ドバイワールドカップ
テンプレート:競馬の競走 ドバイワールドカップ(ドバイWC、またはドバイW杯とも。テンプレート:Lang-ar,テンプレート:Lang-en)は、アラブ首長国連邦を構成する首長国の一国であるドバイの競馬の競走である。毎年3月下旬の土曜日にメイダン競馬場のオールウェザー2000mで行われる。
概要
1995年に、同国の王族で国防大臣であり、また世界有数のオーナーブリーダーでもあるシェイク・モハメドが、当時の世界最高賞金レースだったアメリカのブリーダーズカップ・クラシックを超える賞金の競馬の競走を設立を考案し、誕生した国際レースである。
同競走の出走条件はサラ系北半球産は4歳以上、南半球産は3歳以上と北半球と南半球で出走年齢が分けられている。負担重量は南半球産の3歳馬が54.5キロ、それ以外が57キロ、牝馬は2キロ減と定められている。
総額賞金は世界最高金額の1000万ドルで1着賞金600万ドル、以下2着から6着までにそれぞれ200万ドル、100万ドル、50万ドル、30万ドル、20万ドルの賞金が与えられる[1]。
その名に相応しく世界各国の最強馬クラスの競走馬が参戦する世界最高峰のサラブレッド種による競走とされる。同日にはドバイミーティングと題して「アルクォズスプリント」「ドバイシーマクラシック」「ドバイデューティーフリー」「ドバイゴールデンシャヒーン」など複数の国際招待レースが開催され、ドバイのみならずアラブ首長国連邦の競馬の祭典として定着している。
歴史
1996年に第1回競走が行われ、第3回の1998年から国際G1競走として施行されている。
1999年から2002年までワールドシリーズ・レーシングチャンピオンシップに参加していたがアラブ首長国連邦の主要航空会社であるエミレーツ航空のスポンサー撤退が影響し、2003年から突然同シリーズから撤退した。
2006年は2位入線のブラスハットが競走後の検査で禁止薬物が検出されたため失格となった。同馬の関係者から「現地主催者の規約に従って治療用の薬を投薬したもの」として異議申し立てがあったものの同年6月28日の裁定の結果、失格は覆らず賞金は没収され同馬の調教師には罰金が課された。
2009年までは同じドバイのナド・アルシバ競馬場のダート2000mで施行されており、アメリカのケンタッキーダービーやブリーダーズカップクラシックと並ぶダートの世界最高峰の競走として位置づけられた。またダートのレースながら芝のG1で勝利経験のある、もしくは後に勝利する馬も多く欧州所属馬の参戦も多かった。特にメイダンに移行した後勝ち馬4頭のうち、3頭は芝のG1に勝利し、かつダート(AW)の重賞は未勝利の馬である。
2013年、オールウェザー移行後初めて米国のダートG1勝ち馬が参戦し、かつ勝利した。
年表
- 1996年 - 創設。ナド・アルシバ競馬場のダート2000mで施行。
- 1997年 - 3月29日に施行予定も大雨で延期。1週間後の4月3日に順延開催。
- 1998年 - 国際リステッドから国際G1に認定。
- 1999年 - ワールドシリーズ・レーシングチャンピオンシップに参加。エプソムダービー優勝馬ハイライズ(High-Rise)とケンタッキーダービー優勝馬シルバーチャーム(Silver Charm)が出走し、1923年のパパイラス(Papyrus)とゼヴ(Zev)によるマッチレース以来史上2度目の英米ダービー馬対決となる(前者8着、後者6着)。
- 2000年 - アラブ首長国連邦のドバイミレニアム(Dubai Millennium)がコースレコード1:59.50で圧勝。
- 2001年 - 日本のトゥザヴィクトリー(To The Victory)が2着に健闘。牝馬による初の賞金獲得。
- 2003年 - ワールドシリーズ・レーシングチャンピオンシップから撤退。
- 2006年 - 2位入線のブラスハット(Brass Hat)が失格。
- 2009年 - ウェルアームド(Well Armed)が2着に14馬身の差を付け圧勝。また、騸馬による初優勝。
- 2010年 - 開催場がメイダン競馬場に移行し、施行条件がオールウェザー2000mに変更。
- 2011年 - 日本のヴィクトワールピサ(Victoire Pisa)が日本勢で初優勝。2着には同じく日本のトランセンド(Transcend)が入り、史上4例目の海外G1競走における日本勢ワン・ツーフィニッシュとなる。
- 2013年 - ケンタッキーダービー馬アニマルキングダムが優勝。オールウェザー移行後の米国勢優勝は初。
- 2014年 - アラブ首長国連邦のアフリカンストーリー(African Story)が最年長7歳で優勝。なお米国勢が19回の開催で初の参戦が無かった。
- 2015年 - 施行条件がダート2000mに変更予定。
主なステップレース
- ドバイ地区
- マクトゥームチャレンジラウンド2(Maktoum Challenge RII) G2 北半球産4歳以上・南半球産3歳以上 オールウェザー1900m
- マクトゥームチャレンジラウンド3(Maktoum Challenge RIII) G1 北半球産4歳以上・南半球産3歳以上 オールウェザー2000m
- サウジアラビア
- 二聖モスクの守護者カップ(Custodian of the Two Holy Mosques Cup) 国内G1 北半球産4歳以上・南半球産3歳以上 ダート2400m
- アメリカ
- サンアントニオハンデキャップ(San Antonio Handicap) G2 4歳以上 ダート9ハロン
- ドンハンデキャップ(Donn Handicap) G1 3歳以上 ダート9ハロン
