エリア51

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ファイル:Wfm area 51 landsat geocover 2000.jpg
エリア51。左下に空軍基地、その北東に滑走路とグルーム乾燥湖 (Groom Dry Lake)が拡がる。

エリア51Area 51)は、アメリカ空軍によって管理されているネバダ州南部の一地区。正式名称は、グレーム・レイク空軍基地

概要

アメリカ軍機密の航空機のテストを古くから行っていたとされ、近年では、特にステルス機の試験飛行を行っていると考えられている。また、「墜落したUFOが運び込まれているのではないか」とか、「ロズウェル事件と関係しているのではないか」さらに、「グレイと呼ばれる宇宙人が居るのではないか」とも疑われていたが、軍事機密解除を受け、元職員が録音下で証言を行ない否定されている。

いずれにしても、何らかの機密事項が基地内に存在することから、基地の敷地周辺の立ち入りはもちろん、撮影も一切禁止されており、これを無視して進み憲兵衛兵に見つかった場合は逮捕され、処罰される。特に不審な場合は警告無しに発砲される事もある。

所在地

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エリア51、NAFR、及び NTS を見られる地図

エリア51はラスベガスの北北西約200km、アメリカ合衆国ネバダ州リンカーン郡のおおよそ60 sq. mi. / 155 km²神奈川県川崎市ほど)の土地に設置されており、広大な(4687 sq. mi. / 12139 km²、新潟県に匹敵する)ネリス射撃場(Nellis Range Complex 略 NRC)の一部である。この地域はグルーム及び Papoose 山脈(それぞれ北部及び南部)並びに東の込み合った丘によって形作られた、広く大きいイミグラントバレーが形成されている。この2つの山脈の間にはざっと直径3マイル (5 km) はある乾燥したアルカリ性塩湖 (w:endorheic) 、グルーム乾燥湖(Groom Dry Lake:[[[:テンプレート:座標URL]]37_14_25_N_115_49_7_W_scale:100000 北緯37度14分25秒西経115度49分7秒])が広がっている。巨大な空軍基地はこの湖([[[:テンプレート:座標URL]]37_14_6_N_115_48_40_W_ 北緯37度14分6秒西経115度48分40秒])の南西部角上に設置されており、2つのコンクリート製滑走路(うち1つは湖に突き出るように伸びている)および湖上に4つの未完成滑走路がある。

高解像度衛星写真はこの施設の複合滑走路レイアウト上にいくつかの光が放たれている。

滑走路は、主滑走路がそれぞれの端で1000 x 100 ft (304 x 30 m) のオーバーラン用と共に長さ11,980 x 200 ft (3651 x 61 m)の 、1990年代に建設されたコンクリート製滑走路14L/32Rと、2番目の滑走路として長さ5,420ft x 150ft (1,652m x 45m)、誘導路が2つある12/30との、2つの滑走路を運営、所有している。また、大変不可解な、3番目の古い滑走路は正確に6マイル (9656 m) 長あり、コンクリート製12,500 ft、アスファルト製11,080 ft から構成されていて、現在5560 ft 及び2540 ft はそれぞれ、北及び南端上のアスファルトが取り除かれている為、3番目の古い滑走路は6マイル長すべてが全体的に使用されない状態であるが、現在はコンクリート部分の6,600 ft (2011 m) 長は滑走路14R/32Lとして、使用されている模様である。その為、2つの双子滑走路を形成する、無舗装湖上の滑走路は長さ11,270 ft (3435 m) 並びに横幅100から170 ft (30 から52 m) の大きさである。

アメリカ合衆国エネルギー省核兵器原子爆弾水素爆弾など)の多くのテスト場所となっている、ネバダ核実験場 (NTS) のユッカ平原地域 (Yucca Flats region) と境界線を共有している。w:Yucca Mountain核貯蔵施設はグルーム湖の南西おおよそ40マイル (64km) に置かれている。

名称 "Area 51" はNTSの古い地図(現在の地図に記載なし)に掲載されていると、多少物議をかもしているが、同じ名称の計画がネバダ・テスト場の別の場所で行われている。

この地域は北西のマーキュリー及びユッカ平原の西の両方の主要な舗装道路に加え、内部のNTS道路ネットワークに接続している。主要な湖から北東に、グルーム湖道路(幅広、未舗装状態)は込み入った丘を通過して至る所へ走っている。グルーム湖道路は元々グルーム流域内で鉱山のためにトラック道路として使用されていたが、その使命が終わって以来使用されている。

