フェブラリーステークス

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テンプレート:競馬の競走 フェブラリーステークスとは、日本中央競馬会(JRA)東京競馬場ダート1600mで施行する中央競馬重賞競走GI)である。競走名は2月を意味する英語「February」に由来[1]

正賞は日本馬主協会連合会会長賞、地方競馬全国協会理事長賞、全国公営競馬主催者協議会会長賞(2014年[2])。

概要

JRAが施行するダート重賞競走では、最も古い歴史を持つ競走である[3]

1984年に前身となる「フェブラリーハンデキャップ」が創設[3]、東京競馬場のダート1600mで施行され、当初はGIIIの格付けだった[3]1994年にGIIへ昇格するとともに負担重量も別定に変更、名称も「フェブラリーステークス」に改称された[3]

その後、中央競馬と地方競馬の交流競走が拡大されるなか、1997年には中央競馬のダート重賞競走として初めてGIに格付け[3]され、負担重量も定量に変更、国内の上半期のダート最強馬決定戦に位置付けられた[3]2007年からは国際競走に指定され、外国馬の出走も可能になった[3]

本競走で上位を争った馬からは、アラブ首長国連邦のドバイで行われる国際招待競走「ドバイミーティング」へ遠征するものも出るようになった[3]2011年の優勝馬トランセンドは、ドバイワールドカップで優勝したヴィクトワールピサと接戦の末、2着に入っている[3]

出走資格

  • 原則サラ系4歳(旧5歳)以上のJRA所属の競走馬、地方所属の競走馬(下記参照)及び外国調教馬(8頭まで)、出走枠は16頭まで。
  • 2014年より以下の競走における1着馬に、優先出走権が付与される[4]
優先出走権付与競走
競走名 格付 施行競馬場 施行距離
東海ステークス テンプレート:Color テンプレート:Flagicon中京競馬場 ダート1800m
根岸ステークス テンプレート:Color テンプレート:Flagicon東京競馬場 ダート1400m
  • JRA所属競走馬は以下の順で出走馬を決定する。
    • レーティング順位の上位5頭(2012年より。牡馬・セン馬は110ポンド、牝馬は106ポンド以上であることが条件)
    • 「通算収得賞金」+「過去1年間の収得賞金」+「過去2年間のGI(JpnI)競走の収得賞金」の総計が多い順
  • 地方競馬所属馬の出走馬選定はJRA所属馬と同一の基準で行う[5][6]2009年より)。

負担重量

  • 定量で牡馬・セン馬は57kg、牝馬は2kg減の55kgである。
    • 第1回から第10回まではハンデキャップ、GIIに格上げされた第11回から第13回までは別定。

コース

東京競馬場のダートコース、1600mを使用。

スタート直後の100m弱は芝コース上を通る設定となっている。長さ501mの最後の直線では、残り200mまで2.5mの勾配がある。

賞金

2014年の賞金総額は1億7940万円[7]。1着賞金は9400万円で、以下2着3800万円、3着2400万円、4着1400万円、5着940万円[2]

歴史

  • 1984年 - 5歳(現4歳)以上の馬によるハンデキャップの重賞競走「フェブラリーハンデキャップ」を新設。東京競馬場のダート1600mで施行、GIIIに格付け。
  • 1989年 - 混合競走に指定。
  • 1994年
    • GIIに昇格。
    • 名称を「フェブラリーステークス」に変更。
    • 負担重量をグレード別定に変更。
  • 1995年 - 指定交流競走に指定され、地方馬は5頭まで出走可能となる。
  • 1997年
    • GIに昇格。
    • 負担重量を定量に変更。
    • ダート競走格付け委員会により、GIに格付け(適用は1998年から)。
  • 1998年 - 1月下旬-2月上旬に開催時期を変更。
  • 2000年 - 2月下旬に開催時期を戻す。
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格が「5歳以上」から「4歳以上」に変更。
  • 2003年 - 東京競馬場の改修工事により中山競馬場のダート1800mで施行。
  • 2007年
    • 混合競走から国際競走に変更され、外国調教馬は8頭まで出走可能となる。また、国際GIに格付けされる。
    • 地方馬の出走枠が5頭から4頭に縮小。
  • 2009年 - この年より地方馬の出走資格はJRAが別に定める出走馬選定基準により選定された競走馬のみとなる。
  • 2012年 - 出走馬選定方法が変わり、レーティング上位5頭に優先出走を認める。
  • 2014年 - トライアル制を確立し、指定された競走の1着馬に優先出走を認める。

