おはなはん

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テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:Sidebar with collapsible listsおはなはん』は、NHK連続テレビ小説の第6作である。1966年4月4日から翌1967年4月1日にかけて1年間放送された。

明治中期の愛媛県大洲市を舞台に明るく生きる主人公・おはなは、軍人お見合いで結婚。子供も授かったが夫は病で他界。女手一つで息子を育て、あらゆる波を越えて成長していく姿を描いた。

モデルは原作者の母・林ハナ(旧姓:深尾、1882年4月13日 - 1981年6月12日[1])である。

主人公おはな役は当初、森光子に内定していたが、撮影開始直前の1965年11月に急病(乳腺炎)により降板し、急遽白羽の矢が立ったのが樫山文枝だった。おはな役は彼女の当たり役となった。

視聴率・人気

1966〜 67年の平均視聴率は45.8%、最高視聴率は56.4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)[2]

放映当時、その人気故に毎朝放映時間になると水道の使用量が激減する現象が全国で見られたという。

朝日新聞』2010年9月25日付のbeランキング「心に残る朝ドラヒロイン」アンケート結果では、本作で主演した樫山が堂々の第1位になった。

スタッフ

  • 原作:林謙一(『随筆・おはなはん一代記』より)
  • 脚本:小野田勇
  • 音楽:小川寛興
  • 演奏:アンサンブル・ミニョイ
  • イメージソング:「おはなはん」(歌:倍賞千恵子
  • タイトル挿絵:風間亮
  • 制作:古閑三千郎
  • 演出:松井恒男、田中昭男
  • 語り:永井智雄

キャスト

映像の現存状況

オリジナルと2種類の編集版がある。

  • オリジナル版 

本放送で放送されたものだが、放送回数310回のうち現存する回は第8回、第10回、第58回、第91回、第95回、第96回、第155回、第168回、第228回の9話のみである。

  • 特集おはなはん版

大変な人気を博したため時間帯の都合で見られない視聴者のために、1週間の内容15分×6話を1時間に再編集した『特集おはなはん』を、1966年の夏休み頃から放送した。 この特集おはなはん版48話は全話現存する。

  • 再編集版

BSでの再放送連続テレビ小説・アンコールのため前述の特集おはなはんをさらに1話1時間半×10回に再編集したものである。この版はセルビデオ化され現在視聴可能なのはこの再編集版である。 しかしすでに編集された特集おはなはん48時間の映像をさらに15時間に大幅にカットしたため、前半の当時一気に人気を加速させたおはなはんと速水のお見合いのいきさつや、結婚後の義祖父との確執と和解、三雲先生とのいきさつ、さらに話の途中何度も登場する溝呂木などの登場人物の描写など重要な場面がすべてカットされている。


特集おはなはん版は放送当時ビデオテープの編集が困難だったため、テレビ画面をフィルムカメラで撮影し編集したものである(キネコ)。当時は放送局用ビデオテープ(2インチVTR)が非常に高価で大型だったために、通常テープは放送終了後に消去されて他の番組に利用された。テープの経年劣化も考えると、視聴者が録画して現在まで保存している可能性は低く、その他の放送回の映像が民間から発見される可能性はほとんどない。そのためオリジナル全話の再放送および全話収録の完全版映像ソフトの製作・発売は困難である。

ドラマ『おはなはん一代記』

『おはなはん』放送以前の1962年11月2日、単発のドラマとしてNHKで放送された。第17回芸術祭奨励賞受賞。

単発ドラマで森光子が主演を務めていたことから『おはなはん』でも森が主演となる予定だった。

他の出演者には、東山千栄子神山繁沢村貞子、蜷川幸雄、加藤武北村和夫などがいる。

地域性

舞台となる県の変更

原作は随筆家の林謙一が母・はなの半生を綴った「おはなはん一代記」。林はなが実際に生まれ育ったのは徳島市であったが、ドラマ化に際しては愛媛県大洲市に物語の舞台が変更された。

この変更は、公式には「戦災で徳島の古い街並みがほとんど失われたため、古い街並みの残る大洲が選ばれた」からだとされているが、一説には撮影に際して徳島市が費用などの便宜に難色を示したからだともいわれる。後日、徳島は大変悔しがったという。

大洲市

ファイル:Ozu Ohanahan Street 1.JPG
おはなはん通り(大洲市)

大洲市には「おはなはん通り」があり、名所になっている。また番組名を採った銘菓も存在する。

テーマ曲

ドラマのテーマ曲はインストゥルメンタルだが、レコード版では歌詞がつけられ倍賞千恵子が歌っている。そのほか映像作品では以下の使用例がある。

最終回

最終回は、樫山の演じる「おはなはん」自身がドラマの第1回放送を見るシーンで終わっている(「おはなはん」の主題歌が流れ始めたところで、樫山にスポットが当たり、終了)。

実在の人物をモデルにした連続テレビ小説は何本か制作されている(「おていちゃん」、「マー姉ちゃん」、「なっちゃんの写真館」、「チョッちゃん」、「春よ、来い」、「あぐり」、「てるてる家族」、「芋たこなんきん」、「ゲゲゲの女房」など)が、ドラマの中にそのドラマ自体が登場する演出は、本作と2011年度下半期の『カーネーション』のみである。

なお、最初の構想では最終回でおはなはんが亡くなるという設定であったが、モデルとなった人物が当時存命であったため、上記の設定に変更になった。

その他

再放送時間はそれまでは月~土12:40 - 12:55枠だったが、本作より12:45 - 13:00と5分繰下がった。以後、この体制が続いている。

本作以降、「ん」がタイトルに含まれる作品は高視聴率になるというジンクスがあり、NHKもこれにあやかる傾向があるとされる(『週刊女性』2013年9月10日号)。

脚注

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テンプレート:前後番組 テンプレート:NHK朝の連続テレビ小説

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  1. 林ハナ とは - コトバンク(デジタル版 日本人名大辞典+Plus)
  2. ビデオリサーチ NHK朝の連続テレビ小説 過去の視聴率データより