グルーム湖での活動

グルーム湖は通常の空軍基地でなく、最前線部隊は通常展開していない。むしろ新型飛行機向けの開発、テスト及び訓練段階の間に使用される。これまでに、U-2SR-71、及びF-117など偵察機やステルス機の試験飛行を行っている。いったんそれらの航空機は一般的に通常空軍基地へ移動し航空機を運営するアメリカ空軍によって受け取られる。グルームはしかしながら冷戦時代以降において、イスラエル軍鹵獲品としてや、時には盗品としてなど、いろいろな形で獲得した少数のソビエト製航空機の恒久的な分析及び訓練の本拠地として報道されている。

ソビエト軍及び情報機関のスパイ衛星は、当然のことながら冷戦の間グルーム湖地域の写真を撮っていたが、ソ連は基地についてささやかな事しか解明できていなかった。

Senior Trend / U-2 プログラム

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Blackbird (OXCART / A-10 / A-11 / A-12 / SR-71) プログラム

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Have Blue / F-117 プログラム

アメリカのステルス攻撃機、F-117に関する飛行試験のプログラム。エンジンに関するテスト終了後、機体は、真夜中に限定でネットをかぶされ、エリア51に移動され、各種飛行試験を行った。飛行試験は、1977年頃から1980年代近くまでかけて行われた

テストはあくまでも極秘で行われたものの、周辺住民には、「ガのような飛行物体」(実際にはテスト中のF-117。ステルス性を発揮させるための独特な形状がこう表現されたものと思われる)がたびたび目撃されていた。周辺の住民はたびたび「UFOを目撃する」事から、テスト中のF-117もあくまでUFOとしてしか捉えられていなかった。F-117は1981年に初飛行、翌1982年にアメリカ空軍に配備され、1988年に公式に存在が明らかにされた。なお、UFOとはアメリカ空軍用語で未確認飛行物体を意味する。F-117は秘密裏に研究開発され、その正体は長らく明かされていなかったので、周辺の住民にとってはまさしくUFOであった。

以後の活動

F-117が1983年に運用されて以来、グルーム湖での運営は弱まらず続けられている。空軍基地及び関連した滑走路システムは拡張され、ラスベガスからの民間コミューターを用いたデイリー便を続けている。空軍基地の現在の衛星写真を調査した後に、何人かの解説者は類似のラスベガスからの多数の通勤に加え、1,000人以上の住居が供給されたと見ている。1995年に連邦政府は今まで空軍基地を唯一見下ろせた近くの山を含む基地周辺の立ち入り禁止区域を拡張させた。その後、この地域の限定された眺めはいくつかの遠い山の頂上、特に東へ26マイル (42 km) 、Tikaboo 山頂([[[:テンプレート:座標URL]]37_20_40_N_115_21_32_W_ 北緯37度20分40秒西経115度21分32秒])からのみ可能となる。

グルームで想像上テストされた取りざたされる航空機は多様な機密のUAV、小型ステルスVTOL兵員輸送航空機、ステルス巡航ミサイル、及び仮説のオーロラw:hypersonic スパイ航空機が含まれる。

「エリア51 コミューター」

国防契約社EG&G(エドガートン、ゲルムシャウセン・アンド・グライヤー、現在はURSの一部門)はラスベガス市内のマッカラン国際空港に私有ターミナルを保有している。社名が塗装されていない多数のボーイング737をはじめとするジェット旅客機は、マッカラン国際空港からネバダ州南部の拡張された連邦運営地内でEG&G社によって運営されている場所までデイリー・シャトルサービスの運航を行っている。

それらの航空機は "Joint Air Network for Employee Transportation" または(あるいはジョーク) "Just Another Non-Existent Terminal" の頭文字だと言う、コールサイン (e.g., "JANET 6") はJANET ラジオを使用していると報道されている。経験豊富な航空会社パイロット向けの Las Vegas press の EG&G社の求人広告は政府身元保証のための適格者でなければならない。航空機はボーイング737型機及びいくつかの同種類のエグゼクティブ・ジェット機を含む、赤のストライプ に白で塗装されている 。

尾翼の数字はいくつかの通常の民間航空機リース会社が登録したものである。グルーム、w:Tonopah Test Range、NAFR 及び NTS 内の他の場所、並びに報道によればw:Naval Air Weapons Station China Lake へのシャトルだと言われている。出発及びマッカラン国際空港のEG&G社専用駐車場内の車を続けて観測している者は、毎日JANETで何千人単位で通勤していると見込んでいる。