歴代優勝馬

国際競走となった2007年以降は優勝馬の国旗を表記する。

コース種別を記載していない距離は、ダートコースを表す。

競走名は第1回から第10回までが「フェブラリーハンデキャップ」、第11回以降は「フェブラリーステークス」。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 所属 勝時計 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1984年2月18日 東京 1600m ロバリアアモン 牡5 JRA 1:40.1 吉永正人 松山吉三郎 管浦一
第2回 1985年2月16日 東京 1600m アンドレアモン 牡6 JRA 1:36.9 中島啓之 松山康久 (株)アモン
第3回 1986年2月15日 東京 1600m ハツノアモイ 牡5 JRA 1:36.7 大塚栄三郎 仲住芳雄 仲川初太郎
第4回 1987年2月21日 東京 1600m リキサンパワー 牡6 JRA 1:36.5 柴田政人 高松邦男 岩井三郎
第5回 1988年2月20日 東京 1600m ローマンプリンス 牡7 JRA 1:37.7 増沢末夫 佐藤征助 (有)ロング商事
第6回 1989年2月18日 東京 1600m ベルベットグローブ 牡6 JRA 1:37.2 郷原洋行 大久保房松 栗林英雄
第7回 1990年2月17日 東京 1600m カリブソング 牡4 JRA 1:36.7 柴田政人 加藤修甫 (株)荻伏牧場レーシングクラブ
第8回 1991年2月16日 東京 1600m ナリタハヤブサ 牡4 JRA 1:34.9 横山典弘 中尾謙太郎 山路秀則
第9回 1992年2月22日 東京 1600m ラシアンゴールド 牡4 JRA 1:35.4 蛯名正義 大久保洋吉 大原詔宏
第10回 1993年2月20日 東京 1600m メイショウホムラ 牡5 JRA 1:35.7 柴田政人 高橋成忠 松本好雄
第11回 1994年2月19日 東京 1600m チアズアトム 牡5 JRA 1:37.8 本田優 星川薫 北村キヨ子
第12回 1995年2月18日 東京 1600m ライブリマウント 牡4 JRA 1:36.4 石橋守 柴田不二男 加藤哲郎
第13回 1996年2月17日 東京 1600m ホクトベガ 牝6 JRA 1:36.5 横山典弘 中野隆良 金森森商事(株)
第14回 1997年2月16日 東京 1600m シンコウウインディ 牡4 JRA 1:36.0 岡部幸雄 田中清隆 安田修
第15回 1998年2月1日 東京 1600m グルメフロンティア 牡6 JRA 1:37.5 岡部幸雄 田中清隆 石井政義
第16回 1999年1月31日 東京 1600m メイセイオペラ 牡5 岩手 1:36.3 菅原勲 佐々木修一 (有)明正商事
第17回 2000年2月20日 東京 1600m ウイングアロー 牡5 JRA 1:35.6 O.ペリエ 工藤嘉見 池田實
第18回 2001年2月18日 東京 1600m ノボトゥルー 牡5 JRA 1:35.6 O.ペリエ 森秀行 (有)池ばた
第19回 2002年2月17日 東京 1600m アグネスデジタル 牡5 JRA 1:35.1 四位洋文 白井寿昭 渡辺孝男
第20回 2003年2月23日 中山 1800m ゴールドアリュール 牡4 JRA 1:50.9 武豊 池江泰郎 (有)社台レースホース
第21回 2004年2月22日 東京 1600m アドマイヤドン 牡5 JRA 1:36.8 安藤勝己 松田博資 近藤利一
第22回 2005年2月20日 東京 1600m メイショウボーラー 牡4 JRA 1:34.7 福永祐一 白井寿昭 松本好雄
第23回 2006年2月19日 東京 1600m カネヒキリ 牡4 JRA 1:34.9 武豊 角居勝彦 金子真人ホールディングス(株)
第24回 2007年2月18日 東京 1600m テンプレート:Flagiconサンライズバッカス 牡5 JRA 1:34.8 安藤勝己 音無秀孝 松岡隆雄
第25回 2008年2月24日 東京 1600m テンプレート:Flagiconヴァーミリアン 牡6 JRA 1:35.3 武豊 石坂正 (有)サンデーレーシング
第26回 2009年2月22日 東京 1600m テンプレート:Flagiconサクセスブロッケン 牡4 JRA 1:34.6 内田博幸 藤原英昭 高嶋哲
第27回 2010年2月21日 東京 1600m テンプレート:Flagiconエスポワールシチー 牡5 JRA 1:34.9 佐藤哲三 安達昭夫 (株)友駿ホースクラブ
第28回 2011年2月20日 東京 1600m テンプレート:Flagiconトランセンド 牡5 JRA 1:36.4 藤田伸二 安田隆行 前田幸治
第29回 2012年2月19日 東京 1600m テンプレート:Flagiconテスタマッタ 牡6 JRA 1:35.4 岩田康誠 村山明 吉田和美
第30回 2013年2月17日 東京 1600m テンプレート:Flagiconグレープブランデー 牡5 JRA 1:35.1 浜中俊 安田隆行 (有)社台レースホース
第31回 2014年2月23日 東京 1600m テンプレート:Flagiconコパノリッキー 牡4 JRA 1:36.0 田辺裕信 村山明 小林祥晃

フェブラリーステークスの記録

  • レースレコード - 1:34.6(第26回優勝馬サクセスブロッケン)
  • 最多勝騎手 - 3勝
    • 柴田政人(第4、7、10回)
    • 武豊(第20、23、25回)
  • 最多勝調教師 - 2勝
    • 田中清隆(第14、15回)
    • 白井寿昭(第19、22回)

脚注・出典

注釈

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出典

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各回競走結果の出典

  • 『中央競馬全重賞競走成績集 平成18年版』「G1編」日本中央競馬会・刊、2006、p1397-1433「フェブラリーステークス」より
    • 1984年、1985年、1986年、1987年

関連項目

外部リンク

テンプレート:中央競馬の重賞競走

テンプレート:ダートグレード競走
  1. テンプレート:PDFLink - 日本中央競馬会、2014年7月27日閲覧
  2. 2.0 2.1 テンプレート:PDFLink - 日本中央競馬会、2014年7月27日閲覧
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 今週の注目レース(第31回フェブラリーステークス) - 日本中央競馬会、2014年6月21日閲覧
  4. テンプレート:PDFLink - 日本中央競馬会、2014年7月27日閲覧
  5. テンプレート:Cite web(5ページを参照)
  6. テンプレート:Cite web(6ページを参照)
  7. 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「GDR2014」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません