ボバ・フェット
ボバ・フェット(Boba Fett)は映画『スター・ウォーズ・シリーズ』の登場人物。登場シーンは比較的少ないが、多くのスピンオフ小説やコミックにも登場する。エピソード5と6で演じているのはジェレミー・ブロック。エピソード2での少年時代はダニエル・ローガンが演じた。
概要
初登場は、『エピソード5/帝国の逆襲』であり、ハン・ソロとミレニアム・ファルコン号を捕らえるためにダース・ベイダーが雇ったバウンティハンターたちの1人として登場した。ボバはベイダーお気に入りの賞金稼ぎであり、ボバもベイダーを信頼していた(コミック『ダーク・エンパイア』では「いい金をくれた」というセリフがある)。
撃墜を偽装するトリックで帝国やベイダーに雇われた賞金稼ぎ達をまんまと出し抜いたソロであったが、エピソード2での経験からソロのトリックを見破ったボバは、惑星ベスピンのクラウド・シティまでファルコン号を追跡し、ソロを捕える事に成功した。この際ボバはジャバ・ザ・ハットからも賞金を受け取るために、ダース・ベイダーから報酬の一部としてカーボナイトで冷凍されたソロを貰い受けた。この事からも“最強の賞金稼ぎ”と言われた父・ジャンゴ・フェットの才能を継ぐ賞金稼ぎとなっていることが分かる。コミック『帝国の影』では、ソロをジャバ・ザ・ハットの元まで届ける際も、ボスクやザッカスら、バウンティハンター・ギルドからの執拗な追跡を受けるものも、彼らを出し抜きジャバとの契約を履行した。
ソロとは、デジリスク・ザ・ハットの依頼で拘束しようとした時、隙を付かれてランド・カルリシアンに銃を突きつけられた挙句、ランドに薬品を打たれて逃がしてしまって以来の因縁がある。
『エピソード6/ジェダイの帰還』でルーク・スカイウォーカーたちがハン・ソロの救出に来たとき、ボバはジャバに用心棒として雇われていた。ボバはルークと交戦、ブラスターで射撃を試みるもライトセーバーで銃身を破壊され、ルークをワイヤーで縛り上げるもあっさりとライトセーバーで斬られてしまう。ルークが他の敵に気を取られた隙を狙いセーバーダードで狙撃を試みるが、まだ視力の全快していなかったソロの闇雲な攻撃がボバのジェットパックを誤作動させ、ボバはサーラックに飲み込まれた。父・ジャンゴもジェットパックの故障に気づかず、メイス・ウィンドゥに敗れたため、親子揃ってジェットパックの誤作動が原因でジェダイの騎士に敗れたことになった。
映画ではそれ以降の描写がないが、スピンオフ小説などでは着ていた装甲服のおかげでサーラックに消化されずにすみ、吐き出されたところを同業者であるデンガーに救われた事が明らかにされている。コミック『ダーク・エンパイア』にて、ソロとレイア・オーガナの前に姿を現す。それまでは、依頼主のためだけに仕事をこなしてきていたが、その後は己のプライドにかけ、ソロを執拗に追うようになったが、次第に良きライバル関係になる。ユージャン・ヴォングの侵略に対して共闘する場面も描かれている。スピンオフ小説の設定では娘(クローンではない)がいる。
1997年の特別篇では、『エピソード4/新たなる希望』に合成によって出演シーンが加えられた。
帝国や犯罪組織に雇われては、数々の賞金首を的確に仕留めてきた、信頼と実績の賞金稼ぎである彼は、伝説の戦闘集団"マンダロア戦士"の装甲服を着ている。また、腰には討ち取ったウーキー族の頭髪を"戦利品"としてぶら下げている。武装船は「スレーヴ・ワン(Slave I)」と呼ばれる(『エピソード2』にて、父ジャンゴから受け継いだ宇宙船であることが判明する)。サルラックに呑み込まれてから復帰してしばらくは、「スレーヴ・トゥー(Slave II)」と呼ばれる宇宙船を用いていたが、ビィスのシールドに突っ込み大破して以降は、取り戻したスレーヴ・ワンを再び愛機とした。
『エピソード2/クローンの攻撃』では父ジャンゴ・フェットがカミーノ人にクローン・トルーパーの遺伝子ホストの報酬の一部として作らせた完全なクローンであり、愛機や装甲服などを受け継いでいたことが明かされた。ボバはジャンゴを「パパ」と呼び、ジャンゴは彼を愛息子としてマンダロアの後継者にするべく、戦士としての英才教育を施して育てられたが、ジオノーシスの戦いにて、ボバはメイス・ウィンドゥによりジャンゴが斬首される風景を目撃し、以後ジェダイに対し決して消えない憎しみを抱くようになったという。
『クローン・ウォーズ』では、父の死後、父の知り合いの賞金稼ぎ達に育てられながら、父の復讐の機会をうかがい、ラッキーという名でクローン・トルーパーの訓練兵に紛れ込んでメイス暗殺を謀るも失敗。また、その際には父の教育による段違いの射撃能力を披露したり、父と同じ容姿をしているクローン・トルーパーやクローン・トルーパーの少年兵を殺せない甘さ・優しさを見せたりしている。失敗によりスレーヴIは大破し、共和国に捕まった。その後、銀河内乱の表舞台に躍り出るまでの約20年間の正確な足取りは不明だが、傭兵や殺し屋として暗躍し、実戦経験を通して、その腕を高めていったことは確かなようである。コミック『ダーク・エンパイア』では、復活したパルパティーン皇帝が組織した暗黒卿が、「ストーム・トルーパーとして訓練を受けていたが、脱走した」という台詞がある。
ジョージ・ルーカスが企画中の実写テレビドラマ版にダニエル・ローガンが約10年ぶりに同役で登場するのではと噂されている。
トリビア
- 1978年に製作された『スター・ウォーズ ホリデー・スペシャル』というテレビドラマが実質的には初登場。このときはまだアニメシーンのみであったが、映画本編に先行して登場した初めてのキャラである。
- 『ジェダイの帰還』以降人気の出たボバに対して、ジョージ・ルーカスは「人気が出ると知っていたら、もっと(最期の場面は)カッコよくしたのに」と語っているが、テンプレート:要出典
- ボバはジャンゴの純粋なクローンという設定が新三部作で明らかになったため、旧三部作DVD(デジタルリマスターバージョン)ではボバの声をジャンゴを演じたテムエラ・モリソンのものに差し替えた。
- 旧三部作でボバを演じたジェレミー・ブロックは『エピソード3/シスの復讐』で、ベイル・プレスター・オーガナがオーダー66を逃れたヨーダとオビ=ワン・ケノービを拾い上げた「タンティヴIV」の艦長を務める「ジェレモック・コルトン」という役で出演している。
文献
- ケヴィン・J・アンダースン/ダニエル・ウォーレス 共著 横沢雅幸/高貴準三 監訳『スター・ウォーズ クロノロジー(上・下)』ソニー・マガジンズ、2002年