バスはNTS境界を超えていくつかの小さな砂漠地帯コミュニティ内に暮らしている少数の従業員のためにチャーターされ、グルーム湖道路づたいにコミューターサービスとして運行されている(従業員がグルームまたはNTS 内の他の施設で働いているかさだかでない)。グルーム湖道路を走りクリスタルスプリングス (Crystal Springs)、アシュスプリングス(Ash Springs)、 アラモ(Alamo)に停車する。

UFOとの関連

「墜落したUFOを運び込み、宇宙人と共同研究をしている」という風説が非常に有名である。実際、基地周辺ではUFOらしき未確認飛行物体が頻繁に目撃されていると言われる。そのため、小説・映画等では格好のネタとして扱われることが多く、ハリウッド映画「インデペンデンス・デイ」やテレビドラマ「Xファイル」でも、侵略者に対するアメリカ政府の最終拠点・およびエイリアン研究施設として登場した。更に「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」ではロズウェル事件の宇宙人の死体が収容されていた。

一方で、宇宙人とは何の関係も無く、「アメリカ軍が極秘の超兵器を作っている」、あるいは「モラルを完全無視した人体実験や生物実験を行っている」からで、むしろエイリアン説はそれを隠蔽するためのデマにしか過ぎないとする見方もある(SR-91 オーロラ戦闘機など)。

しかしそのようなある意味で「現実的な」実験は各所にあるアメリカ軍基地でコッソリやれば良いのであって、わざわざ何をするか分からないような「変わった」愛好家の興味を引くようなデマを流す必要性があるのか疑問だという反論もある。

アメリカ政府の管轄地のため、立ち入り禁止区域に一歩でも侵入すると発砲されたり逮捕されたりする。取材は原則拒否、撮影も一切禁止されており許可を求めても断られて原則取材はできない。

最近、民間人が閲覧できる衛星画像の中でおそらく最も鮮明な画像を提供しているGoogle社のソフトウェア「Google Earth」で衛星画像を閲覧すると、奇妙な幾何学模様が散見されることが好事家の間で話題になった。しかし、現在ではそのような奇妙な幾何学模様はなくなっている。この幾何学模様は、最近の戦争での航空写真に、SAM陣形がおなじような幾何学模様を描いて映っているものが多々あり、SAM陣地であると思われる。

なお、アメリカ軍や政府はこの様な疑問に対して肯定も否定もしていないが、軍事機密の解除を受け、インタビューに応じた元職員5名により「エリア51にUFOは無い」とUFOの存在を全面的に否定する証言がなされた。

「Little A`Le`Inn」

この周辺にはあわよくばUFOを見ようと多くの観光客(や研究家)が集まってきており、彼らを目当てに飲食類やみやげ物を販売するものも多い。その中でも、「小さな異星人(Little Alien/リトル・エイリアン)」に掛けた名前のモーテル「Little A`Le`Inn(リトル・エイ・リ・イン)」が世界的に有名である。

政府の見解

ファイル:Gisela Giardino - Area 51 (by-sa).jpg
エリア51の境界に立つ警告看板

一般に販売されている地図や「Google Earth」にまで掲載されているのみならず、存在を隠すことができないほど広大であり、その存在が世界的に有名になってしまったにもかかわらず、長年アメリカ政府およびアメリカ軍はエリア51の存在をはっきりと認めず、公式に否定もしていなかった。なお、アメリカ政府の作成する地図にもエリア51は一切記載されていない。

一部ではジョークのネタにもなるような存在になっていながら、エリア51においてアメリカ政府およびアメリカ軍にとって重要かつ極秘にすべきことが行われていることは明白であり、実際に「無断侵入者は射撃される」「撮影禁止」などといった警告看板が周辺に数多く存在し、実際に近くをうろついたり撮影をしていると、直ぐに警備員が飛んで来て警告を発するほど厳重な立入禁止区域となっている。

2013年になって、情報公開請求に基づきアメリカ中央情報局(CIA)が資料を公開するという形で、エリア51の存在を公式に認めた。合わせてネバダ州内の所在地を記した地図も公表した。ただし宇宙人や宇宙船に関するの記載はないとのこと[1]

関連項目

脚注

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外部リンク

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