。AEの技術で開発された同時期の白兵戦用量産MSであるヘビーガンよりも頭一つ分弱コンパクトにまとめながら、MSとしての総合性能では上回っている。使用されているジェネレーター・スラスターは旧来のAE製であり、新式の小型高出力核反応炉は搭載されていないが、ジェガンの縮小型に近いとされるヘビーガンと比べ、より大型のジェネレーターを搭載できる容積を確保したことの賜物で、数値上はサナリィ純正機やブッホ製MSに匹敵するジェネレーター出力・スラスター推力を確保しており、サナリィの技術力の高さや基礎設計の確かさが覗える。

ただし、この頃の連邦軍の仮想敵があくまで暴動レベルの反政府勢力であった為、暴徒鎮圧の対人戦闘に主眼が置かれており、本格的な対MS戦闘ではいささかの見劣りは否めない。しかし、本機にはミッションパックによる拡張性が確保されているため、対MS戦用のミッションパックを装備することで戦力を補える。また中距離支援用MSであるがビームサーベルを標準装備しており格闘戦もこなせる。

ビームライフル
地球連邦軍の共通のエネルギー供給コネクタを使用しているためにヘビーガンのビームライフルも使用できる。
シールド
腕部ハードポイントにシールド接続パーツを取り付ければヘビーガンのシールドも取り付けられる。

Gキャノン(4連マシンキャノンパック非装備型)

F71 Gキャノンはもともと支援攻撃もできる汎用機体として造られている。そして支援攻撃機能は4連マシンキャノンのミッションパックを装備することでまかなうが、キャノンパックを外す事で当初の汎用機体として運用することも可能である。映画『機動戦士ガンダムF91』の劇中でもキャノンパック非装備型のGキャノンがヘビーガンのビームライフルと盾を持って3機編隊で飛行しているシーンが描かれている。

ミッションパック

Gキャノンには肩部を含めていくつかのハードポイントが存在するため、ガンダムF90のミッションパックのうちいくつかが使用可能である。また、4連マシンキャノンを別の火器に変更する案も存在した。バックパックを換装することも4連マシンキャノンを外して白兵戦用とすることも可能である。