- サンタアニタハンデキャップ(Santa Anita Handicap) G1 4歳以上 ダート10ハロン
- 日本
- 有馬記念 国際GI 3歳以上 芝2500m
- 東京大賞典 国際GI 3歳以上 ダート2000m
- 川崎記念 統一JpnI 4歳以上 ダート2100m
- フェブラリーステークス 国際GI 4歳以上 ダート1600m
歴代優勝馬
回数 | 施行日 | 調教国・優勝馬 | 日本語読み | 性齢 | 勝時計 | 優勝騎手 | 管理調教師 |
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第1回 | 1996年3月27日 | テンプレート:FlagiconCigar | シガー | 牡6 | 2:03.84 | J.ベイリー | W.モット |
第2回 | 1997年4月3日 | テンプレート:FlagiconSingspiel | シングスピール | 牡5 | 2:01.91 | J.ベイリー | M.スタウト |
第3回 | 1998年3月28日 | テンプレート:FlagiconSilver Charm | シルバーチャーム | 牡4 | 2:04.29 | G.スティーヴンス | B.バファート |
第4回 | 1999年3月28日 | テンプレート:FlagiconAlmutawakel | アルムタワケル | 牡4 | 2:00.65 | R.ヒルズ | S.ビン・スルール |
第5回 | 2000年3月25日 | テンプレート:FlagiconDubai Millennium | ドバイミレニアム | 牡4 | 1:59.50 | L.デットーリ | S.ビン・スルール |
第6回 | 2001年3月24日 | テンプレート:FlagiconCaptain Steve | キャプテンスティーヴ | 牡4 | 2:00.40 | J.ベイリー | B.バファート |
第7回 | 2002年3月23日 | テンプレート:FlagiconStreet Cry | ストリートクライ | 牡4 | 2:01.18 | J.ベイリー | S.ビン・スルール |
第8回 | 2003年3月29日 | テンプレート:FlagiconMoon Ballad | ムーンバラッド | 牡4 | 2:00.48 | L.デットーリ | S.ビン・スルール |
第9回 | 2004年3月27日 | テンプレート:FlagiconPleasantly Perfect | プレザントリーパーフェクト | 牡6 | 2:00.24 | A.ソリス | R.マンデラ |
第10回 | 2005年3月26日 | テンプレート:FlagiconRoses in May | ロージズインメイ | 牡5 | 2:02.17 | J.ヴェラスケス | D.ローマンズ |
第11回 | 2006年3月25日 | テンプレート:FlagiconElectrocutionist | エレクトロキューショニスト | 牡5 | 2:01.32 | L.デットーリ | S.ビン・スルール |
第12回 | 2007年3月31日 | テンプレート:FlagiconInvasor | インヴァソール | 牡5 | 1:59.97 | F.ハラ | K.マクローリン |
第13回 | 2008年3月29日 | テンプレート:FlagiconCurlin | カーリン | 牡4 | 2:00.15 | R.アルバラード | S.アスムッセン |
第14回 | 2009年3月28日 | テンプレート:FlagiconWell Armed | ウェルアームド | 騸6 | 2:01.01 | A.グライダー | E.ハーティー |
第15回 | 2010年3月27日 | テンプレート:FlagiconGloria De Campeao | グロリアデカンペオン | 牡6 | 2:03.83 | T.ペレイラ | P.バリー |
第16回 | 2011年3月26日 | テンプレート:FlagiconVictoire Pisa | ヴィクトワールピサ | 牡4 | 2:05.94 | M.デムーロ | 角居勝彦 |
第17回 | 2012年3月31日 | テンプレート:FlagiconMonterosso | モンテロッソ | 牡5 | 2:02.67 | M.バルザローナ | M.アル・ザルーニ |
第18回 | 2013年3月30日 | テンプレート:FlagiconAnimal Kingdom | アニマルキングダム | 牡5 | 2:03.21 | J.ロザリオ | G.モーション |
第19回 | 2014年3月29日 | テンプレート:FlagiconAfrican Story | アフリカンストーリー | 騸7 | 2:01.61 | S.デソウサ | S.ビン・スルール |
- 馬齢表記は北半球の基準で表記している。
日本調教馬の成績
脚注
関連項目
- ブリーダーズカップ・クラシック - 下半期のダート世界最強馬決定戦
- チャンピオンズカップ - 日本のダート最強馬決定戦。2013年までの名称は「ジャパンカップダート」。
外部リンク
- Dubai World Cup - ドバイワールドカップ公式サイト
- Emirares Racing Association - アラブ首長国連邦の競馬統括団体
- AbuDhabist.com -ドバイおもしろニュース発信サイト-テンプレート:Ja icon
- ↑ 2009年までは賞金総額600万ドルで1着賞金は360万ドル、2着賞金は120万ドル、3着賞金は60万ドル、4着賞金は30万ドル、5着賞金は18万ドル、6着賞金は12万ドル。