ストーム・トルーパー

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ストーム・トルーパーStorm trooper)(一部ではImperial Storm trooper、帝国軍ストーム・トルーパーと表記されている)は、映画『スター・ウォーズ・シリーズ』に登場する、銀河帝国軍の機動歩兵。彼らはストーム・トルーパー軍という組織に所属しており、地上軍や宇宙軍には別に独自の歩兵(アーミー・トルーパー/ネイヴィー・トルーパー)が存在する。

もともとは『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』で登場するジャンゴ・フェットクローンであるクローン・トルーパーが前身であることが作中の流れで明らかにされており[1]、使用する兵器や諸装備もクローン・トルーパーと酷似したものが多い。設定では帝国時代の最盛期には20億人のストーム・トルーパーが存在していた。

概要

基本的に同シリーズの銀河共和国軍のクローン・トルーパーと同様の存在で、黒い温度調整ボディ・グローブの上に打撃や銃弾爆発による破片・ガスなどから身を守る簡易宇宙服をかねた18ピースの装甲服を着用し、ブラスターライフルで武装している。この白い装甲服は軽量な樹脂(設定ではプラスチール製)でできており、理論上はブラスターによる攻撃を防げる、とされているが実際にはそうはいかないことは作中で多々証明されている。ただし、これはあくまでも良質のディバナ・ガスを装填している最新のブラスターに対してであって、経年劣化したディバナ・ガスを使っていたり、時代遅れのブラスターに対しては十分な防御力を見せる。ヘルメットには簡単な環境維持装置や通信装置、更には視覚補正装置や目標捕捉システムも搭載されている。腰に巻いているベルトには携帯用ブラスターのパワーパックや、鉤爪付きフックとケーブル、濃縮食糧、緊急用バッテリー、小型サーマル・デトネーター、予備用コムリンク等の使い勝手の良い道具が装備されている。

しかしながらエピソード6において装甲服を着用しない同盟軍兵士(およびイウォーク族)と交戦するも、装甲服を着用する事で戦闘で有利になっているという描写は見られない。また同盟軍が対抗して装甲服を開発・着用する描写もない。

特徴的なヘルメットは、銀河帝国の市民を威圧する目的もあってのことだが、この装甲服は汎用のもののほかに以下のようなバリエーションが旧三部作中に登場している。

  • 偵察任務に特化して目の部分が広く四角い視覚補助装置となっているスカウト・トルーパー
  • 雪上戦闘に特化し裾の広いスカート状の付属装備を持つ防寒や雪上の擬装性に特化したスノー・トルーパー
  • 砂漠などの高温の環境に特化したサンド・トルーパー

他にもスピンオフ作品ではスカウト・トルーパーに類似したヘルメットを身につけている水中戦に特化したシー・トルーパー、ゲリラ戦法に特化した黒い装甲服姿のストーム・コマンドー、黒い装甲服に身を固めた情報収集に特化したブラックホール・ストーム・トルーパー、主に帝国軍が鎮圧のために故意に放射能で汚染した地域に展開する高い放射能に晒された環境下での戦闘に特化したラドトルーパー、敵宇宙船に切り込んで船内を制圧する戦闘に特化した重装備のスペース・トルーパー、ストーム・トルーパーのエリート部隊から選別されコルサントをはじめとした銀河中央部の各主要都市において警察権を行使する打撃に強い赤い装甲服を着込んだコルサント・ガードが存在し、更に強化装甲を施されたドロイドによるダーク・トルーパーも存在し、反乱同盟軍の基地を壊滅させる(後に反乱同盟軍の破壊工作によって唯一の工場だった宇宙戦艦が破壊され、ダーク・トルーパーに関する情報は失われる)(PCゲーム「DarkForce」)。

作中ではブラスターを必ずと言っていいほど左手で射撃し、命中率は低い。しかし、『ジェダイの帰還』においてスカウト・トルーパーがバイクに乗りながら右手で正確に射撃しており、通常のトルーパーも(おそらく誤って)右手で射撃したときにレイア・オーガナR2-D2に命中させている。通常は左手で射撃を行っている事と、右手のほうがかえって命中率が良い理由は作中で描写がなく、設定資料にも記述がない。なお、ジャンゴ・フェットは二丁拳銃か基本である。