パワードウェポンタイプ (Powered Weapon Type)
『F91-MSV』に登場。フル装備型 (Full Equipment Type) または長距離支援仕様ともいう。Gキャノンの迎撃仕様で、航空近接支援攻撃(クローズエアサポート、CAS)としての仕様目的もある。右4連マシンキャノンをツインビームキャノン(RX-77-4 ガンキャノンIIでも試験されたことがあるという)に、左4連マシンキャノンを対空管制照準システムに変更し、右肩のハードポイントに対空管制照準システム、左肩に地対空ミサイルと照準センサー、右腕にガンユニット、左上に2連電磁レールガン、両足にそれぞれスラスターユニット(推力:16,290kg)を装備している。
ビームキャノン&精密照準システム搭載タイプ
講談社発行の雑誌「ガンダムマガジン」に登場。Gキャノンの防空仕様。RX-77-4 ガンキャノンIIのビームキャノンと精密照準システムを発展させたタイプである。右4連マシンキャノンをビームキャノンに、左4連マシンキャノンを精密照準システムに変更し、両足にそれぞれF90Sタイプのクルージングミサイルを装備している。これにより、ノーマルタイプよりもより遠くの敵を撃ち落せるようになった。ビームキャノンと精密照準システムは、パワードウェポンタイプのプロトタイプというべき装備である。
改良型200mmキャノン砲搭載タイプ
『ガンダムマガジン』に登場テンプレート:Full。Gキャノンの接近戦仕様。RX-77-3ガンキャノン重装型の240mmキャノン砲を発展させたタイプである。4連マシンキャノンを改良型200mmキャノン砲に変更し、両足にそれぞれF90Dタイプの5連ロケット弾パックを装備している。これにより、火力は劣るものの軽量化され、接近戦に向いた機体となった。
200mm長距離砲搭載タイプ
『ガンダムマガジン』に登場テンプレート:Full。Gキャノンの長期戦仕様。ジム・キャノンの240mm長距離砲を発展させたタイプである。右4連マシンキャノンを200mm長距離砲に変更し、左4連マシンキャノンは外している。砲の口径が下がったことで弾薬が節約され、より長時間の戦闘が可能となった。各ハードポイントに予備の弾倉を装備することも検討されているという。
ヴェスバータイプ(V.S.B.R. Type、新型火器試験仕様)
『F91-MSV』に登場。Gキャノンの新型火器試験仕様。4連マシンキャノンをヴェスバーに変更している。V.S.B.R制御の電子機器や機体制御コンピューター等の技術の関係からサナリィ製造分のF71には取り付け可能なミッションパック。
Gキャノンのミッションパック対応
  右肩部 左肩部 右腕部 左腕部 右背部
(バックパック)
左背部
(バックパック)
右脚部 左脚部
本体(白兵戦タイプ) - - - - - - - -
ノーマルタイプ - - - - 4連マシンキャノン 4連マシンキャノン - -
パワードウェポンタイプ 対空管制照準システム 地対空ミサイル&照準センサー ガンユニット 2連電磁レールガン ツインビームキャノン 対空管制照準システム スラスターユニット スラスターユニット
ビームキャノン&精密照準システム搭載タイプ - - - - ビームキャノン 精密照準システム クルージングミサイル クルージングミサイル
改良型200mmキャノン砲搭載タイプ - - - - 改良型200mmキャノン砲 改良型200mmキャノン砲 5連ロケット弾パック 5連ロケット弾パック
200mm長距離砲搭載タイプ - - - - 200mm長距離砲 - - -
ヴェスバータイプ - - - - ヴェスバー ヴェスバー - -
劇中での活躍
連邦軍防衛隊として数機が登場した。設定やスペックほどの活躍を見せることはなく、ジェガンと同じくクロスボーン勢MSに一方的に撃破された。さらには足元不注意で両肩の4連マシンキャノンから落下した薬莢を避難中の民間人コチュン・ハインの母親を直撃させて死亡させ、コロニー自体も誤射で損傷させてしまう、ガンタンクに乗ったシーブック達を威嚇する等、MSの性能以前の防衛隊の低レベルぶりを露呈した。
デザイン
メカニックデザインはGキャノン、パワードウェポンタイプ、ヴェスバータイプ共に大河原邦男。またビームキャノン&精密標準システム搭載、改良型200mmキャノン砲搭載、200mm長距離砲搭載のプラモデル改造案も大河原邦男。パワードウェポンタイプは、『ガンダムマガジン』第1号での発表時はフル装備型という名称であったが、『ガンダムマガジン』第5号で『F91-MSV』のタイトルと共に発表されたときにはパワードウェポンタイプに変更されている。

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F9シリーズ

F9シリーズでは高性能試作機の研究が行われていた。上腕太腿脹脛(ふくらはぎ)や(すね)などが曲線ラインで構成された機体形状の特徴はおおむねF90、F90II、F90IIIY、F91に見られる。またF90やF91は青いカメラアイの特徴を持つ。


ガンダムF90シリーズ

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ガンダムF91

ガンダムF91(エフきゅうじゅういち:フォーミュラナインティワン、FORMULA 91: FORMULA NINETY ONE)は、映画『機動戦士ガンダムF91』、ゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』に登場する地球連邦軍の試作MSである。 テンプレート:機動兵器 「フォーミュラ計画」において「現時点でのMSの限界性能の達成」を目指して開発された超高性能MSである。基本フレームから装甲に至る構造すべてが高密度に実装された構造をしている。F90Nタイプをベースに[7]F90Vタイプの試験運用結果を経てクラスターガンダムと並行する形で開発された。[8]バイオコンピューター及びバイオセンサーや、かつてνガンダムやユニコーンガンダムに採用されたサイコフレームと、その技術を発展させたMCA構造を採用しており、サナリィ製MSの集大成となっている[9]。その限界性能は、かつてニュータイプと呼ばれた者しか最大性能を発揮できないほどである。「ガンダムF91」の名前は、(頭部デザインが似ているという事で)名機 RX-78-2 ガンダムにあやかって、スペース・アーク艦長代理レアリー・エドベリが命名したもの。正式な名称はF90と同様、型式番号そのままの呼び名「F91」である。前モデルであるF90が意図的にRX-78 ガンダムに似せられたのに対し、本機は頭部と色以外にガンダムの特徴は薄くなっている。これはF90と違い、機能・性能を優先してデザインされた結果である。

