ダース・ベイダー

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ダース・ベイダーDarth Vader)は、ジョージ・ルーカス映画スター・ウォーズ・シリーズ』に登場する架空の人物で、歴史上最後のシスの暗黒卿[1]。作中における、代表的なアンチヒーローでもある。

大柄でがっちりとした体型に全身黒ずくめの衣装、顔を隠すマスク、不気味な呼吸音で見る者に強烈な印象を残すキャラクターである。またテーマ音楽であるインペリアル・マーチ(帝国のマーチ、ベイダーのテーマ)は映画のテーマ曲と並んで有名。初期の劇中での存在感から、威圧的・高圧的人物や悪の大ボス等の代名詞とされることも多く、「AFI アメリカ映画100年のヒーローと悪役ベスト100」(2003年)の悪役部門で第3位に選出されている。

日本語字幕の名前の表記は「ダース・ベイダー」であるが、近年の小説やゲームなどのスピンオフ作品では「ダース・ヴェイダー」が使われている。このほか、「ダース・ベーダー」という表記も見られる。

概要

旧共和国時代

かつてジェダイであった時の名前はアナキン・スカイウォーカー

その人生は、正にジェダイの予言にある「フォースにバランスをもたらす者」を体現した者であった。なお、スター・ウォーズ・シリーズでジェダイおよびシスの中でも(単純な戦闘能力に限って)最強のフォースの持ち主とされるのは、ジョージ・ルーカスの発言ではサイボーグになる直前の五体満足な(ただし厳密には、この時点ですでに生身の右手を失ってはいるが)状態の彼であるとのことである。

元はジェダイの騎士の一人であったが、愛する者を守りたいという純粋な願望と若さ故の激情から、ジェダイの掟を重ね重ね破ってしまう。特に、妻パドメ・アミダラが死の運命にあるという予知夢を見た後は、妻を救う力を得たいと願うあまりにシスの暗黒卿ダース・シディアス(パルパティーン/後の銀河帝国皇帝)の甘言に屈し、ジェダイの騎士メイス・ウィンドゥの殺害に手を貸してしまい、引き返す道を絶たれた状態でシスに転向して「ダース・ベイダー」という名前を与えられた。直後、秩序を取り戻すという名目でクローン・トルーパー第501大隊を率いてジェダイ聖堂を襲撃し、そこにいた子供を含む全てのジェダイを虐殺、さらにパルパティーンの命により辺境の惑星ムスタファー独立星系連合の幹部達も抹殺した。

完全に暗黒面に魅入られたベイダーの望みは、この時点で「妻を救う」から「銀河の単独支配」へと移行しており、彼の身を気遣ってムスタファーを訪れたパドメ・アミダラに、パルパティーンを倒し、自分と共に銀河を支配し思うがままに生きようと誘う。しかし彼女が暗黒面に魅了され様変わりしてしまった彼を否定し、彼の誘惑を拒絶したこと、さらに(彼女の意図したものではないとはいえ)その場にオビ=ワン・ケノービを連れて来ていたことを、オビ=ワンに自分を殺させようとしていると誤解したことにより、彼は非力なパドメにフォースグリップを行使し、昏倒させてしまう。そしてかつての師に怒りの矛先を向けて戦いを挑む。暗黒面の力によりオビ=ワンと互角以上の実力を発揮するが、地の利を得たオビ=ワンに一瞬の隙を突かれ、左腕と両足を切り落とされ敗北。暗黒面に堕ちたかつての弟子を哀れむオビ=ワンに、彼はもはや憎しみしか抱いていなかった。溶岩の熱で服が発火して全身に火傷を負い、自然呼吸も不可能な体となってしまった。危機を察して駆けつけたパルパティーンにより救出され、サイボーグ化手術を施されて一命は取り留めたものの、パルパティーンが自身やヨーダをも超えると期待されたフォースの潜在能力は、戦傷と火傷により生身の肉体の大半が失われた為、その才能のすべてが開花することなく失われてしまう(この時パルパティーンは、ベイダーが自らの障害にならなくなったことを悟り笑みを浮かべている)。

銀河帝国時代

銀河帝国の立ち上げ時から皇帝パルパティーンの片腕として活動した彼だが、必ずしも最初から帝国のナンバー2の地位にいた訳ではないことを、エピソード4におけるデス・スターの幹部達との対比が物語っている。デス・スターの会議において他の幹部たちが全員着席している中、ベイダーは起立したままであり、さらに司令官の一人であるモッティ提督には舐めきった態度で馬鹿にされ[2]、そしてターキン総督に至ってはベイダーより上位者として振る舞い、ベイダーもそれに服従している描写がある。

