北アメリカ航空宇宙防衛司令部

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NORAD本部ビル(ピーターソン空軍基地)

北アメリカ航空宇宙防衛司令部(きたアメリカこうくううちゅうぼうえいしれいぶ、North American Aerospace Defense Command)は、アメリカ合衆国カナダが共同で運営する統合防衛組織で、北アメリカ(アメリカ合衆国とカナダ)の航空や宇宙に関して観測または危険の早期発見を目的として設置された組織である。通称ノーラッドNORAD)。24時間体制で人工衛星の状況や地球上の核ミサイル戦略爆撃機などの動向を監視する。

指揮系統

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シャイアン・マウンテン空軍基地のNORAD地下司令部入り口の隔壁
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シャイアン・マウンテン空軍基地内の司令センター

ノーラッドの総合指揮監督はアメリカ合衆国大統領カナダ首相が共同で行っている。司令部はコロラド州コロラドスプリングスピーターソン空軍基地。地下司令部がシャイアン・マウンテン空軍基地にある。アラスカ州エルメンドルフ空軍基地フロリダ州テュンダル空軍基地、そしてカナダのマニトバ州ウィニペグ空軍基地はノーラッドの担当区域では総合指揮監督者から直接に命令を受ける。

慣例的に、ノーラッドの司令官はアメリカ軍において北米地域を管轄する地域別統合軍であるアメリカ北方軍(USNORTHCOM)司令官(大将)が兼任し、副司令官はカナダ空軍の将官(中将)が務める。現任の司令官はチャールズ・ジャコビー陸軍大将、副司令官はJ・A・J・パラン空軍中将である。

ノーラッドおよびアメリカ北方軍は国土安全保障省とは直接の指揮関係は無いが、どちらの機関とも常々危機管理に対して対策検討している。

ノーラッド・トラックス・サンタ

ノーラッドは「ノーラッド・トラックス・サンタ」(NORAD Tracks Santa)として、毎年サンタクロースを追跡している。冷戦の真っ只中の1955年からコーナッド(CONAD、中央防衛航空軍基地)が開始したものを受け継ぎ、2004年で50周年を迎えた[1]

きっかけは、コロラドにある大手スーパーのシアーズ (Sears) が、子供向けにサンタクロース・ホットラインを開設したときの広告に、間違えた電話番号を載せてしまったことである。その番号は偶然にも当時のCONADの司令長官へのホットラインだった[1]。子供からの電話に、ハリー・シャウプ大佐(1917年9月29日 - 2009年3月14日)が「レーダーで調べた結果、サンタが北極から南に向かった形跡がある」と、回答した以来の恒例行事になったと言われる。

1998年から毎年クリスマス・イヴになると、サンタクロースの出発を「レーダーで確認」、その飛行を「偵察衛星イージス艦とサンタカメラネットワークで追跡」し、戦闘機をカナダのユーコンからメキシコのメキシコ・シティーまで飛ばして、「アメリカの領域内にいるサンタを追跡」する[2]。これらの情報を提供するために、多くの軍事スタッフや民間人職員らがボランティアとして、電子メール電話等の応対を務めている[3]

インターネットが普及して以降は、公式ウェブサイトにて、クリスマス・イヴの夜から行なっている追跡の模様を、動画を用いて中継している。2006年日本地域の中継では、新幹線富士山と比較し速度検証した結果、サンタクロースの速度新幹線の100倍と言及した。

サンタ追跡には多くの企業が協力しており、2004年から追跡プロジェクトに関わっていたGoogle[4]2007年から2011年にかけてノーラッドの公式パートナーとして、Google Earthを用いての現在位置ストリーミング表示やモバイルGoogleマップによる携帯端末からの位置確認などのサービスを提供[5][6]2012年マイクロソフトを公式パートナーとして地図サービスにBing Mapsを使用している[7][8]

なお、シーズン以外の公式サイトには、休暇中のサンタの画像が表示される。

フィクション

  • ジョン・バダム監督の映画「ウォー・ゲーム」(1983年公開)で、主人公がハッキングする戦略防衛シミュレーションコンピューター“WOPR”(War Operation Plan Response―戦争作戦計画対応)がここに設置されている事になっている。
  • テレビドラマ「スターゲイト SG-1」では、1928年エジプトギザで発掘されたスターゲイトがシャイアン山の地下28階で保管、稼動されているという設定。
  • テレビアニメ「機甲戦記ドラグナー」で、主人公たちがD兵器のパイロットの登録解除をするために訪れるが、結局たらい回しにされた上に、敵の襲撃を受ける。ちなみにここでは地球連合軍の総司令部という設定。
  • 映画「インデペンデンス・デイ」では、エイリアンからの攻撃に備えて副大統領や閣僚などがここに避難していたが、エイリアンの襲撃を受け全滅したことになっている。
  • コンピューターゲーム「メタルギアソリッド ピースウォーカー」では、ピースウォーカーから送信された「ソ連からアメリカ本土に向けてICBM1500基が発射された」という偽装データを受信し、ソ連への報復攻撃を実行しようとする。
  • コンピューターゲーム「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2」で、ロシア軍の謀略によって米国のSOSUS及び軍事衛星のほぼすべてが機能不全に陥り、アラスカ、東海岸、西海岸にて多数の国籍不明機の機影が直前まで探知できず本土侵攻を許してしまう。
  • 仏さんじょの漫画「年中無休★サンタさん!」では、サンタとその敵である“プレゼンツ”の戦いを1955年からレーダー網によって追跡していた。最終決戦の前には、弾頭を取り外したSLBMトライデントIIを決戦の地への移動手段として提供して主人公達に協力する。

脚注

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関連項目

外部リンク

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