専用開発された小型・高出力なジェネレーターの採用により、従来の第二期MSよりも非常に高性能な機体であり、ビームシールドの他、ヴェスバーの搭載を可能としている。 F91にはある程度ハードポイントが存在するため、ガンダムF90のミッションパックの内、いくつかが使用可能である。また、独自のバリエーションも存在する。

機体冷却を非常に重要視しており、各部に放熱フィンを設けてある。特徴的な胸の放熱フィンの集合部分の内部には装甲があり実は胸部分も堅牢な作りである。また戦闘時の飛行姿勢ならば胸の上面装甲が正面にきて放熱フィンの集合部分は見えなくなる為、放熱フィンの集合部分の被弾確率も実質的に低い[10]。両肩の放熱フィンは展開式で飛行時のスタビライザーを兼ねている。そして頭部にはこの機体の特徴である冷却システムがあり、フェイスガードが両頬に収納され人の鼻口に似たエアダクトが露出する。そこから冷却触媒を排出する機構で宇宙空間では有効な廃熱方法であり、頭部のバイオコンピューターを重点的に冷却する為、特に負荷の掛かる最大稼働時に作動する。冷却触媒を排出後にフェイスガードは直ぐに閉じるが、ゲーム等のメディア作品では常時収納状態で描写される。