任務内容

ファイル:March of Imperial Soldiers.jpg
東京ゲームショーにあらわれたストーム・トルーパー

彼らは帝国の広範囲にわたる惑星を迅速かつ正確に攻撃し、暴動を鎮圧し、秩序を維持する。ストーム・トルーパーは決して買収されず、誘惑も、恐喝も効果がない。これはクローン・トルーパーと同様に、育成段階でプログラミング的に入力される「オーダー」と呼ばれる規範教育によるもののようだ。

帝国においてトルーパー達の生命は極めて軽い物とされ、下手をすれば高価で機能的なドロイドよりも低く扱われている様子すら見られ、帝国の主要な労働力ともなっている。ストーム・トルーパーの訓練は、新秩序の主義における完全な教化を強調されて行われ、各員は疑いを抱かず、他者の権利や自らの安全をも考えずに上官の命令に従うようになっている。彼らはその忠誠心と引き換えに個性と自らの意思を持たない兵士達である(もっとも中には自分の行いを恥じて反乱同盟軍に寝返った者もいるが)。トルーパーの装備は量産が可能なように標準化され、トルーパー自身も厳密な製造計画に拠って規格化されている。

このように不遇なトルーパーではあるが、彼等無くしては帝国の日常業務は成り立たない。なお、そのトルーパーを指揮する士官等はかつてのハン・ソロがそうであったように、帝国領内各地の惑星から士官学校に志願・受験し、合格して配属された人間である。この点は、部隊長クラスを含めた全ての兵士、指揮系統もクローンでまかなっていたクローン・トルーパーとは異なる。一般隊員は従来通りのクローンも居るが、地上軍や宇宙軍で特に優秀な兵士が上官の推薦を受けて訓練を受け、ストーム・トルーパーになることもある。また、ダーラ提督の軍事改革後の帝国やスローン大提督が創設したハンド帝国では女性やエイリアンにもストーム・トルーパー部隊への門戸が開かれた。

クローン・トルーパーからストーム・トルーパーへの変化

旧三部作中ではストーム・トルーパーの詳細についてはほとんど明らかにされていない。また、「中の人」が素顔を見せることも人間らしさを見せることもなく、事実上ドロイドと大差ない描写であった。唯一の例外は、『エピソード4』でストーム・トルーパーの装甲服を着て変装し、独房に侵入したルーク・スカイウォーカーである。当然ながらストーム・トルーパーの誰かの装甲服を剥ぎ取っているはずだが、作中でそのシーンは描写されていない。この時レイアは「トルーパーにしては背が低い」と評しており、概してルークよりも背の高い者がストーム・トルーパーに選ばれている事がわかる。

『エピソード3』でヘルメットの形状(MkII)がストーム・トルーパーの物に近づいていることと、関連書籍の設定から見て、名前と装備が変わり、ストーム・トルーパーの「中の人」はクローン・トルーパーのオリジナルとなったジャンゴ・フェットを始めとした優秀な兵士(戦士)をオリジナルとするクローンや、帝国領内の各惑星から徴兵され訓練を受けた普通の人間の男(例えばキップ・デュロンの兄)によって構成されていると思われる。

「スローン3部作」と呼ばれるスピンオフ小説では、「スローン大提督パルパティーン皇帝の遺産として、秘匿されていたクローン・シリンダーを発見した」[2]という記述が見られるため、『新たなる希望』~『ジェダイの帰還』の時点では、クローン・トルーパーはほぼいなかったのでないかと考えられる。

なおこの明確に語られていないストームトルーパーの「中の人」に関してだが、日本で1990年代前半に行われたジョージ・ルーカス展のみで販売されたパンフレット『THE GEORRGE LUCAS EXHIBITION』内では、バイカー・スカウト(後のスカウト・トルーパー)デザイン段階のラフスケッチ(P.107)で、髭面男性でボバ・フェット(ジャンゴ・フェットの未調整クローン体)デザイン画の「中の人」ラフスケッチ(同P.68)に似た人物が描かれているのみである。

脚注 

  1. C-3POとR2-D2が待機したデス・スターの管制室にストーム・トルーパーが押し行ってくる際に、入り口のドアに頭をぶつける者(DVD版ではさらに音が強調)がいる。このシーンから裏設定が追加され、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』にも賞金稼ぎのジャンゴ・フェットが自身の宇宙船に乗り込む際に頭をぶつけるシーンがある。
  2. ケヴィン・J・アンダースン/ダニエル・ウォーレス『スター・ウォーズ・クロノロジー〈下巻〉』ソニー・マガジンズ文庫、2002年、p.10

関連項目

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