その状況は、反乱同盟軍によるデス・スターの破壊によって大きく変わることになる。デス・スターの破壊によって、治安の悪いアウター・リムを統治していたターキン総督をはじめとする権力者たちが一気に死亡、各地で反乱の火の手が上がり、反乱同盟軍が急速に勢力を拡大した。皇帝はこれを鎮圧すべく、『エピソード5 帝国の逆襲』において、ベイダーにあらゆる政治的束縛、手続、規制を受けない特権を与え、また第一級の艦船からなる機動艦隊『死の小艦隊』の指揮を任せた。反乱の追撃・鎮圧にあたるベイダーの行動は冷徹かつ迅速確実で、部下の失態にも容赦がなく、ケンダル・オゼル提督などがフォースグリップで処刑されている[3]

息子であるルーク・スカイウォーカーに対しては、皇帝すら凌ぐ可能性を持った才能に目をつける。自身がルークの父親であることを告げて、自らの手ほどきでフォースの暗黒面に引き込み、まだ開花していないルークの潜在能力を開花させようと考え、皇帝を倒し親子で銀河を支配しようと誘うが、拒否されてしまう。それに対して、既にベイダーの野心とルークの高い潜在能力に気付いていた皇帝は、ルークをベイダーに替わる新しい弟子とするべく、ベイダーとルークの戦いの場をセッティングした。この戦いの最中、ベイダーは不用意な言動でルークの逆鱗に触れてしまい、激情に任せたルークの激しい攻撃にライトセーバーごと右手首から先を切り飛ばされ追い詰められてしまう。ルークが激情に走り怒りと憎しみに任せてベイダーを打ち倒したのを見計らって、皇帝はルークに対してもはや戦意を喪失したベイダーを殺害するように教唆する。これはかつて皇帝がベイダーを暗黒面に篭絡させるために行った教唆の一つ(無力化した相手を殺害する)と同じものである。しかしルークのとった行動は、追い詰められたドゥークー伯爵の命を奪った若き日のベイダーとは全く違う、ジェダイの騎士としてあくまでも毅然としたものであった。ルークの「かつての父がジェダイだった」という言葉とフォース・ライトニングに撃たれながらも父の良心を信じ続ける叫びに心を打たれ、自らがクワイ=ガン・ジンに予測された“選ばれし者”(フォースにバランスをもたらす者)であるをこと思い出したベイダーは、フォースの光明面の体現者であるジェダイに帰還した。ジェダイ騎士として、捨て身の覚悟で皇帝を第2デス・スターの巨大な換気口に放り投げて倒し、選ばれし者としての使命を果たしたのである。

が、皇帝のフォース・ライトニングを受けて生命維持装置を破壊されてしまい、ベイダーの命も風前の灯となってしまう。瀕死のベイダーはルークにマスクを外してもらい、自身の目で息子の成長した姿を確め、息子の腕の中で静かに息を引き取った。遺体はルークの手で第2デス・スターから運び出されて荼毘に付され、その魂はフォースと一体となり、オビ=ワンやヨーダと共にルークを見守るようになった。

スピンオフ作品では、娘レイア・オーガナの前に霊体として現われ、惑星オルデランを破壊した自らの非を詫びたり、復活したパルパティーンによってルークがダークサイドに魅了されそうになる危機を伝えるために現われたりという描写がある。またスローン大提督の前に反乱軍が勝利を収めたのは、レイアが彼の娘であり、合わせて彼女がノーグリの信頼を勝ち得たためである。

能力

戦闘能力
四肢を失ったことで、パルパティーンが期待していたフォースの潜在能力を発揮できなくなったことを差し引いても、パルパティーンに暗黒面の攻撃的なフォースの使い方を学んだ事と、持ち前のライトセーバーの戦闘技術やスターファイターの操縦技術は依然として高い実力を保持していた(エピソード4では同盟軍の戦闘攻撃機のデス・スター総攻撃に際し、自身専用のTIEアドバンスドX1に搭乗して同盟軍機を迎え撃っている)[4]ため、パルパティーンに見限られることはなかった。
司令官として
皇帝同様、非常に冷酷非情な司令官として部下たちに恐怖を植え付けていた。失態を犯した部下に対しては容赦なくフォースグリップで処刑し、代わりの者を昇格させている[3][5]ただし、デス・スターの建造が遅れており、言い訳ばかりする部下に対して「皇帝陛下は私のように優しくないぞ」と語るなど、皇帝に比べるとある程度の寛容さはあったようである。
帝国軍の総司令官でありながら自ら進んで戦線に立つことも多く、エピソード4では同盟軍の戦闘攻撃機のデス・スター総攻撃に際し自身の専用機に搭乗して同盟軍機を迎え撃っている。

キャラクター制作

名前は「ダーク・ファーザー」のもじりであり、ルーカス自身の父親との確執が反映されたキャラクターであると言われている。実際オランダ語で父親のことをvader(ファーダー)と言う。