武装
ヴェスバー
V.S.B.R.(Variable Speed Beam Rifle[11]=可変速ビーム・ライフル[12])。F91の背面側にフレームのアームを介して左右一門ずつ懸架されている。威力と効率を両立したビーム兵器で発射するビームの収束率を調節が可能で、ビームの射出速度の調節も可能。どちらとも連続帯域での微調整などができる。対象物の耐久力や距離に応じて高速で貫通力の高いビーム(テンプレート:要出典範囲)から、低速で威力を重視したビームまでを状況に応じて撃ち分けることができ(作中では使用されなかった)、連射性にも優れる。F91のヴェスバーはジェネレーターに直結する形で配置されており高出力である。懸架時はウイング・バインダーと同様にAMBAC作動肢として機能する。また、新開発された大容量のコンデンサーにより本体から分離した状態でも数発は発砲可能である。劇中ではビームシールド越しにデナン・ゾンを撃墜する。直接トリガーを引かずとも発砲可能で、ビームライフルと連動して発砲している。また、フロンティアI脱出時に四方八方から迫る無人殺戮兵器バグに対処する為、背面に懸架したまま6発続けて発砲している。
ビームサーベル
左腰内部に2基収納されている。宇宙世紀0090年代から一般的なリミッター機能があり、常時ビームを形成させるだけでなく、低出力で形成させ斬撃の瞬間に発生させる事で、エネルギーの消費を抑えている。また刀身を通常の倍以上に形成が可能で、無人兵器バグとの交戦の際に手首を高速回転させ活用している。
ビームライフル
F91用のビーム・ライフル。宙返りをしながらアサルトライフルのように連射をする場面も見受けられた。
ビームランチャー
威力が高いビーム兵器。砲身後部にEパックを配する。背面腰部にあるマウントラックにて携行できる。多くのゲーム作品やイラストで、これを装備しているF91が良く描かれるが、実際に使用したのはラフレシアとの戦闘時のみである。
バルカン砲
頭部両側に一門ずつ、二門設置されている機銃。
メガマシンキャノン
本機の胸部両側に一門ずつ、計二門設置されている大型短銃身式の速射機関砲。接近戦で用いる事により、MSを破壊する威力を発揮する。
ビームシールド
本機の左腕部に設置されている防禦装備。右腰の装甲内に予備を携行する。ブロック毎に展開可能であり、機体と接触する部分は機体側のフィードバック回路により自動的にカットされる。ビーム展開を一方向に限定し、ビームサーベルとして運用も出来る。F91に装備されているビームシールドはコンデンサを搭載し、機体から離れた状態でも短時間は稼動させる事が可能で、劇中では本機能を利用し投擲武器のように投げつける活用もされた。
その他
ラフレシア戦ではバグと交戦しながらの坑道移動中に拾ったデナン・ゲーのビーム・ライフルを使用していた。
機能
最大稼動モード
パイロットがニュータイプ並みの能力を有するケースのみに発動するように設定された稼動モードである。最大稼動モードは運動性や機動性が通常のMSよりも極端に違い、通常のパイロットでは扱えず、リミッターが設定された[13]。最大稼動モードを扱えるパイロットが操縦したとバイオコンピューターが判断した際にリミッターが解除され、最大稼動モードを発動する[13]
テンプレート:要出典範囲
バイオコンピューター
F91に搭載されたバイオコンピューターは、マルチプル・コンストラクション・アーマーで構成された機体を統括する、頭部に設置されたメインコンピューターである[14]。パイロットへ肉体的、精神的な負担をかけず、特殊な脳波を発しない一般兵にも扱える次世代サイコミュの雛形として開発された。本来は障害者向けのインターフェイスが軍事転用されたもので、機体が得た情報をパイロットの脳に直接伝え、パイロットが思考を機体に反映させる[15]
そしてバイオコンピューターのもう1つの役割はパイロットの技量を分析し、機体性能にリミッターをコントロールする事である。これは機体の性能が高すぎる為にパイロットを保護する目的で設置されている。バイオコンピューターがバイオセンサーを介してパイロットが最大稼働に対応できると判断すれば、機体のリミッター解除を行う。またバイオセンサーやサイコフレームとの同調を調整する働きも担っている。従来のサイコミュとの併用の効果は前例がない為、未知数とされている[7]
サイコフレーム/バイオセンサー
サイコミュのサブ増幅器が操縦席の背に組み込まれており、コクピットの周囲に使われているサイコフレームが主増幅器となっている[7]。ラフレシア撃破後、モニカがバイオコンピューターを介してバイオセンサーを調整し、セシリーを探し出す描写がある[16]
MEPE
MCAの採用によって、単一の部材に複数の機能を盛り込む事が可能になり実装された機能。F91は最大稼働時において機体表面が上昇する為、各部の通常の冷却システムでは追いつかない。その為、装甲自体に冷却を行わせ、バイオコンピューター及び機体各所で強制冷却が始まる。その際に装甲表面のビームコーティングの等の特殊な加工(主な材料は金属粒子)を剥離させる。この「MEPE」(金属剥離効果=Metal Peel-off effect )によって剥離した金属片が敵機のセンサーに認識されるために本機があたかも分身しているかのように見える(実際は金属片によるセンサーの誤作動であり、CGが再構成したコクピット内の映像である。劇中での台詞から質量を持った残像とも呼ばれる)。これはあくまでも副作用であり、当初から意図されたものではない。劇中1時間46分頃に機体全てを金色のオーラの様なものが覆い始めているが、このオーラに関して説明する資料は見当たらない。残像はレーダーやセンサーのみならず、パイロットの肉眼も欺瞞する[17]
マルチプル・コンストラクション・アーマー
かつてのサイコフレームの生成技術の応用により、構造材にコンピューターチップ以外の電子回路も鋳込んだマルチプル・コンストラクション・アーマー (MCA) 構造と呼ばれる新技術が採用されている[18]。電子機器などの制約により、モノコックやムーバルフレームによる小型高性能化は不可能だったが、MCAの採用によりそれが可能になった。モノコックとムーバルフレームの両方の機能をあわせ持ち、更に回路の取り回しなども構造そのもので兼任出来る為、飛躍的な軽量化に繋がり推力重量比が改善され、より高い機動が可能になった。また損傷や故障も想定してブロックごとにフェイルセイフシステムが織り込まれている為、他のブロックで補い一部の故障で作動不能になる事はない。
その他
一部の資料では試験的にミノフスキードライブが導入されたともいわれるが、その場合でもごく短時間の間スラスター出力を補う形で使用するのがやっとだったようである[19]
デザイン
メインメカニックデザインは大河原邦男。監督である富野の発案により、新世代のデザインを目指すべく従来のバーニア型のスラスターは全て廃されている。更に当時、HONDAの連勝などにより注目されていたフォーミュラ1(Formula One、英語発音: /ˈfɔːrmjulə ˈwʌn/ フォーァミュラ・ワン)にあやかり、胴体部や関節部などに車やバイクのラジエーターグリルを連想させるデザインを採用している(形式番号のフォーミュラやパイロットのノーマルスーツがレーシングスーツの意匠を組んでいるなどにも関連)。大河原が1989年の4月から複数のデザイン案を提出し、安彦良和の作画参考ラフ等を経てデザインの完成を見た[20]。背部に今までにない形状のバックパックやV.S.B.R.を配置するなどアイディアに富んでいる。特に胸部の形状は、これまで大河原や他のデザイナーがデザインしてきたガンダムと呼ばれるMSのデザインと一線を画す。そして、ガンダムF91は∀ガンダムをデザインしたことで有名なシド・ミードが唯一、歴代のガンダムの中で従来のデザインの枠を破っていると評価した機体である。
劇中での活躍
映画『F91』においては、連邦軍本隊より取り残され、住民によるゲリラ活動の拠点となっていた練習艦スペース・アーク内で整備されていたが、正規の整備マニュアルがほとんど無く、代わりに残されていた開発者のモニカ・アノーの録画映像によるバイオコンピューター接続方法の口頭説明に理解不能の部分があり起動不能であった。その映像を見せられたモニカの娘リィズ・アノーは、その説明がかつて母に教えられていたあやとりの用語だと気付き、無事起動に成功する。
そして、「工学科の学生でモビルスーツ操縦実習の経験がある」上に「母親が作ったコンピューターだから相性がいいだろう」という理由でリィズの兄であるシーブック・アノーがパイロットを任せられることになり、CVとの戦いで多大な戦果をあげた。現在までのところ、地球連邦軍とそれに関係する機関が開発し、連邦軍が自らの為に運用した最後のガンダムタイプである(後のGセイバーでは連邦は崩壊している)。
ゲーム『フォーミュラー戦記0122』では、運用試験のために連邦軍ラー・カイラム級機動戦艦エイブラムに搬入されたが、オールズモビルとの戦闘に突入した為、ベルフ・スクレット少尉機として運用されている。この時点ではバイオコンピューターは搭載されておらず、通常の学習型コンピューターを搭載していた為100%の性能は引き出せない状態であった。オールズモビルとの戦闘が終結した後の宇宙世紀0122年12月にフロンティアIに搬入され、頭部コンピューターの換装が行われる。
ちなみに、『機動武闘伝Gガンダム』のガンダム連合の中にこの機体も混ざっており、一瞬だけ姿を見ることができる。


パワードウェポンタイプ

テンプレート:機動兵器 『F91-MSV』に登場。「重装型」ともいう。ヴェスバーが完成しなかった場合を考慮し、代替武器を装備させたタイプ。ヴェスバーの代わりに4連ビームガドリングガンとミサイルランチャー(対艦ミサイル×2)を組み合わせたウェポンユニットをバックパックに2基装備する。ショルダーアーマーも強化され、アポジモーターが増設されている。面制圧には優れるが、威力面ではVSBRに(対艦ミサイルを除いて)劣るタイプである。

ツインヴェスバータイプ

テンプレート:機動兵器 『F91-MSV』に登場。背部の新型バックパックに新たにヴェスバーを2基追加し合計4基のヴェスバーを所持している。この改良型ヴェスバーは補助スラスターが装備されている。ジェネレーターにも改良があるとされ、その余剰エネルギーによりビームシールドを両下腕部に一基ずつ計二基装備する。

ツインヴェスバー非使用時の折りたたんだ形はH字状に収納したり、VSBRの根元の接続部分の横軸を回転させて、二重のハの字形に収納したりする。

量産型ガンダムF91

漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』に登場、この作品オリジナルの機体である。

F91を量産機にするため性能を調整された機体である。最大の特徴でもあった最大稼動モードは、発熱箇所の改善と冷却能力の大幅な向上により安全性と安定性が増し、仮に最大稼動モードが開放されたとしてもMEPE現象が最低限しか起こらず質量を持った残像は起こりえない。しかしフェイスガードを開閉する機構は残されている。量産型ガンダムF91は少数が量産され、劇中では地球連邦軍の宇宙艦隊所属機として登場した。機体の最大能力を使いこなせるパイロットは少ないらしく、オリジナル機のパイロットであるキンケドゥ(シーブック)はクロスボーン・ガンダムでF91数機を一蹴した際にそれを指摘している。

量産型F91用バイオコンピューター
バイオコンピューター自体には主に2つの役割がある。1つ目は一般パイロットの操縦を補助をする役割、そしてもう1つはパイロットの技量によりリミッターの制限を取り払う役割がある。そして量産型F91にはバイオコンピューターの一般パイロットの操縦補助の役割を担う側面から、当初の計画の通りに搭載されている。ただし最大稼動モードを発動させること自体が極めて稀な状況である。
そして最大稼動モードが発動されること自体が稀な状況には主に3つの理由が挙げられる。まず1つ目はバイオコンピューターに技量が認められ最大稼動モードを発動できるパイロットの存在が珍しいためである。2つ目は量産化の際に冷却の強化などを行い、安全性や安定性が増したために通常モードの性能が底上げされており最大稼動モードを出す機会を逃しているという点である。3つ目に最大稼動モードを発動する様な敵機体の存在が珍しいことが挙げられる。この様な理由が最大稼動モードを出す機会のある種の足かせになっている。
余談であるがガンプラのHGUCガンダムF91の説明書には「その"最高性能"はあくまでトライアルの側面が強く、金属剥離効果のある多機能装甲などは、量産化の際にフルスペックのバイオコンピューターごとオミットされている。」としている。つまり量産型F91にはフルスペックのバイオコンピューターではないバイオコンピューターが装備されている説がある。またHGUCガンダムF91の説明で「ただし、一部エースパイロット向けの機体として、冷却システムや各種デバイスの改良を施した"限界稼動対応機"も数機ロールアウトしている。」という説もある。


ガンダムF91ハリソン・マディン専用機

F91部隊の指揮官であるハリソン・マディン大尉の搭乗機。
増加試作機に改修を施してあり、青いパーソナルカラーで塗られている。ハリソン機はヒートシンク等の強化やバイオコンピューターの改良により、MEPEを起こさずにフェイスオープンと放熱フィンのみで限界稼働をし、最大稼動モードが可能である。
初代ハリソン・マディン専用量産型F91
地球圏に現れた海賊クロスボーン・バンガードを討伐する際にハリソン・マディンが搭乗した機体である。
搭載武器のヴェスバーは、コスモ・バビロニア建国戦争から10年経ってもなお強力無比なビーム兵器であり、キンケドゥのクロスボーン・ガンダムX1と互角の勝負[21]を繰り広げるが、僅差で敗れ大破した。
2代目ハリソン・マディン専用量産型F91
2代目ハリソン・マディン専用量産型F91には時期により3つの種類が存在するが、どれも同一機体であり、カラーリングやチューニングが異なるだけである。
木星戦役時
キンケドゥのクロスボーン・ガンダムX1との勝負後にハリソンは、木星帝国総統クラックス・ドゥガチとの最終決戦時である木星戦役においてハリソン・マディン専用量産型F91と同一カラーリングの機体に乗って登場するが、これは別の機体を青く塗り替えた2代目であることが『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』の設定資料集で明言されている。
木星残党軍討伐時
新規色替え機である。青と黄色で塗られていた2代目のハリソン・マディン専用F91を新たに白色を追加し塗装された機体である。『スカルハート』で登場。木星戦役に使用されたハリソン・マディン専用F91と性能の変化は無く、色だけを替えた全くの同一機体である。連邦軍の機密文書を積んだ輸送船が木星軍の残党に襲われた際に、これを防ぐべく連邦軍のハリソン大尉らが出撃した。また後に謎のMSが出没する宙域の調査を命じられた際にもこの機体で出撃している。
木星決戦時
別名は『ミッチェル・ドレック・ナー搭乗 木星決戦仕様F91』である。『鋼鉄の7人』においても当初はハリソンが搭乗していたが、連邦軍上層部からの命令がなければ動けない彼に代わりミノル・スズキが、後にミッチェル・ドレック・ナーが搭乗し、木星帝国残党との戦いに使用された。木星強襲作戦「鋼鉄の7人」では、サナリィで行われたチューニングにより量産化の際にオミットされた機能のいくつかが再現されており、試作機であるF91に近い性能を有するに至っている。また木星圏内での活動を想定して推力も上げられている。そして本作の描写では「質量を持った残像」たるMEPEを起こしたともとれる動きをしている。木星帝国総統・影のカリストが乗るリーベルダス・デクストラ・ディキトゥスに致命傷を与える戦果を挙げるも、反撃を受け相打ちの形で撃破されている。
余談だが、ドレックがこの機体に乗ることになったのは「鋼鉄の7人」実行直前であったため、チューン済みの機体にはすでに当初乗る予定だったミノル・スズキの「M」のマーキングがされていた。しかし、ドレックのファーストネームがミッチェルであることが分かったため、書き換えられることなくそのまま使用された。
補足
なお、ハリソン専用機は玩具「GUNDAM FIX FIGURATION」でパーツ組み換えによるガンダムF90とのコンパチ仕様として発売されたが、ギミックの都合により漫画版とは一部の塗装パターンが変更されている。『スカルハート』以降の関連作品ではGUNDAM FIX版に準じている。「スカルハート」収録の「海賊の宝」では雑誌連載時は上記玩具の発売前だったこともあり旧カラーで描かれていたが、単行本収録の際に新カラーへと加筆修正された。