また、身に着けているヘルメットマスク、装甲服、マントは、いずれもフォースの暗黒面を象徴しているかのように黒い。頭を全て覆うヘルメット及びマスクは、仙台市博物館所蔵の「黒漆五枚胴具足 伊達政宗所用」のを参考にしている[6]が、他にもドイツ軍のフリッツヘルメットなども参考にしているとされる。R2-D2C-3POなども担当したテンプレート:仮リンクによってデザインされた[7]

エピソード4-6で使用された彼のマスクは、形状が左右対称ではなく[8]、マスク部分のシルバーとガンメタルの塗り分けも左右で違うものだった。マスクを制作したブライアン・ミュアーによると、ロボットに見えないよう左右で表情を付けるためにこのようにしたとのことである[9]。作品ごとに新しく製作されていた為、3作で微妙にデザインや塗り分け、色味が異なる。エピソード3で再登場するにあたって旧三部作のデザインから若干変更があり、片側だけ製作した型をコンピュータによって左右反転コピーするという方法で形状が左右対称になった他、マスク部分が若干小型化され、シルバーとガンメタルの塗り分けが無くなり黒1色の塗装となっている[10]

ヘルメットと仮面を外したベイダーの頭部には大きな刀傷がみられる。この傷はオビ=ワン・ケノービとの死闘の際に負ったもので、旧3部作では、この傷が元で生命維持装置が必要になったという設定だった。しかし、その戦いが描かれたエピソード3では、溶岩の熱によって全身を焼かれたために、生命維持装置が必要になったという設定に変更された。溶岩に焼かれている最中に、この傷を負ったことになっている。

2012年10月12日ABC朝日放送「Oh!どや顔サミット」芸能界!最強2世集合親は大スター〇秘大暴露自宅も公開しますSPの放送内にて、三船美佳が語るに『ジョージ・ルーカス監督が、三船敏郎の熱烈なファンであり、オビ=ワン=ケノビ役のオファーがあったが、「子供騙しな役は嫌だ!」との理由で断り』それならばと『ダース・ベイダー役では?』と再度、依頼があるも、同理由で断った。もし、出演が決まっていたなら、頭を全て覆うヘルメット及びマスクではなく、メイクでの出演であった。

三船敏郎のイメージを残したかったルーカスは、前述のように日本の兜や三船の顔をモチーフとして取り込んだとされる。

演技

顔をマスクで覆っており、身振りと声のみで台詞を表現するキャラクターであるため、声は別人がアフレコで演じている。これを利用して、エピソード5でルークに自らが父親であることを明かすシーンでは、関係者からのネタバレを防ぐ為、スーツアクターには偽物の台詞を与えていたというエピソードがある。試写会で本当の台詞を聞かされたスーツアクターは、驚愕したという。

その偽物の台詞とは、エピソード4でオビ=ワンから父親を殺したのはベイダーであると教えられていたルークに対し、反論としてベイダーが「オビ=ワンこそがお前の父親を殺した犯人だ」と糾弾するという、一応もっともらしいもの[11]であり、撮影現場全体がこの偽物の台詞をもとに撮影・演技をしていた。

台詞が偽物であることと本物の台詞を知っていたのは、ルーカスとアービン・カーシュナーとルーク役のマーク・ハミル、そして吹き替えの時に知らされたジェームズ・アール・ジョーンズのみであったとされており、登場人物では唯一ハミルだけが「お前の父は私だ」という真の台詞を基に演技をしていた[12]。脚本が漏れることを極度に警戒したための措置である。なお、オビ=ワンは結果的に「父親を殺したのはベイダーである」とルークを騙したことになるが、エピソード6にはこのことへのフォローのシーンがある。

父親であることを明かすシーン及びその台詞は、シリーズでも特に有名な場面であり、数多くの作品でパロディーがみられる。

配役

スター・ウォーズ・シリーズ』全作に出演した人間のメインキャラクターの一人であり、旧3部作のメインキャラクターの中で最初にスクリーンに登場した人物である。シリーズ全体の主人公といえるキャラクターで、演じた俳優も実に5名にのぼる。旧三部作部分(サイボーグ時代)を中心に本節に記述する。

デビッド・プラウズ(デイブ・プラウズ)
エピソード4〜6でサイボーグのスーツアクターとして動きを演じたイギリス人俳優。ボディビルダーでありウエイトリフティングの選手でもあった。198cmの身長と並外れた胸板の厚さを持ち、ベイダーの体格を印象付けている。一方で出身地であるブリストル特有の訛りが強く声を別に用意する必要があった。また剣劇は苦手で、エピソード4では寸止めを誤ってライトセーバーのプロップを何本も折ってしまったため、エピソード5以降はボブ・アンダーソンがスタントに入った。
オーディションではチューバッカもしくはベイダーのどちらかを演じてほしいと言われ、「チューバッカは暑そう」「猿は嫌だ」という理由でベイダー役を選んだ。
体格を生かした怪物役が多く、特にフランケンシュタインの役は複数回演じている。一方で、素顔での出演は時計じかけのオレンジ以外にほとんど無い。
ジェームズ・アール・ジョーンズ
旧三部作、及びエピソード3で訛りのあるプラウズに代わってベイダーの機械合成の声を担当。クレジットはされていなかった。
セバスチャン・ショウ
エピソード6において息子ルークに素顔を見せるシーン、フォースと一体化しルークを見守るシーンで登場。劇場公開版・ビデオ版ではともにスーツアクターとは別人であるショウが演じた。2004年のDVD化において、ラストに霊体となってルークを見守るシーンはヘイデンに差し替えられたため、ショウのジェダイ姿は限定版の劇場公開版DVDでしか見ることができなくなっている。
ヘイデン・クリステンセン
サイボーグ前のアナキン、およびベイダーを演じる。2004年発売のデジタルリマスターDVD版において、エピソード6でのルークを見守るシーンのアナキンの霊体もヘイデンに差し替えられている。またマスクを取って素顔を見せるシーンでも、ショウの瞳と睫毛がCG合成でヘイデンと同じ色に書き換えられている。
エピソード3でサイボーグとなった姿は、負傷前を演じていたヘイデンが引き続き担当。ヘイデンは身長188cmと長身だが、198cmのプラウズが演じていたベイダーになるにはまだ小さく、10cm近い上げ底のブーツを使っている。
ジェイク・ロイド
エピソード1において幼少期のアナキンを演じる。ゲーム版でも声優を務めた。
ボブ・アンダーソン
エピソード5・6で剣劇の苦手なブラウズに代わってスタント、殺陣を演じたイギリス人のスタントマン。俳優としても活動しており、エピソード5では端役として出演している。
元フェンシングのオリンピック選手であり、ホビットロード・オブ・ザ・リング暗黒の戦士 ハイランダーなど多数の映画で剣技指導を担当している。
その他
ゲーム作品ではマット・スローン、スコット・ローレンスが声を担当することが多い。
ポージングなどでは、ピーター・ダイヤモンド、特別編と公式イベントやグッズ写真では、C・アンドリュー・ネルソンが演じている。

演者・関係者の来日

スターワルツ企画・運営の非公式イベントでは、1999年より、デイブ・プラウズ、C・アンドリュー・ネルソン、マット・スローンらが来日し、ベイダーの演じわけを公表したが、記録は一般には発表されていない。ベイダーマスク製作者のブライアン・ミューアーも、2010年に招聘され、左右非対称な仮面は、ジョージ・ルーカスの指示で、ロボットではなく、人間性を暗示するようにデザインされたことが語られた。

日本語吹き替え声優

日本語版

脚注

  1. スピンオフ作品ではこの後の新共和国時代に新たなシスやその他のダークジェダイ等といったダークサイドのフォースの使い手が登場する。
  2. これはフォースの力を全く信じておらず、実力を正しく把握していなかったことにもよる
  3. 3.0 3.1 息子と対面してからはその傾向はなくなっており、一度もフォースグリップを使用していない引用エラー: 無効な <ref> タグ; name "computer"が異なる内容で複数回定義されています
  4. エピソード4では老齢により衰えたとはいえかつて敗れたオビ=ワンを倒し、エピソード5においては修行が不完全なルークをほとんど片手で圧倒している
  5. このことはベイダーが総司令官に君臨してからは昇格が異常なほど速いペースで行われている理由になっている(今までは帝国軍の昇格は遅いものだった。)。
  6. http://www.city.sendai.jp/soumu/kouhou/s-new9/page01.html
  7. テンプレート:Citeweb
  8. マスク口元やヘルメット上部にかなり大きな歪みがある。
  9. 月刊モデルグラフィックス2010年10月号 p45
  10. マスクの製作担当者曰く、旧3部作のベイダーのマスクとヘルメットが非常に巨大なのは、スーツアクター:デビッド・プラウズの頭が非常に大きかった為で、ヘイデンの頭のサイズに合わせると同時に、生まれたばかりのベイダーの若さをイメージしたとのこと(エピソード3DVDのメイキングより)。
  11. 新3部作が完結した現在から見れば、事実、人間としてのアナキン・スカイウォーカーに対して引導を渡したのはオビ=ワンであり、あながちこの台詞も間違いではなく、ベイダー本人がそう感じていても不思議はない。
  12. ルーカスと監督から「これからデビッドが台本とは違う台詞をしゃべるが、気にしないで演技を続けてくれ」と言われたそうである。

関連項目

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