ガンダムF91RR

ガンダムF91RR(ダブルアール)は『ガンダムトライエイジ』オリジナル機体。F91に、新開発のグローアップ・ユニットを組み込んだ総合重装仕様。新武装として両手両足に小型のVSBRと大型ビーム・シールドがを追加装備し、肩関節部にはビームサーベルの機能を備えたVSBRサーベルが新たに装備している。重武装化したため原型機のF91より機体サイズが大型化している。形状的にフルアーマーに見えるがそうではなく、四肢の末端や関節部に対する根本的な機能付加という方向性は、小型の機体を従来の大型規格へと再び引き戻すの本末転倒なのだが、これは機体小型化への変革を良しとしない一部の連邦高官たちの意向が強く働いたとされる。メカニックデザインは大河原邦男[22]


F92

F92(エフきゅうじゅうに:フォーミュラナインティツー、FORMULA 92: FORMULA NINETY TWO)は、テンプレート:要出典。高機動戦闘兼次期主力兵装試験機とされる(型式番号:F92)。


ガンダムF97シリーズ

テンプレート:Main


F99

レコードブレイカー

レコードブレイカーは、漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』に登場する、サナリィ製の実験用MS。 テンプレート:機動兵器 サナリィ第2月面開発研究所で開発中のMSで、従来は戦艦サイズの機体にしか搭載できなかった「ミノフスキードライブユニット」を搭載した初のMSである。これにより既存のMSを遥かに超える機動性を得ることに成功した。

ミノフスキードライブの搭載自体が開発目的であり、本体フレームにF97(クロスボーン・ガンダムおよびフリント)のものを流用、パーツの75%が共通となっている。この機体のためにF97用の部品も僅かながら製作されており、海賊軍残党は補給を受けることが出来た。武装はフリントの物が流用されている。

同型機が3機製作され月面にてテストを行っていたが、その情報を察知した木星帝国軍の襲撃を受け3機とも撃墜。機体データと予備パーツも研究所内に突入した別働隊によって破壊され失われた。だが、この時に資料の一部が木星帝国に強奪されており、後にこの資料を基にしたMSファントムが開発・製造されている。

F99 レコードブレイカーはガンダムF90 Wタイプの技術から開発されたとされる[23]

光の翼
後のV2ガンダムとは異なり、ミノフスキードライブの発する光の翼はV字ではなくX字状の4枚となっている。サナリィの技術員であるミューラが研究開発した。
F99ガンダムヘッド
設計はされていたが、地球連邦軍に売り込む際に製造しようとしていたところ、木星帝国軍に機体と資料と開発施設を破壊されたために製造されなかったガンダム型の頭部である。
デザイン等
  • 外観はのちのザンスカール帝国のMSに繋がりを思わせるデザインを持つ。オレンジと黄色に塗装されており、連邦軍にプレゼンテーションをする際にはガンダム的な頭部に変更する予定だったらしい。
  • 開発にはオーティス、ミューラと呼ばれる人物がスタッフとして係わっている[24]
  • サナリィのスタッフにはMSに必要以上の高性能は好ましくないという意見もあり、上層部の評価もあまり芳しくないとのこと。
  • 理論上、地球-木星間を僅か1週間(150時間)で航行可能な性能を持つが、パイロットの居住性は考慮されていないため、その際は食料やエネルギーパックなどを搭載したオプションユニットが必須となる。

F99R

Rガンダム

Rガンダム(アールガンダム、R GUNDAM)は、バンダイのガシャポンシリーズ『SDガンダムR』に登場するMS(型式番号:F99R (F99-R) )。

名前に冠せられた「R」は、アルファベットのRに由来。R型のエンブレムを額にかざす事で、状況に応じた形態へと自在に変身する。なお『SDガンダムR』には、他にもアルファベットを冠したガンダムが多数登場している。

SDガンダムの機体であったが、後にリアル等身にデザイン(アスキーの雑誌「G20」にデザイン画が掲載された)されており、リアル作品として展開する計画もあったらしい。そのため「F99R」 (F99-R) の型式番号が付けられている。

デザイン
外観はシャッコーのデザインへと繋がるものである。また、ヴィクトリーガンダムV2ガンダムと似たようなデザインのハードポイントを四肢に持つ。デザインは、かげやまいちこ(レイアップ)。

F0シリーズ

F0のNo.1という型番の機体が存在していると言われるが詳細は不明である。ガンダムF90のZタイプだともいわれている。

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

参考文献

  • 講談社 「ガンダムマガジン」第1号 - 第6号(1990年 - 1991年発行)
  • ラポート ラポートデラックス『機動戦士ガンダムF91』(1991年発行)
  • バンダイ 「MJ(模型情報)」別冊『SUPER MJ 機動戦士ガンダム最新MS造形資料集』
  • メディアワークス 『機動戦士ガンダム MS大全集2006』(2006年発行)
テンプレート:宇宙世紀
  1. バンダイ発行の雑誌「模型情報」別冊『SUPER MJ 機動戦士ガンダム最新MS造形資料集』による。
  2. 2.0 2.1 2.2 角川書店『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ』113〜116頁。
  3. 機動戦士ガンダムUC 小説版公式サイト[1]より。
  4. プラモデル『1/100 ガンタンクR-44』取扱説明書より。
  5. バンダイ『SUPER MJ 機動戦士ガンダム最新MS造型資料集』82頁。
  6. 『B-CLUB』vol.70よりテンプレート:Full
  7. 7.0 7.1 7.2 『機動戦士ガンダムF91 オフィシャルエディション』62頁。 引用エラー: 無効な <ref> タグ; name "oe"が異なる内容で複数回定義されています
  8. ロールアウト時期については『ENTERTAINMENT BIBLE.52 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.8 SPECIAL ガンダム大鑑】』54頁に宇宙世紀0116年7月、月刊B-CLUB74号MSジャーナル ダイジェスト版 第5号 冬の大サービス号 U.C.0122.12.05に宇宙世紀0122年11月20日に月のサナリィ開発部により試作1号機が公開されたとする資料がある。なお、劇中ではジェガンに搭乗した連邦兵及び投降したアンナマリーが新型機と認識する旨の発言がある。また小説内において新型機とする記述がある。
  9. 『ニュータイプ100%コレクション機動戦士ガンダムF91』よりテンプレート:Full
  10. モデルグラフィックスよりテンプレート:Full
  11. 『機動戦士ガンダムF91 オフィシャルエディション』バンダイ、59頁。
  12. プラモデル『MG 1/100 ガンダムF91』取扱説明書より。
  13. 13.0 13.1 『データコレクション8 機動戦士ガンダムF91』 メディアワークス、75〜76頁。
  14. 『機動戦士ガンダムMS大図鑑【PART.5 C・バビロニア建国戦争編】』バンダイ、59頁。
  15. 敵MSを撃墜した際にパイロットの生死をシーブックに伝える、劇中中盤に、V.S.B.R.の存在をシーブックへ認識させる、ラフレシアとの決戦前に、連邦の月軌道艦隊の被害状況を伝える等の描写がある。
  16. バイオセンサーに関しては劇中1時間10分頃にシーブックの発言がある。
  17. 『機動戦士ガンダムMS大図鑑【PART.5 C・バビロニア建国戦争編】』バンダイ、62頁。
  18. 『ガンダムMSヒストリカ Vol.6
  19. メディアワークス「MS回顧録」、旭屋出版コミックス「機動戦士ガンダムF91劇場用アニメ映画フィルムコミック」。
  20. ">『機動戦士ガンダムF91 オフィシャルエディション』54,55頁
  21. 『機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート』では、この時の戦いが「月刊MS」なる雑誌に「名勝負10選」として選出されたと語られている。
  22. 【BUILD MS 8弾】ピックアップミッション掲載のIF設定より。
  23. 書籍『データガンダム キャラクター列伝[宇宙世紀編II]』153頁。
  24. この人物が、『機動戦士Vガンダム』に登場した同名のキャラクターであるかは不明。